第11話

38層。

「……まぢで?」

「マジで。」

「ふぇ?」

「あたまおかしいんじゃないの?」

「夜月の頭もおかしいと思うけど。」

「わかんなーい。」

「そういうところだよ。」

「っていうコントは置いといて、」

「コントだったんだ。」

「コント?」

「どうやって倒そうか。」


[ファイナルゴーレム]

最後のダンジョンボス

〈スキル〉

魔法無効化

物理耐性ⅴ

スキル妨害不可

自己修復



こういうことよ。ゴーレムだよ!?魔法も剣も効かない。もし効いたとしてもすぐに回復される、ザ、オワタ。

「オワタとか言わないの!」

心を読まれた

「何年一緒にいると……5年だわ。」

「それでさ、ヨツキ、どうやって倒せと?」

「……」

日向、どうしてこっちを無言で見つめてくるのかな?

「こういうのはねぇ、必ず攻略法と言うものが存在するのだよ。さらに、こういう何も効かない系はどこかに弱点が存在するのだよ。」

「……」

だから、どうしてずっと無言なの!?

「ヨツキは諦めるつもりはないのか。」

「日向、私何かした?」

「何も?」

「じゃぁなんで無言なの!?」

「…ばか。」

「私、日向の恋人だったっけ?」

「ヨツキ、ヒナタ、ゴーレムが」

壊星ブレイクスター

直撃……うん。やっぱりだめみたいだ。

「え、これでもだめなんて…ヒナタ、どうすれば良いの!?」

「夜月に聞いて。」

となると、やっぱり弱点があるはず。

「観察かー。弱点探しか〜。日向〜。」

「了解。」

「え?なんで今ので」

「え、後ろを確認してきてって言ったんだよ?」

「声を出さずに!?」

「え?これが普通じゃないの?」

イヨが凄い勢いで頷いてる。

「……」

何も言えない。日向なら……イヨのほうに付くか。

「夜月ー。見つけたよー。」

「ありがとー!」

目標設定ターゲットロックオン。はい。ここに撃ってー。」

「はいよー。壊星ブレイクスター

「ん。命中ー。」

「え?こんなあっさり?」

「ゴーレム討伐完了。」

「え?え?」

「あ、そう言えば日向ー。」

「んー?」

「弱点って」

「ゴーレムの核が剥き出しになってた。そこにスキルはなかったよ。」

「そー。ありがとー。」

「んー。」

「やっぱりヨツキとヒナタを敵に回してはいけない……。」

「あはは……。」

やっぱり強すぎる。もうチートを通り越してるよね。どれも当たれば即死だし。でもそれが当たり前なんだよね。

「んじゃ次に進もうか。」

「ん。」


39層

「えっと、休憩ポイントだね」

「眠いから寝るー。」

「あ、おやすみ。」

「え?なんでこんなとこで」

「余計なことを考えても仕方ないよ?」

「あ、ハイ。」

zzz……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る