第16話 初めての妖魔退治(前編)
俺達はクエスト受付所にやって来た
銀髪ロングヘアーのレプリカヒューマンの受付が、俺達を出迎える
いや、特に出迎えの言葉はないが
レプリカヒューマン退治ばかり受けていた俺達が、
レプリカヒューマンの受付に依頼を申請する
不思議な気分だ。
「「「「………」」」
「どうかしたんですの?」
「俺達ここに来るまではレプリカヒューマン退治ばかりしてたからな
いろいろ複雑な思いになって」
「…そういう事、あまりここでは言わない方がいいですわよ。
レプリカヒューマンの方が嫌な思いしますわ」
「そうだな、言わない方がよかったな。悪い…」
ここはもう人間の国じゃない、共存の国だ
それに反するようなことは言わない方がいいだろう。
俺は掲示板を見た
賊退治や妖魔退治のクエストが張られている
俺はつぶやいた
「どれを受けようか?」
「この国初めての依頼なら、この国の敵たる妖魔の対処になれるために
妖魔狩りをおすすめしますわ」
なるほど、郷に入っては郷に慣れろ。だな…
妖魔狩りか
「まぁ、妖魔狩りは経験するべきだろうな。」
しかし妖魔退治、のクエストの欄を見ると
妖魔をいきなり退治しろ、と言うのがない
妖魔かどうか調査し、妖魔なら退治、違えば結果を報告しろ。と言う依頼ばかりだ。
「妖魔かどうか調査し、妖魔なら退治、違えば結果を報告しろ。
そんなんばかりだな」
「それがこの国の妖魔退治のやり方ですわ、妖魔は人を食うために
人に溶け込みますから」
なるほど木を隠すなら木になり切って
木の中に隠れるのが1番って訳か
「とりあえずじゃあ、この、花屋のクイナ・クールが美少女のまま歳を取らない
妖魔かどうか調査し、妖魔なら退治、違えば報告しろ。と言う依頼でいいか?」
「賛成だ」「賛成だよ」「賛成ですわ」
反対意見は出なかった
こうしてこの国で初めての依頼、妖魔退治?妖魔調査?を受けることになった。
俺は掲示板から依頼書を外した
「この依頼受けます」
「はい、クイナの調査ですね。分かりました。」
俺達はクイナを調査するために
物陰で、花屋で勤務するクイナを見張った
クイナは黒髪ロングヘアーの美少女だ。
「いらっしゃいませ、どんなお花にいたしましょうか?」
「こうこうこういうお花が欲しくて」
「はい、では、このような形が。」
笑顔で天使のように接客して居る
正直惚れそうだ
「かわいいですわ、かわいいですわ。
これは人間、間違いありませんわね」
ビアンカは決めつけている
「あ、あんなかわいい人が妖魔な訳ねぇよ」
ジュリアンも決めつけている
ラムルは叱った
「2人とも、容姿や外面に惑わされちゃダメ。
化け物ほどそれを隠すために、容姿や外面をよくするものだよ」
「あぁ、その通りだ。
騙されちゃいけないぞ」
ジュリアンは反省したようだ。
「そ、そうだな、騙されちゃいけないよな。」
だがビアンカは反省して居ない
「ですが、あれだけ容姿がよく、かわいらしいんですもの
化け物ではないに違いありませんわ、違いありませんわ!!」
こいつ、ジュリアン以上に下半身で動いてやがる。
俺達がクイナを張ってしばらくした後、夜になり人通りが少なくなる。
「人通りが少なくなってきましたわね、ここまで何もないと言う事は
白では?」
「いや、人通りが少なくなってから行動するだろ、悪党は」
俺は突っ込んだ
人通りが多いのに行動するバカ悪党は居ない。
花屋の前を緑髪ショートヘアーのレプリカヒューマンが、通りかかった
「すみません、この花くださ…」
クイナは本性を表した
「花はやらないわよ、お前を食べる!!」
クイナはレプリカヒューマンの口を押さえると
花屋の中に拉致した
「化け物じゃないって言ったのは誰だっけ?ビアンカ」
「…だ、誰にだって間違いはありますわ。
早く突入して、緑髪ショートヘアーのレプリカヒューマンを助けますわよ」
こいつ、反省してねぇな?
でもまぁ今はとにかく人命?魔族命?の救助だ。
俺達は花屋に突入した
花屋の奥ではクイナがレプリカヒューマンを下着姿にして
食べようとしていた
「まずは腹肉から…」
「やめて、やめてよ…」
ビアンカはカッコつけながら登場した
「そこまでですわ!!」
「な、何者!!」
「学園の生徒です、依頼を受けて来ました
もう大丈夫ですからね、レプリカヒューマンさん。」
緑髪ショートヘアーのレプリカヒューマンは。
助かった、と安心した表情をする
クイナは店内の花を投げつけて来た
「無駄ですわ」
ビアンカはその細い装備、細いレイピアで投げられた花を斬る
なかなかやるじゃないか。
「くっ!!」
クイナは逃げようとする
「行かせませんわ!!」
ビアンカは高速でクイナの前に移動した
クイナは素早く服を脱いで、下着姿になった
「まだ死にたくないのよ、助けて。」
「え、ええっと…」
クイナは怯む
その隙にクイナはビアンカを蹴った
「きゃっ!!」
ビアンかは少し吹っ飛ぶ
「「「ビアンカ!!」」」
「ば~か、命乞いなんかに引っかかってるんじゃねぇよ」
そう言いながらクイナは逃げる
「す、すみません。不、不覚をとりましたわ」
「まったく本当にすみませんだよ。」
俺達はとりあえず気を取りなおしてクイナを追う事にした
これ以上被害者が出る前に、クイナを退治する必要がある
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