第78話 強化形態(ファイナルバトルフォーム)
「これは驚・・かないな。前々から戦いのときに狂戦士(バーサーカー)のように荒れ狂うのを見て正義の味方ではないとは思ってたが・・・」
「ぐひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!そうさ!オレは元は人間だった。だが、“冥性鉱”を直接脳に埋め込む実験で常人の数倍の筋肉と魔力を手に入れたのさ!!!!」
「おまけにこれだけじゃねえぞ!」
スコットことブラックオーガは腰にまだついている皮ポーチから何かを取り出した。
かなり大きな、糖尿病のインスリンに用いるような注射器だ。
そして何かのアンプルをその中に入れ、それを首に注射した!
「グカアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」
元スコットだったブラックオーガの体がさらに一回り巨大化し、鋼のような筋肉がさらに倍加した!!
「スドウさん逃げて!!!あいつ戦闘力がただでさえ最強クラスに強いオーガ種であるうえにさらに攻撃力と魔力がさっきより5倍以上上がった!!!あんなのと正面から戦うなんて無茶だよ!!」
「はあああああああ!!!!どうだああああああああああ!!!!!!!!!!」
「何かと思えばドーピングにさらにドーピングかよ?どんなヤクをキメて粋がっているのか知らないが相当危ないクスリに手を出しているんだな、スコット・・・じゃなくてバケモノ!」
「おのとおりよ!!オレ様の脳に埋め込まれた“冥性鉱“にこの”神性銀“をプラスすればさらに”その”純度が濃縮されて戦闘力と魔力が倍加するって算段よ!!」
「誰がそんな危なすぎるブツをあんたに与えたんだ?」
「そんなことをお前が知る必要はない!」
「なんせ知ったとこで無駄だからよ・・・・」
「“冥性鉱”と“神性銀”。この2つが合わさって得られるパワーを前にして勝てる生物は」
「地獄にすらいねえええんだよクソガキいいいいいいい!!!!!!!」
ドグボグオォォォォォォッッッッッッ!!!!!!
バケモノの振り回すハルバートが俺のいた場所に食い込んだ!
空中に逃れた俺はマブクロから手りゅう弾を取り出そうとした。
しかし!
「空に逃げても無駄だ!」
奴は巨体から想像も出来ぬ跳躍力で飛び上がり、俺のすぐ目の前にまで飛び上がると片手で強烈な正拳突きを見舞ってきた!!
「ぶぐっ!!!!!」
俺は地面にそのまま激突し、口からありったけの真っ赤な血を吐き出した!
吐き出すというより血の塊をまんま吐くような、強烈な頭痛と吐き気も同時に襲ってくるほどの衝撃!!
ズシーン!!!!!!
巨体が地面に着地する音。
ブンブンと重量感のあるハルバートが軽々と振り回される風の音が俺とルイーゼさんへプレッシャーをさらにかけていく。
「大丈夫ですかスドウさん!!トワイライトヒーリング!!」
「ぶっ・・・・・・・、あんな巨体で何という速い身のこなし!」
即座にルイーゼさんが回復魔法をかけてくれて助かった。
だが、あと数センチ奴の丸太のような腕の正拳が俺の腹に食い込んでいたら内臓が間違いなく破裂していた。
とっさに防御魔法を全開にしてもこれだ。
奴の攻撃力は前からすさまじいものがあったが、よりパワーが増していやがる!
「ペッ!!なかなかの拳だなおっさん!!」
何とか立ち上がった俺を見てブラックオーガは黒光りするむき出しの筋肉の胸を張った。
「グあっはっはっはっはっはっ!!!!怖いだろうクソガキ!!」
「まあ、オレ様の強化形態(ファイナルバトルフォーム)での打撃を喰らって大口をたたくお前に敬意を表して冥途の土産に教えてやる。絶望を手土産に今度はおっぱい丸出しのお姉ちゃんがたくさんいる世界にでも転生するんだな!」
「何だと!?」
「お前はわれらが“始原の暁”にとって邪魔者として認定されたことでこの世界に送り込まれたのだ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます