第1話 幼時

設定が甘く、色々と気になる点があり、物語の大筋は変えず、設定をより作り込み、「新・吹雪の国」として、もう一度、一から投稿いたします。


ヴァールハイト公爵家に次男が誕生した。その名はヴァールハイト・エーデル・ジーク。ヴァールハイト家は剣王騎士団を代々任せられている一族である。

(ジーク6歳視点)

2週間前にようやく6歳になったから、魔道書の閲覧をして良いと云われて、毎日、屋敷ある図書館の魔道書を取って、1日に2冊ほど読み進めて、魔術も初級の物だったら扱えるようになった。

1ヶ月後

ようやく中級の魔術が使えるようになった! 大変だった。魔力総量を上げる訓練はあまりにも辛かった。最初の1週間は何度も気絶した。一旦…いや待てよ…? せっかくなら、このまま魔力総量を上げる訓練を数ヶ月続けても良いんじゃないか? 魔力総量は子供の時から訓練すれば上がると本に書いてあった気がするし、だったら、魔道書を読む時間を少し減らして、訓練し続ければいずれ当たる壁が遠くなるんじゃないか? 良し! こうなったらすぐにやるべきだ!

3ヶ月後 夏の森

専属メイド「ジーク様ぁ! ジーク様ぁ! どこに行かれたのですか〜!」と僕を探す声が聞こえる。行くべきなのだろうけど、置き手紙は書いたんだ、大丈夫だろう。「すこしだけ、外に出ます」って。にしても、さすがだなぁ。外に出るだけで、すぐに森に来るなんて。おっと、こうしていられない。魔力総量を確認しにきたんだから。

6歳の誕生日に貰った子供向けの魔導杖を正面の少しひらいた場所に向けて、詠唱を行い、出せるだけの魔力を込める。すると、杖の先端から魔法陣が顕現した。詠唱を終える前に全ての魔力を込める。「神秘なる存在よ、我はそなたへ魔力を献上する。そなたは我にその神秘の力を貸したまえ…! レーツェル・ドゥンケルハイト・グラヴィティウェル!!」そう言った瞬間、空は闇夜となり、ひらけた場所の真上からとてつもない重力がその場所を無理やり下へ押し潰して、周りもそれに連なり、崩壊して、僕は吹き飛ばされた。

目が覚めると毎朝見る天井だった。起き上がると、近くにいたメイドが慌てて部屋の外へ出て行った。数分すると、医者と父上と母上と兄上と執事とメイドが来た。医者が僕に体の体調について聞くが、特に何も感じない為、「問題無い」と返事をすると、医者は下がり、父上は「あの時、何があった?」と僕に聞いた。僕は「えっと…。実は、魔術総量などの確認で全部の魔力を込めて打ったら、あぁなりました…」そう言うと、父上は困った表情をした。母上は僕を抱いて、「良かったわ」と何度も言った。

父上「ジークよ、お前には魔術の才があるようだ。その為、お前が良ければ、専属の教師を雇うが、良いか?」

僕「えっ、良いのですか!?」

父上「その反応ということは、雇えば良いのだな?」

僕「もちろんです父上!」

1週間後 屋敷の訓練場

父上「ジークよ、この者がお前の教師だ。厳しくても、折れるなよ。あとは任せましたぞ。ラーシェ殿」

父上が連れてきた人物は少し小柄な女性だった。

ネーベル「わかりましたグライドさん」

ネーベル「この子が噂の…」

僕「何か噂なのですか?」

ネーベル「いえ、何でも無いです。それと、私は「ラーシェ・ネーベル」と言う名前。自由に読んで」

僕「わかりました先生!」

ラーシェ「さ、早く授業を…って、君は魔眼を持っているのね」

僕「僕は魔眼を持っているのですか?」

ラーシェ「(気付いていない…)君は魔眼を持ってる、だけど、私は専門外だから、気になったら本で調べて」

僕「わかりました」

ラーシェ「さ、話を戻して、授業をするから杖を出して」

僕「杖を出しましたけど、何をするのですか?」

ラーシェ「使える魔術の中で、1番難しい物に全部の魔術を込めて私に放って」

僕「良いのですか?」

ラーシェ「もちろん

僕「でしたら。スー(深呼吸)「我はヴァールハイト・エーデル・ジーク。神秘なる存在、エクリプセ・モントリヒトよ、我はそなたに魔力を献上する。そなたは我に神秘の力を貸したまえ。イルシオン・アルコ・イリス・ソル!!」」

そう唱え、杖から顕現した小さな魔力の塊を杖を振り上げると同時に、塊を空に打ち上げる。そして、杖をふり下げると、大きな幻想的に輝く太陽の様な塊が先生に落ちて来る。

ラーシェ「ポデロソ・ヴェヒター」

先生がそう言うと、先生と僕と周囲を防御魔術で囲って、全てを守った。僕の放った魔術は防御魔術に少しヒビが少し入って程度だった。

ラーシェ「驚きました。上級魔術を賢王程の威力に昇格させたのですから…。おや、気絶してしまいましたか」

それから、先生に魔術を教えてもらう生活が2年経った。

ラーシェ「そういえば、そろそろ召喚の儀ですね。確か、今年は2週間後に儀式なので、儀式の前日は休みにしましょう」

俺「わかりました」

「召喚の儀」、あれは8歳の子供が召喚人を召喚するという儀式。召喚人は人生を共にする相棒だ。

なんやかんや気持ち早めに、召喚の儀の日はやってきた。2週間と言うのは思ったよりも早いものだ。

馬車に乗り、儀式へ向かう。

正直言うと、億劫だ。何があるのか分からない。先生には召喚人は居ないらしいが、理由は当時の社会が原因らしい。

色々な思いを心に宿していると、儀式の場所に着いた。馬車を降り、儀式を行う建物に入る。人は思っていたよりも少ない。俺は最後のようだ。

とうとう俺の番になり、地面に書かれた魔法陣の上に置かれた台座に置かれた盃を触る。そうすると、台座にヒビが入り、爆発した。あまりにも突然で驚き、混乱した。周りを見渡そうにも、煙で見えない。魔法を放つと、瓦礫が投げられて、魔法が壊された。煙越しの影しかみえないが、そこには180㎝か190㎝の鎧の人型が居た。人型は俺に問いかけた。

人型「汝に問う。汝が我の主か?」

直感的に感じた。この人型が俺の召喚人だと。

俺「俺が…お前の主だ」

そう言うと、人型を中心に煙が吹き飛ばされ、人型の姿が見えた。隙間の無い角ばった鎧が立っていた。兜の目の部分は横に空洞がある。

人型「我はガイスト・クリーガー…。主の名は?」

俺「俺はヴァールハイト・エーデル・ジーク」

これが俺の召喚人との出会いだった。


第1話 終

つづく

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