第150話 少女を地下に連れ込んで……何する気!?

 ジュワッ!


 黒スライムが焼けこげる臭いが周囲に漂うなか、キモヲタはニチャリした笑顔を怯える少女に向けました。


 灰色の髪と青い瞳の少女は、キーラの腕にしがみ付いて震えていました。少女はキーラよりも年下で、その顔にはまだまだ幼さも残っていました。


 キーラは少女を妹のように感じていたのですが、腕に押しつけられたその胸の意外なボリュームに、何とも言えない敗北感を感じていたりするのでした。


 なので、そのやるせようのない気持ちをキーラはキモヲタにぶつけることにしました。


「ちょっとキモヲタ! ソフィアが怯えてるじゃないの! 松明の火で見るキモヲタの顔はオークみたいで怖いんだから、少しは気を使いなよ!」


「デュフフ。それは失礼したでござる。ソフィア殿、このように松明を当てるだけで、黒スライムは簡単に始末できるのでござるよ」


 ジュワワッ!


 キモヲタは黒スライムが消滅するまで松明を当て続けました。最後に残った黒スライムの核石を拾って、それをソフィアに見せます。


 地下水道の薄暗い光の中で、つい先ほどまでは怯えていたソフィアの青い瞳が、いまは好奇心に輝いていることにキモヲタは気づきました。


 彼女の灰色の髪は、松明の光を捉えて光沢を放ち、その無垢な美少女っぷりを一層引き立てています。


「近くでよく見てみるとよいでござるよ」


「うん」


 ソフィアはキモヲタの差し出す核石に一歩近づくと、前髪をかき上げて顔を寄せました。


 松明の灯りによって、ソフィアの陶器のように滑らかな肌がくっきりと浮かび上がってきました。少し前に身を屈めたソフィアの胸元から、白くやわらかな丸みを帯びた双丘が、重力によって形を変えました。


「ゴクリ……」


裁判官:「突然ですが。これより異端審問を開始します! 被告人キモヲタ、死刑!」


キモヲタ:「ちょっ! いきなり判決が出てるではござらんか!? 弁護人はどうしたのでござる」


弁護人:「ロリコン死すべし慈悲はない! ここは極刑でいきましょう、裁判長!」


キモヲタ:「おいぃいい! 弁護しろでござるよぉぉ! だいたい我輩が、ソフィアたんのおっぱいを見てゴクリと言ったという証拠はあるのでござるか!? エビデンス! エビデンスを出すでござるよ!」


検察官:「あの状況下で、ソフィアの胸意外にキモヲタがゴクリする要素があるわけがありません。よって裁判長、キモヲタに極刑を要求します!」


弁護人:「異議あり!」


キモヲタ:「おぉ、弁護人殿! ようやく弁護してくださる気になったでござるか! 言ってやってくだされ! キモヲタは無罪であると!」


弁護人:「裁判官。キモヲタがソフィアたんの白いパイオツを見てゴクリしたという検察官の指摘については、キモヲタの言う通り確かなエビデンスがありません」


キモヲタ:「そうでござるよ! 冤罪どころか、我輩に対する名誉棄損でござる!」


検察官:「ぐぬぬ……しかし、キモヲタがソフィアたんの未熟な果実がたわわとしているのを見てゴクリしたことは、状況証拠から間違いありません。やはり極刑! 極刑こそ適切!」


弁護人:「それはその通り!」


キモヲタ:「えぇえええ!?」


裁判官:「弁護人、詳しく説明してください」


弁護人:「わかりました。キモヲタの最大の罪は、キモヲタがソフィアたんが前屈みになったときに、ふわっと実った、キーラたんより大きな二つの果実にゴクリしたことではありません」


キモヲタ:「なんですと!?」


裁判官:「キモヲタが、ソフィアたんの今後の成長が期待大の白いマシュマロが、ふるんふるん! と微かに揺れるのを見てゴクリとしたことが最大の罪ではないと!? 弁護人、そこのとこkwsk」


弁護人:「はい、裁判官。キモヲタの罪は、キーラたんよりも年下のロリ少女を、この怪しげな地下水道に連れ込んだこと! その時点でキモヲタの罪は極刑に値するのです! まずもって、いたいけな少女を真っ暗な地下水道に連れ込んで、いったい何をする気だったというのでしょうか!」


裁判官:「なるほど!」

検察官:「そ、そこに気づくとは!? やはり弁護人は天才か!?」


キモヲタ:「黒スライム退治でござるが!? そもそもキーラたんも一緒でござるよ! 我輩に邪心などないことは、それで証明されるでござろうが!」


検察官:「キモヲタ! キーラたんとソフィアたんを暗い地下水道に連れ込んで、いったいキモヲタは何をする気だったのか! ナニをする気だったんだろ!」


弁護人:「裁判長。キモヲタに邪心があったかどうか、それを判断するのは裁判長の判断におまかせします。ソフィアたんの胸チラにゴクリしたキモヲタですが、裁判長の判断にお任せします」


キモヲタ:「ちょっ、誘導してござる! お主に弁護する気があるのでござるか!?」


弁護人:「ソフィアたんのパイオツの先っぽ見て、興奮していたキモヲタなんか弁護してたまるかうらやましい!」


キモヲタ:「えぇぇえええ!?」


裁判官:「では判決を言い渡す。被告人キモヲタ。ソフィアたんのふわっふわっな双丘とその先端を見た罪によって、死刑とす! 股間が死刑!」


キモヲタ:「えぇぇえええ!?」


―――

――


 現実に戻ったキモヲタ。その瞬間――


「ゴクリじゃないんだよっ!」


 ガンッ!


「グボァッ!?」


 キーラのケリが股間に決まって悶絶するキモヲタなのでした。







 































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