第33話 パーティー
ダンジョンから出てきた俺たちは村長の所へと自ら行き絞られた。いまだかつて見たことのない村長の怒り様にビビった3人と1匹だったが、ナナトさんがなんとかなだめてくれて事なきを得た。
そうして一週間の自宅謹慎を言い渡され、家へ帰された。お母さんが泣いている姿に胸が痛んだ。
けれど、ここで終わるわけにはいかない。この村は放っておけば泣いて悲しむことすらできない惨劇に見舞われてしまうのだから。
暗い部屋。魔族が襲来するまで残り約1時間。俺は腰にベルトを巻き、ダガーを差す。黒いドレスの上からローブを羽織り、窓の扉を開いた。
――
【ステータス】《称号》深淵ノ死者
《名前》リン《ジョブ》白魔道士
レベル:74
HP:2820/2820
MP:5320/5320
筋力:298
魔力:2880
精神:509
俊敏:1628
詠唱:1035
《装備:武器》
SR14『ルベウスダガー』攻撃力(物):1480 攻撃力(魔):680
➤《特殊》闇夜に紛れ姿と気配を消す。
SR10『冥界の緋杖』攻撃力(物):320 攻撃力(魔):1280
《装備:防具》
SR10『深闇姫の衣』防御力(物):809 防御力(魔):1128
《装備:装飾》
SR9『破魔の指輪』魔力+680
SR12『闇魔女の外套』魔力+300 防御力(魔)+410 MP+1080
《スキル》
★【魔眼】:消費MP――
☆『魔弾』:消費MP30
☆『ダブルバースト』:消費MP×3
☆『ファントム』:消費HP1/3
☆『キュア』:消費MP15
☆『魔引』:消費MP10
《魔法》
☆『ヒーリング』:消費MP15
☆『ヒーリン・ガ』:消費MP30
☆『エアマジック』:消費MP5
☆『マジックバースト』:消費MP20
☆『エアリアルヒール』:消費MP20
☆『ホワイトガード』:消費MP15
☆『ヒーリングレイ』:消費MP150
――
俺は皆との集合場所である月見丘へ向かった。
☆
ダンジョンでの移動中。今夜の戦いに現れる魔族の事をリンに教えてもらった。行動パターンとその対策。そしてそれを元に立てた作戦。それらを頭に叩き込んで、イメージトレーニングを繰りかえしながら夜道を歩いていた。
(……父さん、泣いていたな)
村長の家に迎えに来た父さんの顔は真っ青だった。これまでに見たことのない表情をしていて、顔を合わせた瞬間泣き出した父さんに心底驚き焦った。父さんもあんな顔するんだな。
ぼんやりと浮かぶ二つの月。眺めながら俺は心が重くなるのを感じた。
いや、ちがう。違うんだ。俺はただ、見ないように目をそらしていただけだ……。兄貴が戦死したと知らせが入った時、母さんが病に倒れた時、きっと父さんはあんな顔をしていたんだ。俺が見なかっただけだ。現実を受け入れられずに、目を逸らし続けていたんだ。
(ずっと寂しい思いをしていたのかもしれない)
でもそれも今日で終わらせる。全部清算する。そして、必ず生きて帰ってきて、今度は俺が兄貴や母さんの代わりに父さんを支える。
――だから見守っていてくれ。
――
【ステータス】《称号》―
《名前》ラッシュ《ジョブ》守護の戦士
レベル:61
HP:4090/4090
MP:2390/2390
筋力:2498
魔力:880
精神:409
俊敏:828
詠唱:435
《装備:武器》
SR16『零銘の魔法剣+7』攻撃力(物):2880 攻撃力(魔):1980
➤《特殊》魔力による盾を展開。衝撃を80%カットできる。防御力(魔):3400
SR11『白銀騎士の長剣』攻撃力(物):1890 攻撃力(魔):780
《装備:防具》
SR10『白銀騎士の鎧』防御力(物):1520 防御力(魔):1328
《装備:装飾》
SR10『命脈の指輪』HP+1080
SR9『白銀騎士のマント』防御力(物)+210 HP+580
――
☆
おじい様。あたし、今日で死ぬかもしれない。だからこれ借りていくね。
昔おじい様が宮廷魔道士をしていた頃に使っていた杖をあたしは手に取った。
いまだ整理されていないおじい様の部屋。もう何年にもなるけど、埃一つないのはあたしが掃除しているから。あたしが魔法を好きになったのはおじい様がいたからで、だからこそ腕を上げた。最初は戦うためではなく、見た目の美しい魔法ばかり覚え満足していた。
あたしは人が笑った顔が好きだ。
美しい魔法を目の当たりにした人たちは笑顔になる。笑顔はあたしの宝物。だからこそそれを守るために戦闘用の魔法を覚えた。
(これから、あたしの宝物が失われるかもしれない…‥だから、命をかけて戦いに行くわ)
――側で見守っていてね。おじい様。
――
【ステータス】《称号》―
《名前》コクエ《ジョブ》黒魔道士
レベル:57
HP:1890/1890
MP:4390/4390
筋力:230
魔力:3680
精神:209
俊敏:628
詠唱:935
《装備:武器》
SR16『【古杖】紅焔のグラムハイド+8』攻撃力(物):370 攻撃力(魔):3980
➤《特殊》MPを2000消費し追尾する7発の紅焔弾を無詠唱で放つ。
《装備:防具》
SR11『魔焔のドレス』攻撃力(魔):990 防御力(魔):900 MP+280
《装備:装飾》
SR10『暗鬼のピアス』魔力+800
SR12『魔焔の外套』魔力+800 防御力(魔)+210 MP+680
――
☆
ゆっくりと動く夜空の雲。不思議と凪いだ気持ちで椅子に座っていた。ここは月見丘。カムイが隣に座り、同じく空を眺めていた。多分緊張しているんだと思う。賢い子だから、これから何が起こるのかも理解しているのだろう。
(僕らはこれから死ぬかもしれない)
リンは言った。何度も繰り返している。やり直しがきく世界なのだと。けれど、僕らは違う。リンもそれには気が付いているのだろうけど。
記憶を保持したまま次へ行ける彼女とは違い、ここまで生きた僕らは存在自体が無かったものとなる。ここまで共にした時間は失われ、きっとリンの心にも大きな穴が開くだろう。むしろそれを考えると彼女に掛かる恐怖の方が大きいと思う。
だから、死ねない。
僕らの内、誰かが死に、再び時をさかのぼればリンの心にどれだけの負担がかかるか計り知れない。もしかすると僕たちの最期次第では限界を迎えるかもしれない。
(……お母さん、オウカ……どうか)
――
【ステータス】《称号》―
《名前》ウルカ《ジョブ》賢人の狩人
レベル:61
HP:2680/2680
MP:1380/1380
筋力:1660
魔力:1100
精神:289
俊敏:1828
詠唱:535
《装備:武器》
SR16『賢人の弓+4』攻撃力(物):2870 攻撃力(魔):1200
➤《特殊》魔力を1000消費し白狼の亡霊を4体召喚する。
SR11『鬼焔の鉈』攻撃力(物):1180 攻撃力(魔):880
《装備:防具》
SR11『魔焔のドレス』攻撃力(魔):990 防御力(魔):900 MP+280
《装備:装飾》
SR10『ホロロウの耳飾り』俊敏+600
SR11『霧梟の羽外套』魔力+700 防御力(魔)+700
――
☆
「やあ、リン」
「うん」
片手をあげ微笑むウルカ。カムイが駆け寄ってきて撫でてほしそうにすり寄ってくる。俺は艶やかな白い体毛をゆっくりと撫でてやる。
「ウルカが一番乗りだね」
「うん。ちょっと村の景色をゆっくり眺めたくて」
人口約800人の小さな村。他からしてもここ程小さな村は無いはずだ。でも、おおきい。俺たちにとっては、どの町や都市よりも大きく大切な場所だ。
「よ、リン、ウルカ」
「やあ、ラッシュ」
「うん」
「あら、あたしが最後?」
ラッシュが現れ次にコクエが来た。
「ううん。ラッシュも私もいま来たところだよ」
「ま、でも最後は最後だけどな」
ラッシュがマウントを取る。するとコクエはフンと鼻を鳴らす。
「くだらないマウントとるのもいいけど、今日は初ダンジョンのようにビビッてないでしょうね?」
「はん、あったりまえだぜ!お前こそ怖くて泣くなよ?」
「はあ!?あたしがいつ泣いたっていうのよ!!」
「30層のボス倒した時泣いてただろーが」
「あ、あれは違うでしょ!!やめなさいよそういうの!!」
「まあまあ、ケンカは戦いが終わった後で」
ギギギギといがみ合う二人とそれを仲裁するウルカ。コクエじゃないけど、ホントに初ダンジョンの時と同じ光景だった。思わず俺は「ふふっ」と噴き出す。
「あはは、どんだけ死線をこえても全然変わらないの面白いんだけど!あはは!」
「おお、リンが爆笑してる……珍しいな」
「でもリンのいう通りね。ラッシュは全然成長しないわね。反省なさい」
「いや、まだいうか……ていうか、おめーも含まれてるんだよ」
「なんですって!?」
「「あはははは!!」」
――魔族襲来まで残り20分。
「さあ、そろそろ行こう。また皆で笑いあえるように」
「ああ、まだまだやりたいこともあるしな!やってるぜ!!」
ラッシュは剣を握りしめた。そこに見えた希望を掴み取るように。
「お祭りもあるしね。とっておきのお菓子もまだ披露してないし」
コクエは杖を撫でた。過去と未来にある誰かの笑顔を望むように。
「うん。それに僕は皆とまだまだ話足りない。これからもずっと一緒に居たい」
ウルカは弓を背負う。命の儚さを見た瞳、守るモノをそこに映して。
「生きて帰ろう。この場所に」
――俺たちは手を重ね想いを一つにした。
(……俺は、皆を信じる)
――【クエスト『託された漆烏の想い』をクリアしました】
➤ルベウスダガーが強化されました。
SR17『【漆烏】ルベウスダガー』攻撃力(物):1980 攻撃力(魔):980
➤《特殊》闇夜に紛れ姿と気配を消す。漆烏の影を召喚する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます