エピローグ&あとがき

 うぅーん、まぶしいです……。恐る恐る目を開けると、すだれの隙間から差し込む朝日が目に飛び込んできました。もう起きる時間のようですね。


 あれ、ここはどこでしょう。ええと、そうそう。昨日は確か旅館に泊ったんですよね、皆で温泉に入って、なんかいい雰囲気になってそれで――


「……すぅー、はぁー。ギリギリセーフ、これはギリギリセーフです」


 旅行が終わってしまう寂しさを紛らわすかのように沢山イチャイチャしましたが、これはセーフの範疇だと思っています。はい。


「いや、アウトでしょう?! どう考えてもアウトですわ!」

「ギリギリどころか、普通にセーフだろ?」

「「え?」」


「っ! 瀬奈さん、翠さん、起きてたんですね。おはようございます」


 私の言葉に瀬奈さんと翠さんが正反対の反応をしました。瀬奈さん的にはアウト、翠さん的にはセーフのようですね。


「お、おはようございます……。はぅぅ、やってしまいましたぁ。恥ずかしくて顔を直視できませんわ///」

「おはよー。瀬奈さんは大げさだって。なあ、美香? あれくらい、R15判定だよな?」

「ちょっと、なんで私に振るのよ?! ま、まあ、セーフなんじゃない? 知らないけど」


 一応言っておきますと、高校生同士の恋愛で許される範囲の事しかしていないですよ。いや、ほんとに。

 親や先生にバレても怒られないレベルだと思います。たぶん。





 楽しい夏休みが終わってしまい二学期が始まりました。旅館での一件以降、学校での私たちの関係は……特に変わりませんでした。学校にいる間、私は整備士の先生ですから。全員の健康をサポートするのが私の役目です。


 ですが、学校がない日の私たちの関係は大きく変わりました。一緒に遊びに行ったり、誰かの家に泊ったり。親御さんに挨拶するときは少し緊張しましたね。苦言を呈されることも覚悟していましたが、皆さん「娘をよろしくお願いします」と好意的な反応をして下さりました。



「大切な人と幸せに暮らすために、私、これからはもっと頑張ろうと思います!」


「いや、久美さんはもう少し休んでください」

「そうだよ! 久美ちゃんはもっとのびのびすべき!」

「そうそう~。私たちが頑張るから、先生はもっと休むべきだよ~。助け合いだよ、助け合い♪」

「そうよ、私達も頼ってね! ね、文香ちゃん?」

「Zzz……。ふぇ? 何か言った?」

「おいー! 台無しじゃないか! いや、これはこれで文香らしいか?」


「みなさん……! 私は、なんてすばらしい仲間に出会えたんでしょう、感動です!」



 メカ系魔法少女の百合を堪能する為に整備士になった私は、これからはメカ系魔法少女百合を堪能する為に整備士を続けようと思います!




 そして私たちは努力の末に悪意の機械マリスマシン出現の根源を見つけ出したり、それを掌握すべく神話上の出来事とされる事件の謎を紐解いたりするのですが、それはまた別のお話。




◆ あとがき ◆



 こんにちは、作者の青羽です。これにて『メカ系魔法少女の百合を堪能する為に私は整備士になりました!』は完結となります。ここまで読んでいただきまして誠にありがとうございます。


 当初の予定では3万字くらいで完結させようと思っていたのですが、皆様の応援のお陰でやる気に火がついて倍近い長さとなりました。

(そして某コンテストの応募要件である「6万字以下」を超過しそうになって、BBQ、お昼寝、お祭りをぎゅぎゅっとダイジェストにしたのはいい思い出です)


 ――という裏話をした所で、そろそろ〆ようと思います。改めまして、本作を楽しく書く事が出来たのは読んで下さった皆様のお陰です。本当に感謝してもしきれません。ありがとうございました!


 最後になりましたが、もしよろしければ最後のご祝儀と思って応援やレビューして頂けますと助かります。何卒よろしくお願い申し上げます。

 それでは皆様、ごきげんよう。また別の作品でお会いしましょう。



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【完結】メカ系魔法少女の百合を堪能する為に私は整備士になりました! 青羽真 @TrueBlueFeather

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