第21話

21層。


ここは迷路みたいだな~。道が何本にも分かれていて、22層への階段が見つけられないって言うのも良く分かる。え?言ってない?でもここには強すぎる魔物が出てくるって情報もあるからね~。ま、問題無いけど。


……迷った。

「どうしよっかな。これ。」

「夜月?」

「あ、スミマセン。」

『ハイ、地図だよ。』

ミトが良く出来てる地図を渡してきた。私達が通って来たのだろうというところだけ描かれている。

「どうしたのこれ」

『地図生成のスキルが手に入ったんだよ。』

「ありがとね。」

朗報、ミトが優秀すぎます。って誰に報告してるんだ?

『やっぱり』

そういうとミトは日向の肩の上に飛び移った。

「私が頼りないとでも?」

『うん。』

「日向も同じような」

『でもヨツキよりはマシだよ』

「スミマセン。」



迷いに迷いながらようやく次の層への階段を見つけた。そして、階段の前にはハイリザードマンが2匹。

迷路で精神力を削った後にリザードマンの進化系であるハイリザードマンって……普通の冒険者じゃ辛すぎるだろうな。自分で言うのも変だけど、私達は普通じゃないからね。え?知ってる?ミトさん、そういうことは言わないの。

罰?としてミトに戦ってもらったんだけど、

火海ファイヤマリン風爪ウィンドクロー

おー…燃やしつつ縦に斬るんですか…。

『終わったよー。』

うん。見ればわかるよ。


22層は森のようだった。

ミト、これを渡すからさ、色んな魔物を倒して素材を入れてきてくれない?無双すぎてつまんないんだよね。」

じゃーん!ビー玉!に形を変えたアイテムボックス!容量無制限だからなのか切り取って譲渡可能らしいんだよね。ちゃんと中身は共有されるし。我ながら良い案だよ。

『良いよ。僕も強くなれるからね。』

「ありがとう。それじゃあ行ってこーい」

『わーい』

「………つまんないだけじゃなくて、面倒だっていうのもあったんじゃ」

「さすが私の相棒だよ。」

「ちょうど良かったよ。私も正直面倒だったから。」

「だよねぇ。」


22層となると流石に狭くなってきているのか、20分くらいで階段に着いた。休憩と思って壁に寄りかかったら、何かスイッチを押したみたいで、隠し部屋が出てきた。

「あ、宝箱だ。」

中には宝箱が1つのみ。

「ミミックだったりして。」

「モンスターボックスだったりして。」

フラグ立ってるよ〜。いや、立ててるよ〜

宝箱を開けたら23層に行くからミトを呼び出す。思念伝達テレパシーで。

『ミト、私の位置わかる〜?』

『わかるよ。』

『戻っといで。』

『はーい。』

10分もしないうちにミトが来た。それで日向の肩に乗るのはなんでなのかな〜。


「それじゃあ開けよっか。オープン!」

ん…ブレスレットかな。何故か2つあるし。鑑定。


【魔女のブレスレット】

着用者のマナが2倍に増える。


2倍か〜着けとくかな。


宝箱の部屋から出た直後、カチッという音がした。

「あ。」

「あ。」

『あ。』

「あ~~」

『わ〜〜』

「私は正攻法で行くねー。」

日向とミトが落ちていった。大丈夫でしょ。日向とミトなら。

ってことで私は1人で23層へゴー。

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