第99話 身体洗ってきたよ~、アレやって~♪
キーラのヤキモチタックルで人生初のベロチューを逃したキモヲタ。
あからさまに落ち込むキモヲタをなだめつつ行なわれたエレナとの話し合いの結果、王都までエレナの馬車に同乗させてもらうことで、お礼とすることに落ち着きました。
キモヲタの提案で、ロバのキンタに馬車を引かせたところ、これが大正解。馬車に全員の荷物を載せ、さらに5人が乗っても、キンタは軽々と馬車を引いてくれたのです。
「さすがはキンタ! 魔神ウドゥンキラーナの加護を受けているだけのことはあるでござるな!」
「ンメェエエエエエ!」
「ほんとにキンタはまぁ凄いでござるな! キンタまぁすごいでござるな! キンタマすご……げほあっ!」
馬車の対面に座っていたセリアのケリがお腹に入って、キモヲタは最後まで発言させてもらうことはできませんでした。
「まったくキモヲタってば、いちいち下品なこと言わないと死ぬ病気かなにかなのかな?」
などと文句をいいながらも、キーラはキモヲタのお腹についたセリアの靴底の泥を、はたいて落してあげています。
「うぅ……そうなのでござる。これは不治の病なのでござるよ、キーラタソ。この病は、犬耳族の尻尾の根元の匂いを一カ月クンクンしないと治らないのでござる」
「不治の病じゃないの? セリア、キモヲタ全然反省してないみたいだよ」
キーラの視線を受けて、セリアの青い瞳の焔が揺らめきました。
「うわぁっと! 反省してるでござる! めちゃくちゃ反省してござるよ! この口はもうチャックして黙るでござる!」
いつもならこの辺りでユリアスの制止が入るのですが、今はユリアスはエレナと御者台に座って、二人で何やら話し込んでいる最中。そのため荷台での騒ぎには気づいていないようでした。
御者台にチラッと視線を送って、ユリアスが気づいてないことを確認したセリアとキモヲタ。
「あはは、我輩、本当に猛省しておるでござる。ど、どうして足を上げるのでござるかセリア殿、まさか我輩にシャンティを見せてあげようという慈愛の精神……」
セリアのケリが再び繰り出されようとしたとき、先行していたエルミアナがエレナの馬に乗って戻ってきました。
「ユリアス殿、この山を越えればボルギノールの街が見えてきます。道も綺麗に整備されているようですし、今のペースなら昼過ぎには街に入れそうですよ」
「ならこのまま進んで、早めに宿をとることにしましょう」
ユリアスがキモヲタたちの方に振り返って言いました。そのときにはセリアの足は元の位置に戻されていて、キモヲタはご褒美をなんとか回避することができました。
エレナも振り返って、
「宿の手配はまかせて頂戴。一応、それなりの伝手があるのよ。なんだったらキモヲタはアタシと一緒の部屋にする?」
そう言ってエレナはキモヲタにウィンクしました。
女性から好意のこもったウィンクを、前世から今までの人生で初めてうけたキモヲタは、一瞬で顔が真っ赤にしてキョドリはじめます。
「えっ!? あっ!? その……へ、部屋がな、なければ、そ、それでも仕方ないっていうか……一緒でもいいんじゃないでご、ござろうかなー」
ヘラヘラするキモヲタの膝の上に、キーラがポンと飛び乗ってキモヲタの両肩をつかみました。
「ダメだよ! キモヲタはボクと一緒の部屋でしょ! 一緒じゃなきゃダメなんだから! だってボクはキモヲタの奴隷だし!」
キーラのヤキモチに、デレデレ顔になったキモヲタは、キーラの頭を撫でながら、
「まったくもう! キーラたんは仕方ないでござるなぁ!」
ニチャリとした笑顔を浮かべるのでした。
結局、ボルギノールの街に着いて確保した宿で、キモヲタは一人部屋になりました。
~ 湯浴み上り ~
「キモヲタ~♪ 身体洗ってきたよ~、アレやって~♪」
宿が用意してくれたお湯を使って、湯浴みを終えたキーラが、キモヲタの部屋に飛び込んできました。
キーラの湯浴み着は薄い布一枚。湿り気を帯びて身体に張り付いているため、発達途上の胸元のラインがくっきりと現れています。
お湯で火照った肌はピンク色に染まっていて、まだうっすらと湯気が立ち昇っていました。
「ふーっ、仕方ないでござるな。そこに立つでござる」
変態ロリ紳士が見れば、鼻血が噴水すること間違いなしのキーラの姿。にもかかわらず、キモヲタはまったく動揺することはありませんでした。
キモヲタはカバンから丸い缶を取り出すと、キーラに向って言いました。
「ハイ、バンザーイ! するでござるよ」
「はーい!」
キーラが両腕を上げて、両方のワキをキモヲタに向けます。
変態ロリ紳士が見れば、鼻血が噴水すること間違いなしのキーラのワキに、キモヲタはまったく動揺することなく、丸い缶からパフを取り出しました。
パフッ! パフッ! パフッ!
キーラの両方のワキに白い粉がついたパフを優しく当てていくキモヲタ。
「はい、今度はアゴを上げるでござるよ」
「はーい!」
パフッ! パフッ! パフッ!
キーラの首元にパフるキモヲタ。
「はい、今度は後ろを向くでござる」
「はーい!」
パフッ! パフッ! パフッ!
キーラの尻尾の根元をパフるキモヲタ。いつもは尻尾に近づくことを嫌がるキーラも、何故かパフるときだけは無警戒なのでした。
「それじゃ最後におまた! これは自分でできるでござるな?」
そういってキモヲタはキーラにパフを差し出しました。
「うん!」
キーラはパフを受け取ると、湯浴み着の布の下に手を入れて、おまたをパフパフするのでした。
そして、おまたパフパフを終えたキーラからパフを受け取ったキモヲタは、『女子学生の匂いがするパウダー』の丸缶をカバンにしまうのでした。
「それでは、髪をとかすでござるから、椅子に座るでござるよ」
「はーい!」
変態ロリ紳士が見れば、鼻血が噴水して事案が発生しかねない状況であるにも関わらず、キモヲタが沈着冷静でいられたのは――
自分が湯浴みしたときに使った、ピンクのふにふにのおかげなのでした。
(今日は「セリアたん」と「エルミアナたん」の他に、新しく購入した「エレナ嬢」のピンクのふにふにのおかげで、助かったでござる)
この3つのふにふにのおかげで、完全賢者モードだったキモヲタは、ただ無心でキーラをパフって、その髪をただ無心でとかすことができていたのでした。
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