第3話 修行

設定が甘く、色々と気になる点があり、物語の大筋は変えず、設定をより作り込み、「新・吹雪の国」として、もう一度、一から投稿いたします。


エクリプス「遅い! かようなままでは20年経っても出られないぞ!」

弟子入りしてから、恐らく2年が経過した。師匠は随分と厳しく、何度か死にかけ、魔力を幾度と枯渇させられた為、気絶することは消えたが、髪の一部が白髪化してきた。今は何時間と走らせられている。

エクリプス「走りながら召喚人を出すんだ!」

俺「えぇ!? 無理ですよ!」

エクリプス「行う前から不可能と決めつけるな!」

俺「くっ! 出てこいクリーガー!!」

クリーガー「御意…」

エクリプス「出てきたであろう!」

俺「本当に…、出てきた…」

意識が朦朧としてきた…。足に力が入らな…

エクリプス「倒れたか」

クリーガー「エクリプス殿、あまり言いたくはないのですが、わたくしの主を、死んでもおかしくない程に、厳しくするのは抑えてはくれませんか?」

エクリプス「できぬ相談だ。さぁ、貴公の主を運ばないのか?」

クリーガー「承知しました。ですが、死ぬ寸前となれば、無理やりにでも出ますから」

数時間後

ここは…、あぁ、気絶したのか。あれ? 足に力が入らない。

俺の部屋の出入り口の布をどかし師匠が入って来た。

エクリプス「足は動くか?」

俺「どちらかと言うと、力が入りません」

エクリプス「ならば、これを飲むと良い」

そう云って渡された物は、ドロッとした白のポーションだった。

エクリプス「一度に全て飲むんだ」

覚悟を決め、飲み干すと、足に力が入り、怪我が治り、疲れが消え失せた。

エクリプス「今日はもうしない」

と云って、出て行った。と思えば、師匠は戻って来た。

エクリプス「一つ忘れていた。君が今使っている杖は子供向けであろう? だから、この杖を君に渡そう」

そう云って、杖を貰った。

感謝の言葉を云おうとすると、居なくなっていた。(もちろん後日感謝した)

3年後

私は剣で模擬戦をしている。

師匠から貰った剣で、師匠の攻撃を受け流し、隙を見て攻撃するが、投げ技を掛けられ、地面に倒された。起き上がり、師匠を見ると、遠くを見ていた。

私「師匠、何か居るのですか?」

師匠は何も云わずに、見ている方向に手を向け、魔法を放った。だが、何者かに破壊された。

エクリプス「ジーク、千里眼で何が居るのか見えるか?」

千里眼で見ようとするが、何か居る場所には、靄が掛かり、見えない。

私「見ても靄が掛かって、何も見えません」

沈黙の時間が数秒流れると、師匠が突然大声で、「クリーガー! デミウルゴス! 出てきてジークを守れ!!」

と云うと同時に師匠は魔術で剣を取り出し、遠くから目にもとまらぬ速度で爛れた漆黒の鎧が師匠に近づき、殴った。師匠は剣で防いだが、吹き飛ばされた。顕現したクリーガーは慎重に周りを見ている。

困惑していると、鎧がやって来た方向から、恐らく2メートルの人型でローブを着て、杖を付きながら、私の方に来た。

私のすぐそばに来て、男の声で云った。「今の内に…」とだけ。声を聞いた途端、体の髄から恐怖が溢れ出た。クリーガーは体を動かそうにも、動けない。

人型は杖を左手に持ち替え、腰に携えた剣を抜き、私に振りかざした。死ぬのだと絶望すると、クリーガーが私を担ぎ、全速力で離れた。だが、人型は一瞬でこちらに近づいた。クリーガーは私を遠くへ投げ、人型に殴りかかった。投げ飛ばされた私は受け身を取り、転がった。立ち上がると、地面が崩壊し、私は崩壊した地面と共に、落ちて行った。

意識が朦朧としていると、隣にクリーガーが落ちてきた。それに驚き、意識がハッキリとして、周りを見渡すと、上に人型が居た。クリーガーの意識が無い為、仕方なく走ると、洞窟があった。洞窟進んで行くと、右の膝を水魔術が後ろから穿った。「ソル」と云って、エーテルの魔術を放ち、さらに奥へ這って進むと、脳内に声が流れてきた。「貴君、我に魔力を渡し、貴君に迫って来る者を倒させるか? 選びたまえ」

私「全ての魔力を渡す!」

謎の声「承知した!!」

突然、眼前に、剣を台座に突き刺した鎧の石像が現れた。驚いていると、石像にヒビが入り、一瞬の光が出現し、光が消えると、石像が居た場所には、異常な程の覇気を放つ重厚な鎧の騎士が居た。

騎士「我は覇王、グリムフォニア。太古の時代を生きし者」

グリムフォニア「これより我は貴君のしもべだ。立ちたまえ」

困惑しながら膝で立つと、グリムフォニアが私の顔に手をかざすと、右目に激痛が走った。痛みで叫んでしまう。右目から血が流れ出てきた。

グリムフォニア「貴君に魔眼を与えた。その名も、「覇王の瞳」」

深呼吸していると、グリムフォニアが歩き出し、私の後ろに仁王立ちし、剣を構えた。1秒か2秒経つと、人型が尋常ならざる速度で、グリムフォニアを蹴ろうとしたが、剣で防ぎ、左拳で殴り、人型はいささかではあるが、吹き飛ばされた。

人型「私はいずれ貴様を殺す!! その時が来るまで首でも洗い、待っているが良い! そして、私の事はダゴンとでも覚えておくが良い!」

そう云うと、ダゴンと名乗る者は消えて行った。膝に治癒魔法を使い、立ち上がり、地面が崩壊した所に戻ると、そこには、鎧はひどく壊れ、ヒビが複数入り、横たわっていた。

急いで近寄り、聞いた。「クリーガー! 大丈夫か!」

クリーガー「大丈夫…です…」

と云って、球体の魔力と化し、私の体に入って来た。

グリムフォニア「主よ、召喚人はかような事が起きても、数日経てば復活する故、安心してくだされ」

私「本当か?」

グリムフォニア「無論」

私「そうか…」

私は安堵し、師匠と模擬戦をしていた場所に戻ると、そこには、血だらけで、座っている師匠が居た。

私「師匠! 大丈夫ですか?」

エクリプス「大丈夫…だ…。何故グリムフォニアが居る…」

師匠は立ち上がり、家に入り、ポーションを飲み、傷が完治した。

数日後

グリムフォニアは師匠と腐れ縁らしい。だが、幾年も会っていなかった故、双方死んだと考えていたらしい。

グリムフォニアは本当に覇王らしく、何故歴史に出てこない理由は、愚かな者が間違えてグリムフォニアに付いて書かれた書物を燃やしてしまったらしい。

ダゴンと名乗る者は、師匠曰く、恐らく邪神の類か、邪神の使徒だろうと云っていた。


第3話 終

つづく


ゲームロード画面風一口解説「元素」

「地・水・火・風」これを四大元素シダイゲンソと呼ぶ。世間一般的に、左記の4つが元素と云われる。

だが、実際には、第五元素「エーテル」が存在する。

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