第3話 波乱万丈の体育祭開催!

体育祭当日。

開会式で、入場行進をしていると、客席に両親とガブリエルが見える。

学校に、ペット入れても良いのか、という疑問はあったが先生が良いならいいか。


第一競技は、台風の目です。


一発目から出場競技である。


何度も練習したんだ、できることを最大限やるだけだ。

そう自分に言い聞かせて、いざスタート。


ミスをすることはなかったが、惜しくも2位だった。

1位は、同じ紅組だけど、別のクラスの人達だ。


台風の目が終わったら、しばらく僕の出番は無い。

だから、ベンチで他の人達の応援をしていた。

自分が出場しない競技でも、見ていてとても楽しかった。


透くんは、午前中最後の借り物競走に、出場していた。

女性の先生と手を繋いでゴールしていた。


二人共、午前中は一競技だけだった。


そして、お昼ご飯の時間が来た。


家族のところへ行き、みんなでご飯を食べていた。

透くんは、お母さんだけ来ていたので、誘って一緒に食べることにした。


透くんも、ガブリエルが来てることにびっくりしていた。


透くんのお母さんも、料理が上手で特にハンバーグが美味しそうだった。


こんな大勢でご飯を食べたのは久しぶりだ。

正月に、お母さんの実家に行ったとき、おじいちゃんや親戚の人達と、ご飯を食べて以来かも。


お昼ご飯を食べて、一旦教室へ戻って休憩した。


午後からの競技が始まった。


と言っても、僕は次の大縄跳びからである。


だから、玉入れは応援だ。


玉入れの玉って、あたったら痛いのかな?

ふとそんなことを考えてしまった。

あんなに上に飛ばして、入らなくて落ちてきたら痛そう。


そんなことを思っていたら、玉入れは終わっていた。

結果は、紅組が勝った。

これまでの合計で、紅組がリードしている。


このまま、勝ちたい。


次は、クラス競技の大縄跳びです。


これは、跳んだ回数の最高数で競うことになっている。

だから、途中でミスっても挽回する可能性がある。


せーのっ!

みんなで声掛けして、回数を数えた。


4、5、6、7

いい調子だ。


1度ミスをしてしまったが、僕らのクラスは15回だった。


他のクラスはどうだったんだろう。


なんと、僕らのクラスが1番回数が多かった。


みんなで、盛り上がっていた。

やったー!


次の競技の準備が始まっていた。

この間に少し休憩時間が設けられている。


用意が出来ましたので、障害物競走を開始いたします。

選手の方は、集合場所に集まってください。

アナウンスがかかった。


ぱっと見、よくあるもののようだ。


スタートラインで、お玉とピンポン玉を渡された。

これを落とさずに運んで、ネットをくぐったらゴールか。


よーい、ドン!


みんな一斉に走り出した。


とりあえず、落とさないように慎重に行きながらも、ある程度走った。


足が早くなくても、勝つことが可能なので、僕はこの競技が好きだ。

なんとか1度も落とすこと無く、ストレートにゴールまで向かった。


だが、結果は3位だった。


しょうがないとはいえ、悔しかった。


そして、最終競技のリレーが始まった。


本日最後の競技ともあって、みんな疲れが出ていた。

それでも、走者も応援もみんな、全力でやりきった。


最終結果、なんとか逃げ切って紅組が勝利した。


閉会式が終わって、先生からホームランバーを貰った。

体育祭が終わったら、アイスをもらうのは伝統なのだろうか。


教室に戻ろうとしたら、お母さんに声をかけられた。


太一!

ガブちゃん見なかった?


え?

ガブリエル迷子なの?


そうなのよ。

さっきまで一緒にいたのに、ちょっと目を話した隙に、どこかに行ったみたい。


ちょっと探してくるよ。


そう言って、体育館の裏や校舎内を少し見た。


そしたら、知らない女子と一緒にいた。


すみません。

その犬、僕の家の子なんです。

探していて、見つけてくれてありがとうございます。


あら。

この子の飼い主?

しっかり見ておかないとだめじゃない。


先生に見つかる前でよかったわね。


すみません。

ありがとうございます。


それじゃあまたね。


ありがとうございます。

僕は、もう一度お礼を言った。


結局あの人は誰だったんだろうか。


まぁいっか。


お母さんの所へ行こう。


連れて行ってる途中、ガブリエルに説教しておいた。

勝手にどこかへ行ってはいけないと。


お母さんに預けて、僕は教室へと向かった。


こうして、体育祭は終了した。


全体の片付けが終わり、着替えて帰宅した。


ただいま。

今日は、疲れた。


おかえりなさい。

お疲れ様。

お風呂用意してるから、さっさと入ってきなさい。


はーい。

そう言って、カバンを部屋に持って行って、お風呂へと向かった。


湯船に浸かってゆっくりした。

一日跳んだり、走ったりして疲れた。


晩ごはんを食べて、泥のように眠った。


朝珍しくガブリエルが起こしに来てくれた。


おはよう。

ガブリエル。


なんだかいつもより近くない?


いや、違う。

なんか、大きくなってないか?


驚いて、ベットから飛び起きて、リビングへと走った。


お母さん、なんかガブリエル大きくなってない?


そうなのよ。

お母さんも、今日起きて朝の餌を上げるときに気付いたのよ。


ちょっと前まで、柴犬くらいだったのに、今日見たらゴールデンレトリバーくらい大きくなっていた。

どことなく、犬より狼っぽく見えてきた。


急に大きくなったからびっくりしたけど、マリーは特に威嚇すること無く、ガブリエルと認識していた。


姿が大きくなっても不思議と恐怖はなかった。

雰囲気はいつものガブリエルだ。


それは、お母さんも感じていたみたいで、特に対応が変わることはなかった。


急に大きくなったことには、びっくりしたけどこれからも、対応は変わらない。


行ってきます!

今日も、学校へ行く。


教室に着いて、教科書を引き出しに入れたら、くしゃっとなにかに引っかかった。

なにか入ってる?


取り出したら、手紙が入っていた。


差出人不明で、内容は放課後2階の理科室で待つ、と書いてあった。

誰かわからないけど、字が綺麗なのはわかった。


一体誰だろう?


朝から、なんだか不思議なことが起こったが、それ以外は何も無く、一日が過ぎていった。


そして、放課後になり呼び出された、理科室へと向かった。


そこで待っていたのは、同じクラスの安西小夏さんだった。

手紙の差出人は、安西さんだったのか。


ごめんね。

急に呼び出したりして、要件はすぐに終わらせるから、時間はかからない。


単刀直入に聞くんだけど、尾田くんの飼ってる犬は、いつから一緒にいるの?


なんで犬のことを聞いてくるんだろう。

不思議に思ったけど、答えないのも不自然なので、答えた。


3ヶ月前くらいからかな。


ありがとう。

それが聞きたかったことなの。


どういたしまして。

あの、安西さんも犬を飼っているの?


いや、私の家は動物を飼ってないわ。


また今度、尾田くんの家に行ってもいいかしら。


特に問題ないけど。


なら、今週の土曜日とかどうかしら。


わかった。

土曜日待ってるよ。


ありがとう。


そうして、手紙の差出人もわかって、すっきりして帰った。


ただいま。

いつものように部屋へ向かおうとしたら、ガブリエルに止められた。


ただいま、ガブリエル。


なんだか、いつもと違ってなにかを、警戒してるみたいだ。

しきりに匂いを嗅いでくる。


どうしたんだろう。

散歩でも行きたいのかな?


とりあえず、散歩へ連れ出した。


今日は、これまでに無く警戒しながら、散歩した。


帰ってから、ご飯を食べて宿題をして寝た。





・・・おまけ・・・

お父さん、ガブちゃん、今日は太一の体育祭での勇姿を、見に行くわよ。

お弁当とか運ぶの手伝って。


最近、ヘロヘロになりながら帰って来るが、なにかイベントがあるのか。

体育祭とやらは、よくわからないがお母さんが、いつもよりご飯を多めに作っているな。


マリーよ、体育祭ってなんだ?


なんて言ったらいいのかな。

たくさんの人達が、跳んだり走ったりして、勝敗を決めるイベントよ。


ふむ。

楽しいのかわからないが、お母さんがうきうきしているのだから、ついていくしか無いな。


学校へついて、校門のところで検査されていた。

部外者を入れるわけにはいかないからだ。


そして、ガブリエルは先生に気に入られて、通ることが出来た。


ここが、太一の通っている学校というところか。


広いな。


少し気になるのは、たくさんの嫌な気配も感じる。

ここには、俺と同じで異界の者もいるのか。


まぁそう簡単に出くわすことは無いだろう。


あまりイベント事はわからなかったが、みんな散り散りに動いているから、終わったのだと理解した。


そして、ちょっと気になったから、女性の後をついて行った。


この女から、同族の匂いがする。

こいつも何かしら飼っているんだろう。


どうしたの?

迷子?


迷子センターに連れていかなきゃ。


そして、太一に引き渡されて、一緒にお母さんの元へと帰った。


この学校は、興味深いな。

また機会があったら、来たいものだな。

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捨て犬を拾ったら、まさかの幻獣だった件 @TIAKI3939

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