第276話 めくり上げられると見事な下乳が……
【足ツボ治癒】のため、救出された女性冒険者たちの下へ向かうキモヲタたち。
ユリアスだけは、クラウディア・モリトールのところへ向かって、彼女にこれからキモヲタが治療を始める旨を伝えに行きました。
「クラウディア様、これよりヒーラーであるキモヲタ殿が治癒を始められます」
ユリアスの報告を受けたクラウディアは、冷たい目線をキモヲタに向けてボソリとつぶやきます。
「そう言えば治療師だったわね。いいわ。早く治療を始めて。甲虫に齧られた傷が痛むみたいなの」
「ありがとうございます!」
ユリアスは頭を下げると、そのままキモヲタたちのところへ戻っていきました。
キモヲタたちと言えば、女冒険者の一人の周りに集まって、天幕で周囲から中が見えないようにしていました。
グリグリッ! とキモヲタが足裏に親指を押し込みます。
外からは、中で何が行われているのか分かりませんが、しばらくすると隙間から緑の光が放出。
「んほぉおおおおぉおおお❤ らめらめらめなのよぉおお❤」
と、女性のあられもない声が広間に響き渡りました。
バッ!
と天幕が取り払われると、そこには健康状態が以前より良くなった女性冒険者が立っていました。
「えっ!? えっ!? 私、どうしちゃったの!?」
驚く女性冒険者に、キーラがスポーツドリンクと袋から取り出したカロリンメイトを手渡します。
「お腹空いてるでしょ? これ飲んで、これ食べて!」
「あっ、ありがとう……」
戸惑いつつも、与えられたものを口にする女冒険者。
「はい! 次、行く出ござるよ!」
キモヲタは、次の女冒険者に駆け寄ると、自分で耳栓と目隠しをして、それから手探りで足裏を掴みます。
「我輩は準備OKでござる! 天幕はどうですかなキーラタン!」
天幕の一角を棒で支えているキーラが、キモヲタの背中をチョンチョンと足で突いて合図しました。
「ではいくでござるよ! 【足ツボ治癒】! ハァァァッ!」
グリグリッ!
「いやぁあああああん❤ おかひくなっひゃうぅううん❤」
そして治療が終わって天幕を上げると。
「えっ!? 私、どうしちゃったの!?」
「お腹空いてるでしょ? これ飲んで、これ食べて!」
というのを残り二人の女冒険者にも繰り返したのでした。
「フーッ! ただ足裏を揉んでるだけとはいえ、さすがに連続四人となると疲れるでござるな」
「そうなの? いつもボクたちにやってくれてるのに?」
「あれは疲れをとるだけの【足ツボ治癒】ライトバージョンなので、それほど疲れないでござるよ。さっきの女性冒険者氏たちのようにグリグリッとはやってないでござろ?」
「そういえばそうだね。毎晩やってくれてるのは、グリグリっていうよりサワサワって感じ!」
「そうでござる。我輩としては、キーラタンの胸をサワサワする心持ちでやっておりましてですな……」
バシッ!
キーラに向けてワキワキするキモヲタの両手を、エルミアナがかなり強めのチョップで叩きました。
「キモイからやめなさい!」
「痛いでござる! 暴力反対!」
そんな茶番が繰り広げられているなか、ふと気づけばキモヲタの背後には四人の女冒険者が立っていました。
「ほへっ!? な、なんでござるでござりましょうか、美しき冒険者の皆様……」
彼女たちの表情から並々ならない圧を感じたキモヲタは、思わず両手を胸の前でこねながら媚びを売ってしまいました。
「キモヲタさん……でいいのかしら、あなた……」
「ごくり……」
「なんてすばらしい
そういって女性冒険者の一人がキモヲタの手をガッシリと握ります。
「命を助けてもらっただけでなく、気になり始めていた目元の小ジワまで消してくれるなんて!」
「もう私このまま死ぬのなかなって思って諦めてた、ほうれい線が完全になくなってる!」
「私なんて顔にあった刀傷が消えてるし!」
「いやいやアタシなんて、胸からお腹にかけての傷痕が消えてたぜ! ホラッ!」
バッ!
と服を捲り上げる女冒険者。
その真っ白なお腹と見事な下乳が露わになったところで、
「キモヲタは見ちゃ駄目!」
キーラのハンド目隠しがキモヲタに決まったのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます