道を切り拓けという強い言葉が嫌になり

釣ール

強さへの問い

 昔は語ってばかりだった。

 そして誰にも聞いてもらえない。


 それなのに熱い曲には安心する。

 いい思い出だから。


「道を切り拓け!」

 か。

 強い人の努力は何人、何十人、何百人と伝染して盛り上がりを見せる。

 その時だからこその盛り上がりなのだからここでは流れに乗って楽しんでもいいかもしれない。


 おかげで一人でも出来ることを増やして継続と積み重ねを少しずつやっていくことに抵抗を抱えつつもやっていこうと決めることが出来た。


 でも歌以外で誰かが本やSNS、バラエティ番組で似たことをされても嫌悪感けんおかんしか出てこない。


 そうか。

 あの歌詞や言葉が好きになったわけではなく、その時に歌ってくださった歌手達の配慮が好きで盛り上がったんだ。


 本やSNS、バラエティ番組などの権威には屈したくないけれど歌や歌手は悪くないと思う気持ちは大切にしてもいいんだ。


 これもまた道を切り拓けたってことなのかな。

 誰かを支えていくというのは自分自身も小さな気付きによって生きていることを当然とも特別とも思わないことにあるのかもしれない。


 そう考えていたらほほを涙が伝った。

 強制的な感謝でもなく、卑屈な逆張りでもない。


 自分自身の気付きへの感動が権威への嫌悪感を肯定してくれたことと歌手への心からの感謝があったことに今日が、『ようやく自分が人間なんだ。』と実感できた出来事になった。


 だから記録する。

 決して忘れない。

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道を切り拓けという強い言葉が嫌になり 釣ール @pixixy1O

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