第2話 少年期

設定が甘く、色々と気になる点があり、物語の大筋は変えず、設定をより作り込み、「新・吹雪の国」として、もう一度、一から投稿いたします。


召喚の儀から2か月が経過した。夏は過ぎ去り、また雪が襲来した。今日は最後の授業だ。最後にとある魔術を使えるのかという授業だそうだ。しかし、雪が活発になってきた。授業はできるのだろうか。

俺「先生、本当に今日やるんのですか?」

ラーシェ「やりますよ。最悪雪を吹き飛ばす魔術を使えばいいですし」

俺「分かりました」

眠っていると、突如轟音が聞こえた。まずい、この場所は深淵の渓谷と呼ばれる場所だ。渓谷に入ってしまえばどうなるのかわからない。俺は叫びながら深淵の渓谷に入った。

感覚はまるで、水に浸かっているようだ。だが、体は濡れていない。視界には何も映らない。腕を動かしても、視界には何も映らない。少しずつ体が下へ沈んで行く。突然、体が真っ黒の水から出た。周りを見渡すと、魔物が牛の様に遅く歩いてくる。咄嗟に詠唱を始めた。「神秘なる者よ、我に力を貸したまえ。マヒナ!」と唱え、光の輪を放ち、当たったが、効いたようには見えない。周りには逃げ道は無い。こうなったら、「ローカヒ・キルピ」と防御魔術を唱え、もう一つの詠唱を始める。「神秘の支配者よ、我はヴァ―ルハイト・エーデル・ジーク、そなたへ全ての魔力を捧げる。そなたは我を地上へ戻したまえ。サラストゥス・シエル・モント・ヘ…」唱えていると、突如背後に一人の人間が跳んできて、「君の魔力全てでは、ここから出ることは出来ないよ」と云った。女性の声だった。振り向くと、女性は「君の魔力使わせてもらうよ」と云い、剣に魔力を溜めて、周囲に解き放ち、瞼を閉じ、開けると、周りには女性以外誰も見えない。

俺「あなたは何者ですか?」

女性「ふむ、そうだな。私の事はエクリプスと呼ぶが良い。それで、君は何故ここに居る?」

俺はエクリプスに事情を説明した。

エクリプス「なるほど。君はここから脱出したいか?」

俺「できるなら…」

エクリプス「ならば、今の君には不可能だ。ここを脱出するには、膨大の魔力を必要とする。今の君には、魔力もだが、それ以外も足りていない」

俺「じゃ、じゃあ、どうすれば…?」

エクリプス「私の弟子になるか、何とかして、生きるかだ」

俺は土下座して頼んだ。

俺「弟子にしてください。お願いします」

エクリプス「おいおい、私は土下座しろなどとは言っていないぞ。頭を上げたまえ」

エクリプスが焦りながら云った

頭を上げて言った。

俺「弟子にしてくれますか!」

エクリプス「わ、分かった。わかったから普通に立ってくれないか?」

立ち上がり言った「という事は、弟子にしてくれるのですか!」

エクリプス「君は、今から私の弟子だ」

俺「ありがとうございます!!」

エクリプス「まず私の家に行くぞ」

エクリプス「ここが私の家だ」

そう云って眼前にあったのは、洞窟と言えないほどの小さな穴を改造して、家にしたと思える場所だった。

エクリプス「さぁ、入れ」

俺「お邪魔します…」

中は岩でできたテーブルとイスと調理台があり、天井には魔力で作られた光をランプに閉じ込め、吊るしてあった。

エクリプス「使っていない部屋が一つあるから、使うと良い」


第2話 終

つづく

ゲームのロード画面風解説

「深淵の渓谷」

山に囲まれた森の中にある。

客観的に見れば渓谷だが、地中には深淵の闇が広がっている。

入って生還した者は5人も居ない。

深淵の中は洞窟の様だが、何故か少しの明るさが常にある。

帝国がある大陸では魔物は珍しく、帝国でも珍しいが、深淵には数えられない程いる。

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