第2話

神の国から子供が来ると言うことで先生達が恐れていた。ナツメと由貴はそれを行く前から感じていた。ういは純粋に年齢が近い子供達と遊べると喜んでいた。

最初は子供達も遠巻きだった。ナツメ達が恐れていた事だった。だが空気を読まずういは他の子供達に話しかけ遊ぼうとした。ういは母親に似たのか人懐っこいので数時間もすると一緒に遊べるようになっていた。ナツメも由貴もういに引っ張られ自然に遊ぶようになっていた。

ただナツメ達は親から人間の子供は脆いから力を絶対に使わないように言われていた。だから魔法を見せてと言われても頑なに見せなかった。

そんな感じなので表面上は仲良くしていたがナツメと由貴は少しずつみんなとの距離が出来始めた。ういは大声で泣いた。仲良く出来ないみんなに対しての抗議として。

何かある度にういが自然に溶け込めるようにしてくれていた。ナツメと由貴にはない才能だった。

「ういちゃん、好き。大きくなったら結婚して」

ある日ある男の子がういに告白していた。園児くらいの年齢では割と気軽にそういう事をいう子はいた。

「ういは……駄目なの。ごめんね。わーん」

何故だかういは大泣きして先生達も慌てた事があった。みこととりんなは不思議に思って他に好きな子いるの?と尋ねたがううんと答える。

「うい達は何かやらないといけない事があるの。何だかね、生まれた時からずっと感じてるの。だから結婚は駄目なの」

そう言うういにふたりは悩んでしまった。やらないといけない事?顔を見合わせて相談する。何かそんな事言ったのか、あったのか。

「ういは今までそんな事言ったことないわ。なんでだろ?……しかもうい達って……。心配だわ」

りんなは不安そうな顔でみことに抱きつく。みことはりんなの頭を撫でながら大丈夫だよと呟く。

「多分何かの使命があるのかもしれない。ういやナツメ、由貴。この3人が同じ日に生まれたのは意味があるのかもしれない。神の国に新しい時代が来るのかもしれない」

「新しい時代……そうね。雅臣さん以来ずっと神の国で子供は生まれなかったんだものね。しかもさんにん同じ日に生まれた。私達には止められない何かがあるのかも。親としては心配だわ。無事に元気に育って欲しい。それだけなのに何か重い運命を背負ってるのかも、なんて」

目を伏せ悲しそうな顔をするりんな。そんなりんなを見つめ、みことは頭を撫でて傍に座る。

「あの子達を信じよう。子供のパワーは凄いから、何か起こるかもしれない。起こらないかもしれない。見守るのも親の役目だよ」

「どうしても心配だけどずっとあの子達を守り続ける事は不可能だものね。うん、分かった。頑張って見守る」

りんなはみことを見つめながら悲しそうな顔をした。みことは抱きしめて落ち着いてとりんなを寝かせた。何かが起こるかもしれない。その予感はずっとある。だが何が起こるのかだけは分からない。不安は常に付きまとっていた。

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