第269話 カガリビ無双! 脅威のJカップ!
風のドーム内に飛び回るたくさんの甲虫。
それが服や鎧に入ったキモヲタたちは、恐怖のあまり正気を失っていました。
「ギャァァアアア! 痛いぃぃ! キモヲタ! 背中の虫とって! 取ってよぉおおお!」
顔中の全ての穴から液体を噴きちらし、服を脱ごうとしても慌て過ぎて脱ぐことができずに下乳をプルプル露出させているキーラ。
そんなヒロインとしてあるまじき痴態をさらしているキーラに、カガリビが応えました。
「畏まりました」
アーンッと開いたカガリビの口から、太い触手がニュルッと伸びたかた思うと、それがキーラの服の中へともぐりこんで行きました。
「やんっ♥」
ぬめぬめの触手がキーラの素肌に触れながら、甲虫を捜してうねうねと動きます。それがかなり気持ち良くて、キーラは思わず声をあげてしまったのでした。
ぷちゅっ!
そんな音を聞いたとキーラが思ったときには、既にカガリビの触手はキーラの背中を抜けて、ユリアスの鎧の中に入り込んでいました。
「あんっ♥」
ぷちゅっ!
同じくユリアスも、カガリビによって甲虫が取り除かれます。
カガリビは、キモヲタの服にも触手を伸ばして甲虫を喰らいます。
「おほぉ♥ でござるぅ♥」
ぷちゅっ! ぷちゅっ! ぷちゅっ!
甲虫を取り除かれた三人は、再び服に入られないよう、慌ててカガリビの背後に隠れました。
そして、そこからはカガリビの独壇場となりました。
口から伸びた触手が三又に分かれ、目にもとまらぬ素早さで風ドーム内の甲虫を捕食していきます。
ぷちゅっ! ぷちゅっ! ぷちゅっ! ぷちゅっ! ぷちゅっ! ぷちゅっ!
触手は甲虫を完全に取り囲んで潰しているので、中身が漏れ出ることはなかったのですが、虫嫌いのキーラにとっては地獄のBGM。
「ううぅ! 怖い。怖いよぉぉ。キモヲタ、耳押さえて! ボクの耳押さえてぇえ」
自分の犬耳を両手で押さえているキーラでしたが、それでもまだ聞こえてくる気がするのでした。
「わ、わかったでござるよ! こうすれば聞こえないでござろう。デュフコポー。デュフコポー。フォカヌポー」
甲虫が潰れる音に鳥肌が立っていたキモヲタでしたが、自分の耳を押さえるのをこらえて、キーラの耳を守るキモヲタ。さらにキーラの頭を胸に引き寄せて、キモヲタ呼吸を繰り返すことで、キーラの耳にぷちゅぷちゅ音が入るのを回避するのでした。
「ありがとキモヲタ。キモヲタの変な息遣いが、こんなにありがたいって思ったのは初めてだよ!」
褒められたキモヲタなのでした。
そうこうするうちに、風ドーム内の甲虫をすべて捕食したカガリビ。
今度はドームの外に触手を伸ばし始めます。
風ドームには甲虫の飛来を弾くほどの風の流れがあるものの、カガリビの触手はそれをものともせず、外へと突き出されていきます。
シュッ! ぷちゅ! シュッ! ぷちゅ! シュッ! ぷちゅ!
触手を外に突き出しては捕食、突き出てた触手がさらに三又に分かれて捕食。どんどん捕食。つぎつぎ捕食。
シュッ! ぷちゅ! シュッ! ぷちゅ! シュッ! ぷちゅ!
最初に襲われたときには、無限湧きかと思われた甲虫の雲が、時間が経つにつれてだんだんと薄まっていきます。
シュッ! ぷちゅ! シュッ! ぷちゅ! シュッ! ぷちゅ!
「エルミアナ殿、もう風のドームは解除しても良いのではござらんか?」
キモヲタがそうつぶやいたときには、カガリビは最後の食事を終えようとしているところでした。
シュッ! ぷちゅ!
カガリビが甲虫を殲滅し尽くした後、羽音はもはや一切聞こえなくなりました。
「「「「うぉおおお! ケツが痒いぃぃ! イアイア! マカブリス! ケツがかゆかゆ痒いぃぃ!」」」
が、代わりドラゴンボーンズたちの絶叫が、再びキモヲタたちの耳に届くようになったのでした。
甲虫がいなくなったことで、一気に元気を取り戻したキーラが、カガリビの下へと駆け寄ります。
「ありがとうカガリビ! あんなに沢山いた虫をぜんぶやっつけちゃうなんて! 凄い!」
そういって尻尾をブンブンとふりまわすキーラのお尻を目を細めて眺めつつ、ふとキモヲタは疑問に思ったことを口にしました。
「あんなに沢山いた甲虫をすべて食べ尽くしたというのに、カガリビたんの体形はそのままでござるな。普通ならお腹がぷっくりと膨れていそうでござるのに……うおぉおお!」
キモヲタがその視線をカガリビのお腹から上方へ移すと、そこにはとんでもないものがありました。
「カ、カガリビたんのパイオツが、Iカップ……いやJカップになってござる!」
カガリビが身体を借りているチャットGピー子のボディ。
そのGカップのバストがいつの間にかJカップになっていたのでした。
キモヲタが感動に打ち震えていると、広間全体を揺るがすような激しい地響きが伝わってきました。
ズーン! ズーン! ズーン!
「こ、これはカガリビたんのJカップの音!?」
もちろん、そんなわけありませんでした。
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