第4話 初めての依頼


レプリカヒューマンが居るという洞窟に俺達はやって来た

すると洞窟の前には見張りが2人剣を持って立って居た


見張りのうち片方は角を生やしたピンク髪ロングヘアーの美少女で

もう片方は角を生やした黒髪ロングヘアーの美少女だ


角さえ生えてなきゃ、普通の美少女に見える


「普通の美少女に見える、あれを殺すのか?」


俺はかなり戸惑った

ラムルは叱るように言う


「魔族は全員メスで、美少女だらけだよ

  戸惑ったら逆に殺されるよ」


ラムルは怒ったような目をしている

いや、怒ったようなじゃない、怒っている。俺の覚悟の決まらなさに怒ってるんだろう


「分かってる、分かっているさ。」


俺は覚悟を決めて踏み出した


黒髪の方が叫ぶ


「人間が来たぞ!!」


ピンク髪の方はマイペースに言う


「にんげんさんがきましたよ~」


性格にも個性があるのか?

やりにくいな、モブみたく無個性でいろよ


黒髪の方は俺に向かって走って斬りかかって来る

ピンク髪の方はラムルに向かったようだ


黒髪の方と俺は剣をぶつけ合う


「つっ!!」


黒髪のレプリカヒューマンは非力だ、俺が押している

俺はそのままレプリカヒューマンの剣を押しきり、飛ばした


「きゃっ!!」


レプリカヒューマンは無防備になった

俺はレプリカヒューマンの首に剣を突きつけた


「降参しろ、殺したくはない」


黒髪のレプリカヒューマンは怒りの表情を浮かべる


「降参しても殺す癖に」


こっちはそんな気はないんだが

本当に助ける気で…


「どいて」


「うわっ!!」


ラムルは俺をどかせた

そしてラムルはレプリカヒューマンの胸を、思いっきり殴る


「とりゃぁ!!」


「がはっ!!」


黒髪のレプリカヒューマンは全身の力が抜けたように、倒れる


「こ、こんなところで、し、死にたくなかった。ガクッ…」


黒髪のレプリカヒューマンの死ぬときの表情は、本当に無念そうだった。

罪悪感がドンドン湧いて…


俺の頬に衝撃が走った


「い、痛い。」


誰がビンタした?誰が…

ラムルだ


「ボクは手早くピンク髪を処理した、そっちもそれぐらいあっさり処理してよ。

  技量はあるんだから。そうしてくれないとボクが困る。」


「…あぁ。」


やるしかないんだよな。

依頼を受けた以上分。かっている、分かっては居るんだ。




洞窟の中からレプリカヒューマンが5体出て来る


「敵襲だ!!」


1番前の赤髪髪ショートヘアーのレプリカヒューマンがそう言う

その後ろに続く黄色髪ショートヘアーのレプリカヒューマンが言う


「2人やられとる、仲間の仇や!!」


赤髪ショートヘアーのレプリカヒューマンが俺に斬りかかって来る

俺は咄嗟にレプリカヒューマンの腹を斬った


「がはっ!!」


レプリカヒューマンはうつ伏せに地面に倒れる


「ご、ごめ…」


黄色髪ショートヘアーのレプリカヒューマンが俺を狙って居た。

俺に斬りかかってこようとしている


「あっ!!」「まったくもう!!」


ラムルが黄色髪ショートヘアーのレプリカヒューマンの胸を叩く


「がはっ!!」


レプリカヒューマンは吹っ飛んで行き、倒れる

魔族は胸が弱点だ。死んだのだろう


ラムルは腹を斬られた赤髪ショートヘアーのレプリカヒューマンを、

足で強引に仰向けにした


「ひゃっ!!」「とりゃ!!」


そして赤髪ショートヘアーのレプリカヒューマンの胸を踏んづける


「ぐっ、ここまで、か…ガクッ」


赤髪ショートヘアーのレプリカヒューマンは死んだ


「腹じゃなく急所の胸を狙う、そして謝ろうとしない。

  あいつらは敵だよ。ちゃんと考えて…」


「あ、あぁ」


「今度はボクは助けてあげないから、あそこに居る残り3体は君が相手してよ。

 それぐらい出来る技量はあるはずだから」


俺は何をやって居るんだ、覚悟を決めれないせいで

ラムルに迷惑をかけている

覚悟を、決めなきゃ。




俺は3体のレプリカヒューマンに近づいた。


緑髪ロングヘアーのレプリカヒューマンが俺に斬りかかって来た


「仲間の仇ぁ!!」


俺は綺麗にカウンターを決め、レプリカヒューマンの胸を斬った


「きゃっ!!」


胸は女の象徴だ、それを斬った感触が確かに手に残る

緑髪ロングヘアーのレプリカヒューマンは倒れる


「うぅ、死にたくないよぉ」


黄色髪ロングヘアーのレプリカヒューマンが俺に斬りかかって来る


「あっしだってただやられる訳にはいかないんや!!」


俺はカウンターであっさりレプリカヒューマンの胸を斬った


「きゃう!!」


レプリカヒューマンは訳が分からないと言う表情のまま

倒れた


最後に残ったのは黒髪ショートヘアーのレプリカヒューマンだ。


「きゃっ、きゃっ、い、命だけは…」


そう言いながらレプリカヒューマンは地面に座り込む


「…ごめん、依頼なんだ」


俺はレプリカヒューマンの胸を刺した


「がはっ!!おかあ、さん…」


お母さんか、レプリカヒューマンにも母親が居るんだな

罪悪感が湧いて来る


ラムルが言った


「よくやったね、それじゃあ洞窟に入るよ。

  生き残りを掃討する」


「あぁ…」





俺達は洞窟の中に入った。

そして生き残りのレプリカヒューマン達を掃討した




そして1番奥には、リーダーらしきレプリカヒューマンが居た


銀髪ロングヘアーの角生え美少女だ

胸はGカップはあるだろう


「お前らが、お前らが仲間を殺したのか?」


「そうだが、なんでお前はここから動かなかった?

  仲間を見殺しに…」


奥の扉から子供の声がした


「リーダー、お母さんは、お母さんは大丈夫なの?」


「リーダー、リーダー…」


子供が、居るのか


リーダーレプリカヒューマンは言った


「大丈夫だ、だからそこに居ろ。黙って…」


ラムルは言った


「リーダーは任す、子供を皆殺しにして来る

  君には出来ないだろうし…」


俺はラムルに剣を向けた


「…何を考えているの?ボクは仲間だよ」


分かってるさ、分かってる

自分がこの世界の価値観では、とち狂ってる事も分かっている。

だが、俺には子供殺しを見逃すことは出来なかった


「リーダー、交渉だ。

  俺は剣を収める、こいつにも子供はやらせない。

   だから子供を連れて、俺達の目に入らない所に行くんだ」


「正気か?」「正気だ。」


リーダーは礼をした


「感謝する、仲間を殺されたが

  それでもお前の温情に感謝する」


人として当たり前のことをしただけだ


「お前ら、行くぞ」


リーダーは奥の扉を開け

子供達と去って行く




「これは依頼失敗だよ。」


ラムルが言う

俺は返した


「無力化したんだから成功さ、皆殺しにしたと嘘をつけばいいさ。

  リーダーと子供は、もう二度とここに来ることはないだろうし」


「…バレたら逮捕ものだよ」「バレないさ」


ラムルはなぜか笑った

ラムル?


「ラムル、すごく怒るかと思ったんだが。

  なんで笑ってるんだ」


「わ、笑ってないよ、怒ってる」


「いや、今笑って居た。」


「それは君の気のせいだよ、ボクは怒ってる」


ラムルはそう言うと怒りの表情を浮かべた、うん、それが自然だよな。

今の笑いはなんだったんだろう?




俺達は洞窟のレプリカヒューマンを皆殺しにした、と嘘をついた

そして報酬を受け取った


罪悪感が湧くが、これが最善だと俺は思う。

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