第45話 神官任命と魔法装備


 ヨゾラさんとユリアさんの二人も同じように職業と加護を授かった。

 森の中で行われる荘厳な儀式は神々しく幻想的で美しかった。


 ぶっちゃけここまで儀式っぽくする必要は無い。やりたかっただけだ。雰囲気を楽しんだだけだ。


 これで聖騎士3名は埋まってしまったが、神官はあと30名任命できる。加護も結構な人数与えても問題ない。


 とりあえず高レベルの上位陣全員に神官の職業と加護を与えることにした。それと騎士にも与える。

 神官と加護を与えるのはこいつらだ。


黒豹 1(ノワリン)

忍者 1(カゲイチ)

太陽の炎 4(聖騎士、女騎士、獅子獣人剣士、女火魔法使い)

Aランク冒険者 7(黒猫獣人、人妻エルフ、エルフ神官、ドワーフ、犬獣人剣士、盾士、槍士)

騎士 14(騎士団長、副団長、レオス)

鉄仮面 3(アックス、ジミー、青髪)

計 30


 聖女は自分に加護や任命は使えない。聖騎士とエルフ神官はすでに神官を覚えているので加護だけだ。なのでまだあと2名神官を任命できる。

 加護をたくさん与えたので、聖女の最大MPが3000くらいまで減ってしまったが、聖女はあまりMPを使わないので問題ない。光魔法は俺達3人にしか使わないし、支援魔法もユニークスキルを使えば1回のMP消費で全員にかけられるからだ。3000でも多すぎるくらいだ。


 そうだ!つのっちとグレイにも加護をかけよう!事故防止だ!万一二人が死んだら俺が闇落ちして暴走してしまうからな。ユリアさんも闇落ちしてしまうかもしれない。必要な措置だ。無駄ではないぞ。


 青髪は上位陣というほど強くないが、いつの間にかそこそこレベルが上がっていて一般兵よりは強いし、仲間外れにするのも気が引けたので仕方なく覚えさせた。ジミーは有能でお気に入りだから特別扱いだ。

 騎士は、神官と騎士の両方を30まで上げれば聖騎士になれるので、長い目でみて聖騎士を目指して訓練させる。まあゴブリン食い訓練だけでは何十年もかかるらしいが、軍の指揮ができる貴重な騎士が死ににくくなるだけでも良いしな。俺が爺さんになる頃には聖騎士隊ができているだろう。 ・・・長い目で見すぎだが。


 光魔法をかければばHPが減るので、自傷行為をさせなくて済むからゴブリン食い訓練の見た目がマシになるしな。


 俺はアンデッド聖騎士団の結成を夢見て、訓練を指示した。


 まあアンデッドには聖騎士のスキルも神官のスキルもほぼ使えない死にスキルなので、アンデッド聖騎士はただの強い騎士だけどな。



 今回配下にした奴らは、良い装備を色々身に着けていたので、装備の見直しも行う。特に高レベルの奴らはアスカさんが作ったという魔法装備を色々つけているので、俺達が使った方が良い物もあるだろう。


 さっそく俺、ヨゾラさん、ユリアさんの三人で配下達の装備について、話しを聞いた。


 話を聞くと、聖女、聖騎士、女騎士の装備が特に良い装備らしい。女騎士はたいして強くないが、聖女の護衛騎士だったらしく、配下になる前は、聖騎士任命と神官任命と加護がかかっていて、今より強かったらしい。俺にやられて解除されて弱体化したようだ。襲い掛かってきた時はめっちゃ動きが速かったからな。


 手に入れた魔法装備はこんな感じだ。


聖女

 魔法強化のロッド

 光の法衣

 即死を防ぐタリスマン

 魔法攻撃のネックレス

 物理防御の腕輪

 衝撃の腕輪


聖騎士

 火の魔法剣

 火の大盾

 風の聖騎士鎧

 魔法の靴

 物理攻撃の腕輪


女騎士

 火の魔法剣

 火の小盾

 風の騎士鎧

 魔法の靴

 物理攻撃の腕輪

 魔法攻撃のネックレス


獅子獣人剣士

 火の魔法大剣

 魔法の靴


女火魔法使い

 火属性の杖

 魔法攻撃のネックレス

 物理防御の腕輪


アスカさんが投げてきた槍

 火の魔法槍×5


 アスカさんが投げてきた槍は意外にも壊れていなかった。錬金術で強化された丈夫な良い槍のようだ。それとスキルを使って投げると壊れにくいらしい。



 おすすめ装備を聞くと、意外にも魔法の靴が強いらしい。魔法の靴を履くと足が滑らなくなるし、空中を数回蹴れるようになるので、凄く速く動けるようになるそうだ。

 確かに槍の訓練で地面を全力で蹴ると、地面が滑ったり抉れたりして動きにくい。ヨゾラさんも解るらしく、話を聞いて欲しがった。

 それ以外にも色々話を聞いて装備を変更した。

 少しサイズが合わなかったりしたが、少しくらいならAランク冒険者で鍛冶師の職業を持っているドワーフがサイズ調整可能だったので問題なかった。

 分配した装備は以下のとおりだ。


ユージ(俺)

 火の魔法槍(アスカ)

 風の聖騎士鎧(聖騎士)

 魔法の靴(聖騎士)

 物理防御の腕輪(変更なし)


ヨゾラさん

 火の魔法剣(変更無し)

 風の騎士鎧(女騎士)

 魔法の靴(女騎士)

 物理攻撃の腕輪(女騎士)

 魔法攻撃のネックレス(女騎士)


ユリアさん

 魔法強化のロッド(聖女)

 火の小盾(女騎士)

 光の法衣(聖女)

 即死を防ぐタリスマン(聖女)

 魔法攻撃のネックレス(聖女)

 物理防御の腕輪(聖女)

 衝撃の腕輪(聖女)



 俺の見た目は完全に聖騎士だ。ヨゾラさんの見た目は騎士だ。そしてユリアさんは完全に聖女装備だ。

 完全に聖女とその護衛だ。滅茶苦茶目立つ。町に行く時や、今回の戦いみたいに目立つと狙われる状況では装備できないな。

 まあ森では人目は無いので、森の奥にレベル上げに行く時は使えるだろう。


「一気に装備が強力になったわね。」 ヨゾラさんは満足気だ。

「私が聖女の豪華な装備をいただいて良いんでしょうか・・・」 ユリアさんは豪華な聖女装備に困惑気味だ。

「俺達が死なない様にするのが最重要ですからね。それに聖女は戦いに出さないので、強い装備はいりませんから、ユリアさんが使った方が良いですよ。光の法衣はアンデッドは使えないですし。」

 光の法衣は、MPを込めるとHP自動回復、魔法ダメージ軽減、闇属性無効の効果があり防御力も高い今回手に入った中では最上位のSSR装備だ。アンデッドは大ダメージを受けるので使えない。女性用だから俺もサイズが合わない。無理すれば着られるが、女性用を無理に着るのは恰好悪いのでユリアさんに譲った。

 他の装備の性能は、風の聖騎士鎧と騎士鎧は走るのが早くなる。火の小盾は火を吹いて攻撃できる。衝撃の腕輪は触っている相手を衝撃ではじく。他の装備は名前のとおりの効果だ。魔法効果以外の純粋な装備の性能も高い。

 俺の死体収納を防いだのはタリスマンの力だ。普通は防げないユニークスキルを防げる貴重品らしい。俺がつけても良かったが聖女装備なのでユリアさんに譲った。まあほぼ好感度アップのためだ。これで俺が即死させられたらシャレにならないが、即死を使ってくる相手なんてそういないしヨゾラさんが守ってくれるから大丈夫だろう。 ・・・多分。


 アスカさんの槍は、短めでシンプルな形をしていてかなり使いやすかった。俺は今まで物理攻撃が低くて槍ではろくにダメージを当てられなかったが、魔法攻撃はそこそこあるので、魔法槍なら槍で戦うことも可能だろう。まあ今回みたいに即死が効かない時しか使わないだろうけども。

 5本もあるので槍を使う主要配下にも使わせよう。と言っても俺の師匠の騎士レオスとAランク冒険者の槍士ケルトの二人だけだな。残り二本は予備でいいか。

 ・・・アスカさんの元恋人にアスカさんが作った槍を使わせるのは、何となく酷いことをしている気がするが、気のせいだろう。 ・・・気のせいだよな?

 アスカさんのためにもこの槍でレオスを立派な聖騎士に育てよう。・・・これも酷いな。まあ俺の命を狙っている相手に配慮する必要はないか。



 とにかくこれで俺達もかなり強くなったし、配下も強化されたので森の奥に行っても大丈夫だろう。


 とりあえず今回の戦利品の確認は終わりだ。俺の今のステータスはこうなった。


ーーーーー

名前 ユージ

種族 人間Lv32

年齢 19

職業 死霊術士Lv32 聖騎士Lv1 神官Lv1

HP 1825/1825

MP 4223/4223

身体能力 41

物理攻撃 42

物理防御 158+100

魔法攻撃 571

魔法防御 750

ユニークスキル

 死体収納

スキル

 配下作成

 配下解放

 配下回復

 配下探知

 配下情報

 配下召喚

 ディバインフォートレス

 光魔法

配下

 上級アンデッド 370

 キメラゾンビ 61

状態

 聖女の加護

ーーーーー

ーーーーー

ディバインフォートレス 消費MP10

 自分を対象としたスキルや魔法を集中せずに使用できる。


光魔法

 ヒール 消費MP5 対象のHPを回復する。

ーーーーー


 ・・・思ったより強くなってないな。

 一応聖女の加護で、HPが426、物理防御が114、魔法防御が179上がっているらしい。聖騎士と神官はレベル1ではほとんど上がらないようだ。

 聖女とかのステータスを見た後だと弱く見えるが、これでも大分マシになったはずだ。


 聖騎士の鎧も装備するし、俺は後衛で無敵ドームの中から死体収納を使うだけなので魔の森の奥でも大丈夫だろう。 ・・・多分。



 まあ当面の危機は去った。今後もここでレベル上げや防衛力を強化をしながら生活すれば問題ないだろう。



 一仕事終えた俺達は庭のテーブルで、配下が町で買ってきたハチミツシフォンケーキを食べながら、ゆったりとティータイムを楽しんだ。



 森の中に吹く秋の心地よい風が頬を撫でた。



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