第9話 胸と男


俺は寮の自分の部屋の鏡で

上半身裸になり胸を見つめていた


「じーっ。」


サイズはCカップほどのこの胸が俺の女の証

触られると顔が赤くなっちゃう。


「ただいま~…って何やってるんだ!!」


ルームメイトのカイトが帰って来た。

カイトは目を逸らした


「目を逸らさないでくれカイト。」


俺はカイトの顔をこっちに向けた


「!!!!」


そして俺は決意をする

カイトに、胸を触ってもらおうと


「カイト、俺の胸を触って居てくれ

 俺は男で居たいから、胸を触られても平常心で居たい

 だからその特訓だ」


カイトはお前何言ってるんだ?と言う表情をする

だが俺の決意は変わる事はなかった


俺はカイトの手を、強引に自分の胸に当てた


「うわっ!!」


カイトは驚くが、俺は手を離さない

羞恥心が襲って来るが、俺は耐える


「胸を揉んでくれ、それに耐えれば俺は男だ」


「そんな事出来る訳…」


「カイト!!頼む、大事な事なんだ。」


俺が男で居られるか、女になるかの瀬戸際なんだ。

俺の表情は必死だっただろう


「つっ!!しかたねぇな…」


カイトは俺の胸を揉む

どうしようもない羞恥心が俺を襲う


「顔、赤いぞ。やめておくか?」


「いや、まだだ揉んでくれ。

  顔が赤くなくなるまで揉むんだ!!」


「そんな無茶苦茶な」「いいから!!」


俺は強引にカイトに胸を揉んでもらった。

カイトに1時間近く胸を揉んでもらった




俺はスッキリした顔で言った


「これで胸を揉まれるのには慣れた、これで俺は男だな」


「…そうか、ならいい加減服を着てくれ

 お前の心が男でも、俺も男だ

 目のやり場に困る」


確かに、男の前におっぱい丸出しが居たら

男なら気まずいよな

俺は服を着た


「今日は練習に付き合ってくれてありがとう

  これで明日からも男を貫けそうだ」


「そうか、それはよかった。のか?」


「よかったんだよ」


俺は男なんだから、男で居る事が大事なんだから。




俺のパーティは俺と学年は違えど、俺と食堂で食事をするのが日課だ

俺達は食堂で食事をする


俺は大盛カレーライスを、ジュリアンはハンバーグセットを、

ラムルはミートスパゲティを頼む。


「ジュリアン、ところで怪我は大丈夫なのか?」


「あぁ、大丈夫だ。あまり深くなかったらしい。

 順調に治って行ってるよ。」


「それはよかった。」


俺は心の底から安心した

ジュリアンの怪我、心配だったからな


安心した俺は大盛カレーライスを食い始める


「相変わらずよく食べるね…」


ラムルが呆れている


「当たり前、よく食う、よく動く、よく寝る

  それでこそ男だからな」


「君は女の子だろ?」「いや、男の子だ」


胸を触られると恥ずかしいのも、もう克服したからな

もう俺は男の子だ、男の子完全体だ。


「証拠が見たいか?なら、ほれ」


俺はジュリアンの手を、自分の胸に当てた


「な、何してんだ!!」「な、何してんの!!」


2人はあ然としている


「男の子だから、こうなっても平気だって事さ。

  ほら、顔は赤くなってないだろう。」


ラムルは驚いている


「確かに、この前と違って顔は赤くなってない。

  何があったの?」


「練習した」


「練習って、どんな?」


「上半身裸で、男の子に胸を揉みまくってもらった」


ラムルとジュリアンはあ然としたような

あきれたような目をしている


「な、なぁラムル。メルって痴女なのか?」


「ひ、否定出来ないかな?」


痴女だと?ふざけるな

俺は痴女なんかじゃない


「俺は男の子だ!!それを忘れるな

  痴女じゃない、痴女なんかじゃないんだからな。」


「「………」」


2人は気まずそうな目でこっちを見ている

あくまで俺の性別を認めないと


「ならいい、今からここで裸になって男の証明を…」


ラムルは慌てて止めた


「いいから、それ男でもしないことだから!!

   ただの変態だから!!」


ジュリアンも慌てて止める


「分かった、お前が男だと認める、認めるから。

   やめてくれ」


やっと男だと認めてくれたか


「ならいいんだ、脱ぐのはやめよう。」


「「ふぅ…」」


2人は心から安心した声を出した

俺はカレーを食べる


「もぐっ、それにしてもここのカレーライスはおいしいな。

  最高だぜ!!」


今まで食べたカレーの中で1番うまいね

前世で、外食で食べたカレーよりうまい

食堂で食べるものって不思議なうまさがあるよな。




「…それはそれとしてどうする?

  ジュリアンが治るまで、依頼は受けないようにするかい?」


ラムルが聞いて来る

ジュリアンが慌てて言う


「俺の事は気にせず受けても…」


だがおれはそれを遮るように言った


「依頼をやるなら、仲間みんなでだ。

  依頼は受けないようにしよう、報酬は多めにもらったから余裕があるしな。」


「メル…」


「じゃあ、依頼はしばらく受けない事に決定で

  しばらくジュリアンは療養、他2人は修練に励もうか」


依頼はジュリアンの傷が治るまで受けない

ジュリアン以外の2人は修練に励む事が決まった。

パーティとして当然の決断だよな!!

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