第29話 事件解決
「心配しないで。
「
「私が
興津先生は
私もついて行こうとしたら
「あれは大人が話す方がいいんだ」
誉はやけにスッキリしていた。私は誉に聞く。
「城田さんがへファイトスっていつ気がついたの?」
「えっと…。さっきも言った奴で…城田さんが『へファイトスは中高生じゃないと思う』って言った後に『よく分からない』言った時。たぶんよく分からないっていうのは嘘だったんじゃないかな。望未はいつ気がついたんだ?」
「私は…。誉のお母さんが『城田さんはあっちこっちの福祉施設に出回ってる』って言った時。へファイトスが怪しい手紙を送った所とほぼ同じじゃん。そこから城田さんが怪しいと思った」
「望未ちゃん。そこまで考えてたの?」
「俺、言われるまで分からなかった。二人ともすごいや」
「ほめてくれてありがとう、賢悟君」
そう言った後、私はクロタさんの方を見た。誉達も見る。
「やっぱり俺はひどいことをしたよな…。この先どうすればいいのか分からなくなってきた。ごめん…誉君」
「別に謝らなくていいですよ。大丈夫。クロタさんなら、この先だって頑張れますよ」
「この先…。俺はもうやり直しできないんだ。とっくにゲームオーバーしている」
諦めたクロタさんに対して誉はやる気いっぱいだ。
「いいえ。クロタさんはゲームオーバーなんかしてない。また、ここからスタートするんですよ」
「ここから?」
「はい。スイートピーで。スイートピーの花言葉は『新たな出発』。クロタさんもここから新しい旅が始まるんですよ。まだ終わってなんかいません。
新しいことを始めたり、やり直したりするのに早いとか遅いとか無いと俺は思うんですよ。
ずっと悲しい過去を後悔してるより、いい未来を期待してる方が何倍もいい」
「そうなのか?」
「結構前…母さんがどうして店の名前をスイートピーにしたのか教えてくれました。母さんは色々な人が新しい一歩をふみ出せるような店にした、と言っていました。
障害があっても、無くても、自分らしくいられる場所がいい。普段関わることが無い人達が集まれば新しい何かが見えるかもって」
そうだったんだ…。『スイートピー』の店名の由来、初めて知った。
賢悟君が続ける。
「三好さん以外にも、二、三人バイトで雇っている人達がいるんだよ。どの人たちも障害があったりして普通の職場じゃ働きにくい人達。難聴だったり、LD…学習障害だったり、車椅子の人もいるよ」
うーん。三好さん以外の人達はほとんど見たこと無いなあ。
平日の昼間とかに働いているのかな。あ、
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