第12話
40層
階段を降りた先には……
「クックック……よく来たな人間……」
ハッ!!この声は!?
「我こそがこのダンジョンのボスでありこの世界最強の」
「魔王じゃん!久しぶりー!」
「久しぶり。」
「ヨツキとヒナタではないか!」
「えええぇぇぇぇ!」
「リュウカイから元の世界に帰ったんじゃないかという話は聞いていたが、また会えるとは思ってなかったな。ハッハッハ!」
「魔王も生きてたんだね」
「2千年くらいは生きてるぞ」
「おー。」
「それにしても、あの子は誰だ?」
「イヨって名前で、このダンジョンで会ったんだよ。」
「ほう。イヨか。ヨツキとヒナタの友人なら悪いことはしないだろう。よろしくな!」
「ヒッ!?え、あ、よ、よろし、くおねが、いし、ます」
「イヨはどんな魔法を使うのか教えてくれぬか?」
「ヒィッ」
「あー……これは重症だわ……。」
日向の後ろに隠れちゃったし。
「空気の魔法だって。」
「ほう。空気の魔法か。珍しいな。」
「珍しいんだ。」
「あ、これをお前達に渡しておこう。リュウカイの手記だ。」
「ありがとー。」
「え、それって原本じゃ」
「あ、話題変わるけど、なんで魔王はこんな地下に?」
「なぜかわからぬが、この城の周りが突然盛り上がってな、」
「はいはい理解したよー。」
魔王城以外の場所が突然隆起した……と…。変なの。
「このダンジョンは魔王が作ったの?」
「盛り上がったときにはすでに出来ていた。」
「ふえー。不思議だねぇ。」
「夜月、もうイヨが限界っぽい。」
「そか。最後に、このダンジョンの地図はある?」
「ほれ。暇だから何枚も作ったから沢山あるぞ?」
「あはは…ありがと。それじゃあ、私達は地上に戻るね。」
「いつでも遊びに来ると良い。」
「はーい。それじゃ、
第一層まで。前に行った場所はどこへだって行ける。行きたくなったら40層までひとっ飛びだ。
え?マナ?もう1兆を超えたよ。多分日向も1兆超えだし。
「はぁ…散々な目にあった……。」
「あははー…… ギルドに、行こっか。」
「うん。」
「あれ?私のマナ総量が変わってる。」
「へー。」
「私のマナが10万超えてる……ええ!?」
「?そんなに凄いのー?」
「5万を超える人だって稀なんだよ!」
「ふーん。」
たったの5万で凄いのかー。
「え…ち、ちなみに、ヨツキとヒナタのマナは……?」
「…1兆超え」
「同じく。」
「にゃぁぁぁあ…」
あ、倒れた。
「やっぱりおかしい…」
あ、復活した。
「人が持てるマナ総量を大幅に超えてるって!」
「そう言われても……ねぇ?」
「うん。考えても仕方ないって。」
「まさか、人間じゃ」
「人ですけどー??」
「まぁ、そう言われても仕方ないよ。」
「日向ぁ…」
「とりあえず、ギルドに戻ろっか。」
「はーい」
「ぬぅ…うん。」
腑に落ちないらしいイヨ。こればっかりは何も言えない。分からないんだもん!
冒険者ギルドに到着。
「ギルドマスターを呼んで下さい。」
「少々お待ち下さい。」
待ってる間にサルに襲われないか心配。
「どうぞこちらに。」
はや。
案内された場所はギルドマスターの仕事部屋だった。
「入れ」
「おじゃましまーす。」
「なにそれ。」
「ヨツキとヒナタと……」
「イヨです。」
ペコリとイヨが頭を下げる。
「イヨ…確か、勇者だったか。」
「ん?勇者?」
「珍しい魔法だからって。」
「ふーん」
それだけで勇者って呼ばれるんだ。
「さて。最下層まで行ったというのは」
「証拠はありますよ〜。全層の地図です。」
「見せてもらおうか。」
手渡す。
「ふむふむ…………な!?最下層に魔王城!?魔王と会ったのか!?」
「会いましたよ?」
「それで…倒したのか?」
「いいえ?」
「なぜ?」
「だってとm―むごむご」
「あまりにも強すぎて倒せなかったのです。」
えー魔王と友達とか言っちゃだめなのー?…え、大騒ぎになる?…分かったよ……。
「情報提供感謝する。が、貴様らにはここで消えてもらう!」
「へ?」
「
「なんで?」
「陛下の命令だ!消えて貰おう!」
「はぁ…
「な…!?無傷!?」
「なるほどね。ダンジョンの最下層まで行かせた理由はダンジョン内で死んでもらうため。王の命令によるものだったのか。でも、私達は帰ってきた。誤算が生じたわけだ。それで自らの手で……ねぇ。日向ー、どするー?」
「私達には絶対に勝てないし…王殺す?」
「あー……まだ早いよ。もっと、大きなことをしでかしたあとでね。」
「はいよー。」
王を殺したらデメリットが大きいと思う。でも、この街の人々は大変そうだ。役立たずとも言ってくれたし…市民革命のタイミングを見図ろうかね。
報酬をもらい、2人だけでなくイヨもSランクに昇格。
「それじゃあ、どっか家でも買いますか。」
「ん。」
「イヨ、一緒に来る?」
「……いいの?」
「うん。」
「それじゃあ、これからもよろしく!」
さぁ…好きに生きていくぞー。
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