大事も小事も学校のトイレで済ます英雄伝説

はじまりのセツナ ～空の青さを知る花子～

1、 奥から2番目の子

　俺の名前は大成（だいなり）こなり

　人は俺を大なり小なりと呼ぶ

　趣味はトイレ掃除

　特技はトイレ掃除

　夢はトイレ清掃員

　今日もトイレに篭（こも）り 花子にまたがる

　花子はいつも美しい

　学校の3階の奥の方にある

　その奥から2番目の子が花子だ

　日々花子を磨き上げ 清潔に保ち

　俺は今まさに人生で最大のイベント

　大事を成しているところだ

　…腹が痛い

　成績も並み、運動も並み、見た目も並みという完璧な俺

　その唯一の弱点は

　腹が下りやすい、食あたり、仮病。

　そんなダメな俺のを花子はいつも全身で受け止めてくれる

　もう花子なしの人生なんて耐えられない

　花子を失いたくない、ずっと一緒にいたい

　だから俺は花子をいつまでも大切にしよう

　そうだ、これが終わったら一緒に旅行に行かないか？

　井ノ中（いのなか）市蛙（かわず）町は青天に恵まれると

　どこまでも青く続（あお）く青空が青く輝（あお）くという

　花子の白く美しい肌も青く染まり、更に輝きを増すだろう

　花子と一緒に見たい…おぉう出てきた

　人は大事を成す時、小事も成すと言う

　小さく音を立てながら流るる琥珀色の水がそれを証明する

　前から後ろから、もう大変な事になっている

　それを花子がやさしく受け止める

　幾重もの時間と空間を超えて

　何者でもないはずの何かが世界の全てと成る時

　俺はこの瞬間が大好きだ

『黄花刹那（おうかせつな）』

　大事と小事を同時に成すこの大技をそう名付け

　空と大地をつなげる詠唱（わが名は大小弁天、白い恋人『花子』と共に命ずる、時は今！顕現せよ！エくそプロージョン！）とともに打ち出す…おぉうモリモリ出るな

　今日も空が青い、このあと花子と井ノ中まで

　空の青さを知る旅に出よう…おぉう、これ法蓮草（ホウレンソウ）の食べすぎか？

　　くっそ青い

　第一話『旅立ち』完