第18話 グディーの役割

康平の公開講座の後、彼は美智子と絵里と再会する機会を持った。三人は、地元の小さなカフェで集まり、それぞれの近況と康平の旅の進展について話し合った。特に、グディーがアヌビスの化身であること、そしてその事実が康平にどのように影響を与えたかを中心に議論が展開された。


康平は、両名に向けて感謝の言葉から話を始めた。「美智子さん、絵里、今日は時間を作ってくれてありがとう。実は、グディーについて驚くべき事実が分かったんだ。」


美智子が興味深げに尋ねた。「グディーについて? どんな事実なの?」


康平は深呼吸をして答えた。「グディーは、ただの犬ではなかったんだ。実はアヌビスの化身で、僕がこの道を歩むための守護者としてずっと側にいてくれたんだよ。」


絵里が驚いた声を上げた。「それは本当に信じがたいわ…。でも、康平がこれまでに経験したことを思えば、何か特別な力が働いていると感じることがあったものね。」


康平はうなずきながら続けた。「そうなんだ。グディーは僕が困難な時、いつも何かしらの形で導いてくれていたんだ。そして、今回の旅で学んだことを人々と共有することが、彼の役割の一部でもあると気づいたんだ。」


美智子が考え込むように言った。「人としての成長って、予想もしない形で助けが来るものね。グディーがそんな重要な役割を担っているなんて、なんだか神秘的だわ。」


康平は微笑みながら答えた。「本当にその通りだよ。美智子さん、絵里、実は今後の計画についても相談があって…」


絵里が期待を込めて答えた。「何か手伝えることがあるのなら、私にも言ってね。康平の旅がもたらす影響は、私たちにとっても大切な意味があると感じているから。」


康平は二人に向けて感謝の気持ちを表し、新たなプロジェクトの概要を説明した。それは、グディーと共に地域の学校や病院を訪れ、アヌビスが教えてくれた調和と癒しのメッセージを直接人々に伝える活動だった。


美智子が応援を申し出た。「素晴らしいアイデアね。私の働くNPOでも、そのプロジェクトをサポートできるかもしれないわ。地域コミュニティの強化にも繋がるし、一緒に何か新しい取り組みを考えましょう。」


康平は感謝の気持ちを込めて言った。「ありがとう、美智子さん、絵里。二人の支えがあって、僕は今ここにいる。これからも一緒に多くの人に希望と癒しを届けていきたいね。」


この再会は、康平にとって新たな旅の始まりを告げるものであり、グディーとの絆が彼の人生に与えた影響は計り知れないものであった。そして、美智子と絵里の支援により、康平の活動はさらに大きなものへと発展していくことになる。

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