桃太郎の正体
深夜、泥酔して帰宅した桃太郎をおじいさんとおばあさんがたたき起こした。
「桃太郎、何だいこれは?」
おじいさんは部屋にあったケースを開けた。中身は金銀財宝であった。おばあさんが桃太郎に詰め寄った。
「会社のお金に手を付けたのか?」
「これは、自宅で保管してほしいと頼まれただけで、金銀財宝とは知らなかったよ」
おじいさんはまだ難しい顔のまま。おばあさんはしくしくと泣き始めていた。
泥酔して帰宅して日に家族を泣かせるだなんて、いったい、俺は・・・・
「ひょっとして俺は鬼だったの?」
気が付くと自宅周辺を警察車両が取り囲み、投降の呼びかけが始まっていた。この気配に気づくとおじいさんが窓ガラスをがらりと開けて外に向かって叫んだ。
「たすけて〜。わしはここじゃよ〜」
「なっ!!」
予想外の出来事に呆然とした表情の桃太郎はその場に立ち尽くしていた。
パトカーの赤色灯が照らし出した桃太郎のシルエットはまさに赤鬼そのものであった。
吉備団子が美味しくてたまらない 乙島 倫 @nkjmxp
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます