第22話 学園祭と妖魔(後編)


俺は重い大道具を1人で持ちながら

学園のゴミ捨て場にやって来る


「きゃっ、いやっ…」


その時悲鳴のような声が聞こえた。

ゴミ捨て場の近くの木々の中からだ。


「なんだ。」


俺はゴミ捨て場に大道具を置くと

すぐに木々の中に入って行った


何かあったのか?




そこには俺と同室のレオ・ライオンが居た。

裸に脱がされた金髪ロングヘアーの美少女を持ち上げ

食べようとしている


「レオ、お前何してるんだ…」


「ちっ、見つかったか。」


レオは金髪ロングヘアーの美少女を降ろした


「レオ、どういう事なんだ?お前は男だから

 妖魔ではないはずだよな?そういう趣味なのか?」


「…俺は妖魔だよ。」


そう言うと、レオは裸になった

レオの股間には何もついていない

極度の貧乳なのか、胸は膨らんでいないが


「貧乳だが女で妖魔だ」


そう言うとレオは下着や服を着直した。


貧乳だから女バレしにくい、それで男装していて妖魔

盲点だった。


「まさかお前が妖魔だったとは」


「知ったからには、生きて帰れるとは思ってないだろうな?

 お前を殺し口止めする、この女も殺す」


「そう簡単に殺されると思うか?」


俺は剣を構えた


「簡単に殺すさ、俺は強いからな。

  高速斬り!!」


レオは高速で斬りかかって来る

俺はそれを剣で受け止める、だが…


剣が折れてしまった


「なっ!!」


特に高価でもない剣だ、今の俺の力量にしては脆すぎる剣だとは

思って居たが。まさかここで折れるとは。


レオは笑った


「剣が折れたな、剣士さん。

  剣がなきゃ何もできまい」


しまった、剣を買い換えておくべきだった

後悔してももう遅い、絶対絶命

俺は剣なしで妖魔と対峙だ。


レオは俺の体を次々と斬っていく


「そりゃ、とりゃ、おりゃ!!調理の時間だ!!」


「ぐはっ、がはっ、うわっ!!」


俺の体が傷だらけになる。


「クソ…」


レオは笑う


「剣がない剣士は無力なものだな。

  俺に倒されて、俺の食料になるしかない」


………


集中、集中…


「何をしているんだ?」


レオは聞いて来る

だが俺には賭けに出るしかない

そうしなきゃ死んでしまう。


「おらぁあああああああ!!」


俺は魔力の剣を生み出した。


「なっ、魔力で剣を作り出した」


「実は前から少しずつ練習してたんだ。

 魔力の銃弾も行けるなら、魔力の剣も行けるんじゃないかって。」


「銃弾?銃弾ってなに…」


「何かはどうでもいい、お前はここで終わりだからな。」


俺は魔力の剣で、レオに斬りかかった

レオの剣は魔力剣の前に、吹っ飛んで行く。


「ぐっ!!」


俺はレオの胸を斬ろうと、斬ろうとする。


「どうした?斬らないのか?その魔力の剣でなら。

  楽に俺を斬れるぞ」


「…出来ない」


俺は呟いた


「は?」


「レオは妖魔なのかもしれない、だけど俺と同じ部屋で過ごした仲間だ。

  仲間は、斬れない」


「お前はバカなのか、俺は妖魔でお前は人。

  捕食者と獲物だぞ、それを、仲間だなんて…」


「………」


バカなのは分かって居る。

だけどものは斬れない


金髪ロングヘアーの美少女はあ然としていたが正気を取り戻したようだ


「きゃぁああああ!!レオは妖魔よぉ!!」


逃げ出した。

これでレオが妖魔だって事は、学園中の知るところとなるだろう


「レオ、逃げろ。 

 今が最後のチャンスだ、今を逃せば囲まれて殺される。」


「…本当にいいのか?逃げて」


「あぁ。今まで楽しかったよ」


俺は笑顔でそう言った。


「つっ!!甘ちゃんめ…」


そう言いながらレオは去って行った




学園祭が終わり、妖魔の正体がレオだと分かった

学園ではレオの大捜索が行われた

俺はそれには参加しなかった。


レオと過ごした時間、嘘じゃなかったと思いたかったから

レオは人間の演技をしていただけだろうし、甘い考えだろうが

それでも…




後日、食堂で俺達パーティメンバーは話す


「と言う事で…レオにとどめをさせたけどささなかった」


「相変わらず甘ちゃんだね。」


ラムルに言われた、確かに甘ちゃんと言われても仕方ない

行動と結論だったと思う

向こうは本気で俺を殺す気だったし


ジュリアンはある程度理解を示してくれた


「まぁ、でも、お前らしいんじゃないのか?

  それでスパイのラムルも助けた訳だし」


ラムスは苦虫をかみつぶしたような顔をする


「それを言われると、弱い

  確かにボクも君の甘さに助けられた人間だし」


ビアンカは言った


「男装妖魔っ娘、ありですわね。」


ビアンカは1人変態の世界に行って居るようだ

何と言うか、あれだ


ビアンカはいつも通りだし安心した。

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