第18話

・・・


「もっと働け!」

「お前に価値なんてねぇんだよ!」

「いやね、汚らしい。」

「お前なんか生まれてこなければ良かったのに。」

「忌み子はさっさと消えなさい」

罵詈雑言を並べられながら、殴られ、打たれ、働かされる毎日を送っている。誰も同情しない。誰もが忌み嫌う奴隷。それが、彼である。

彼には名前がない。否、イチとは呼ばれているが、正式な名前ではないのだ。忌み子であり、親からも、村からもいらないモノ扱い。名前をつけられるはずがないのだ。

今日も彼は日の出から働く。そして、夕焼けの時間に手を引かれて帰る。



ある日。彼は逃げ出した。この地獄から。人の目を盗み、逃げ出した。村中大騒ぎ。

「どこに行った!」

「探せ!」

「探せ!」

「村に災いが訪れる、絶対に見つけ出せ!」

彼は走る。隠れる。走る。


どれくらい経っただろうか。辺りはすっかり暗くなり、松明の光が村人を照らす。


彼は物陰に隠れている。誰にも見つからない場所だった。


物音がした。彼は振り返る。声は、出なかった。女が2人と1匹のスライ厶が立っていた。彼は、逃げ出そうとしたが、


闇壁ダークバリア


逃げ道を塞がれた。


「大丈夫。ここには誰も来れないし、誰にも見えない。」


それが怖い。また殴られるんじゃないかという恐怖。地獄に連れ戻されるという恐怖。

彼の顔は、恐怖で歪んでいた。


「大丈夫って言ったのに、村人達は一体どんなことをしたんだろうね。」


「おいで。一緒に帰ろう。」


女は手を差し出す。


彼は後ずさる。

(どうせまた働かされる。この人達も、殺されるんだ。僕の居場所はどこにも)


「あるよ。」


彼は顔を上げる。


「一緒に帰ろう。君の居場所に。アテはあるんだよ。」


光が、無かった。ずっと暗闇でもがき続けた。光が、あるのなら――


彼は、女の――夜月の手を取った。


転移テレポート


・・・



あとがき


更新してなかった理由は夏バテですね。多少塞ぎ込んでたのもあったんですけど(*ノω・*)テヘ

夜月達だっていつ気づきまし……あ、登場してすぐですかソーデスカ……そうですよねぇ!闇壁使ってる時点で夜月ですよ!…暴走って楽しい。………ゴホン。

……3人称視点難しい。あとネタ切れ感アリ。

ってことでネタ募集したいです!応援コメに書いて下さい。お願いします。なるべく採用するので。

……それだけ。

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