旅行へGo!
旅行に誘われたその日から私たちは計画を入念に見直しました。これはこう変えよう、こっちはこの方が良い、などと調整に調整を重ねた結果、元の予定とは大幅に変わったものになっちゃいました。まるでテセウスの船ですね。
予定が決まった後も、親御さんからの了承を得たり新幹線やペンションの予約をしたりと大忙し。そして、憂いなく旅行を満喫するために事前に宿題を終わらせておこうと言う話になり、みんなで勉強会を開いたりして……。
そんな風に忙しくしている内に、旅行当日になっていました。
◆
「それでは、この時間を使って改めて旅行プランを説明しますね。しおりを開いて下さい」
行きの新幹線内でブリーフィングをしておきます。
一日目の今日は、ペンションに荷物を置いてから近くのショッピングモールへ遊びに行きます。ここでは明日以降必要になる物を買う予定となっています。ついでにみんなで新しい水着を買おうという話になっています。楽しみです。
二日目は海へ行く――のですが、その前にみんなで早起きしてお弁当を作ろうという話になっています。皆で作った物ほど美味しい物はないですからね。
それから丸一日かけて海で遊んで、夕方にはバーベキューと花火を楽しみます。前日にショッピングへ行くのは、ここで使う食材を買うためでもあります。
三日目の午前中はペンションのチェックアウトを済ませた後、海とは真逆で山へ遊びに行きます。向かう先はハンモック公園、森林浴を楽しめる場所のようです。
午後からは近くで開かれるお祭りへ行きます。みんなの浴衣姿が楽しみで仕方ありません!
三日目の晩は貸し切り温泉付きの旅館で一泊する事になっています。かなりお値段が張るので、ここに関しては割り勘ではなく私が払う事にしました。みなさん遠慮してましたが「今後、皆さんがもっと稼ぐようになったら、代わりに何か奢ってください」と言って丸め込みました。
四日目に帰宅となります。以上三泊四日の旅となります。
「いやぁー、明日も明後日も晴れそうで良かったね!」
「そうですね、雨が降ったらどうしようかとヒヤヒヤしてました」
「てるてる人形をた~くさん作った甲斐があったよ~♪」
ほんとに晴れて良かったです。雨が降ったら旅行が台無しになっちゃいますからね……。
「そうなったら、みんなで一日中お布団でゴロゴロだね……」
「美少女7人が1日中お布団で過ごす。何も起こらないはずはなく……」
「また翠は変な事を言って……」
せっかく海で遊ぶのを楽しみにしてたのに、そんな事を思いながら部屋に閉じこもっている魔法少女達。代わりに別の楽しい事をしようと、彼女らがしたのは……。きゃあああ~!
そ、それはそれで見たかったですね。はあ、はあ。
「翠さん?! 変な事を言わないでくださいまし!」
「ああー! 瀬奈っちったら、変な想像したでしょ? 『それはそれでいいかも』って顔をしてたー!」
「し、してませんわよ!」
ぎくぅ。
「あれ~? 先生も肩をびくってしてるけど、もしかして~?」
「も、桃さん?! そんなことないですよ! それより、電車内なんですから、あまり騒がないようにしましょう」
「はーい。そっかー久美ちゃんもそういう事、想像するんだねー」
「久美さんまで……。文香ちゃんのピュアな心に悪影響を与えるようなことはしないでよー」
だって仕方ないじゃないですかあ、皆さんとっても可愛いんですから。その可憐な花々が織りなす美しい百合をもっともっと見たいんですもん!
なんて楽しく話していると、あっという間に目的地に到着しました。まだ旅行は始まったばかりなのに、既にとっても楽しく、とっても充実しています。この調子で、もっと沢山の百合成分を吸収したいですね。
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