第6話 魔法の授業と食堂


ある日の授業、今まで授業では剣ばかりやって居たが

ついに魔法の授業が始まる


「これからあなたたちに魔法を教えたいと思うわ」


パープル先生がそう言った

魔法か、楽しみだな。使ってみたかった。


「まずは。テーブルの上に、水の入ったコップを用意しておいたわ。

  それに魔力をこめてちょうだい」


女子生徒の1人が聞いた


「先生、魔力を込めるってどうやるんですか?」


「いい質問ね。体内には魔力エネルギーがあるわ。

  それを指から出すイメージをすれば、魔力は出て来るわよ。

   要領は分かったわね?さっそくやってちょうだい」


生徒達は水の入ったコップに魔力を込め始める

俺も当然込める


俺は体内の魔力エネルギーを、指から出すイメージをする

コップの中の水が、切れた


「水が切れた、これはいったい…」


先生が説明してくれた


「自分の得意な属性ごとに、コップの中の水に起こる現象は異なるわ。

  火属性なら水は蒸発する、水属性なら水が増える、風属性なら水が切れる。

   地属性なら水を吸収する、雷属性なら水に電流が走る、光属性なら水が光る。

    闇属性の場合水は闇に飲まれるわ。」


ふむふむなるほど、と言う事は水が切れた俺は風属性

風が得意と言う事か


「自分の苦手な属性の魔法を練習してもあまり上達しないから、

  得意な属性の魔法を練習しなさい、まずは指先に魔力を集めて自分の属性に変える事からよ」


指先に魔力を集める。

みんな指先に魔力を集めようとしている、だが指先の魔力を維持するのにも苦労しているようだ。


俺も指先の魔力を維持するのにも苦労している。

風属性に変える、なんて出来る気がしない


「最初は苦労するでしょ?でも続ければ出来るようになるから努力しなさい。

   魔法も剣と同じ、努力あるのみよ」


剣と同じく努力あるのみか。

剣も覚えるまでにはだいぶ苦労したっけ




7歳後半くらいの頃、お父さんに剣が上達せず弱音を吐いたのを思い出す


「全然勝てない、こんなんでうまくなるのかよ?」


お父さんは諭すように言った


「剣の道は1日にしてならずだ、長くやって初めて一人前になれる。

  お前なんてまだまだひよっこなんだから、俺に勝てる分けないだろ」


確かに、お父さんは長年やってそうだけど


「長く続けて初めてものになるんだ、剣は」




14歳の後半頃、15歳になる前

お父さんと俺は剣をぶつけ合った

お互い激しくぶつかり合い、俺はお父さんの剣を吹っ飛ばす


そしてお父さんに剣を突きつけた


「俺の勝ちだな」「…負けたよ、もうかなわないなメルには」


「頑張って、何年も修行したからな。その成果だよ。」


お父さんは苦笑しながら言った


「こっちはそれ以上に鍛錬を積んでいたんだが?」「歳で衰えたんじゃない?」


「こいつめ」


お父さんは俺の顔を軽く小突く。

何年も頑張って修行して、お父さんを越えたんだ。うれしかった…




「こんなの無理だぜ」「出来ないわよ」


弱音を吐いている同級生を見かける

だが俺はそれを尻目に


「長く続けて、初めてものになるか。そうだよな」


魔力を指に集める修行を続けた

これを長く続けて初めてものになる、魔法も。



俺はパーティメンバーと昼飯を食う事にした。

そう、俺とラムルとジュリアンだ。


ジュリアンが言った


「女子2人にご飯に誘われるなんて、持てる男は辛いな」


ラムルは心底嫌そうに言った


「はぁ?」


俺は怒った


「俺は男子なんだが?」


おっぱいは確かに出ているけど

心は男だ。


ジュリアンが言う


「ツンデレさん達だな、でも俺への思いは分かっているからね」


「「誰がツンデレだ!!」」


俺とラムルは同時に言った

ツンデレでもないし、ジュリアンへの思いなんてない。

男同士殴り合ったことによる友情は、まぁあるけど。




食堂で俺とジュリアンは大盛のカツカレーを買う

そしてラムルはスパゲティだ。


「もぐっもぐっ、もぐっもぐっ」


俺は無言で大盛カツカレーを食べる

うまい、うまい


ラムルは呆れるように言った


「女子がよくそんなの食べるね、太るよ?」


俺は笑顔で言った


「俺は男子だし、動くから筋肉に変わるから大丈夫」


毎日鍛錬かかしてないからな。




食事を夢中でそれぞれ食べ終わった後。

ラムルが話題を振って来た


「この学園で1番有望なのって、誰だと思う?」


1番有望なの?

俺は迷わず答えようとした


「そりゃもちろん俺…」


だがジュリアンがそれを遮るように言った


「メルもまぁ強いが、やっぱり生徒会長のエリーだろうな。」


エリー、あの入学式の挨拶に出てきた子か。


「剣も魔法も出来て強い、男子として情けないが。

 あの子には勝てる気しないぜ。」


エリーって、そんなに強いのか


「有望過ぎて羨ましいね、消してしまいたい」


ゾクッとした

消してしまいたい、の、声からは本気の殺意を感じたからだ


「お、恐ろしい事言うなよ」


でもまぁ…


「消しちゃいたいとはまったく思わないけど

  俺は戦ってみたいな」


ラムルは呆れるように言った


「メルってバトルマニアなんだね、男の子みたい」


「だから男の子なんだよ!!」


それにしても、ラムルのさっきの殺気はなんだったんだろう?

本気でエリーを殺してしまいたいように思えた。

エリーに恨みでもあるのだろうか?


まぁ、ラムルに限って

生徒会長を殺す何てこと、あるわけないだろうけど


「それじゃあ食べ終わったし、雑談もした

  そろそろ食堂を離れようか」


俺は提案した


「「了解」」


2人は納得し、食堂を離れる。


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