第8話

31層は砂漠だった。砂だらけですな〜……ハイ、スミマセン。どっかのゲームにいたんだよ。語尾がすなのやつぅ…。

ってくだらないこと考えてるうちに魔物がっ。

「おー………アルマジロじゃん。」

「知ってる?アルマジロの大半は丸くなれないんだって。」

「知ってる。たったの2種類しか丸くなれないんでしょ。前に一緒に調べたじゃん。」

「忘れてるんじゃないかな〜って思ってさ。」

「覚えてるから。」

そんな会話をしつつ近づいてきたアルマジロを剣でサヨナラする。

「えー……」

隣で困惑してる人がいるなぁ。

「どうなってるの?おかしいって。なんで見ずに斬れてるのさ。」

「…勘?」

「怖。ヨツキ達に勝てる人はどこを探しても見つからない気がするよ。」

「あはは……でも、いるよ。たったの、1人だけ。」

「え、いるの?誰?」

「…魔王。」

「あははは!魔王の強さは誰にもわからないんだよ?」

「そっか……。みんな、知らないんだ。」

「……どういうこと?」

「夜月、早く進もう。」

「あ、そうだね。」

「なんか、有耶無耶にされちゃったなぁ。」

32層はゾンビやスケルトンがたくさん出てきた。剣や盾で攻撃してきたり、弓を使ったりしてきた。皆一掃しちゃったけど。

33層には恐竜がいた。ティラノサウルスみたいなやつが1匹だけ。中ボスツーだったのかな?風切ウィンドカッターで首を落として終了。

「えー……Sランクの冒険者10人でやっと倒したと言われているのに……」

「ふーん。ギルドって酷いんだね。」

「ねー。」

「え、依頼書を見せて。」

「はい。」

「はぁ?なにこれ?『ダンジョンの踏破』?……ランクSの依頼じゃん。どうなってるの……あ、小さくsが2つ書いてる…。」

「あーね。」

「そういうことか。」

「良いこともあるけど悪いことが度を超えてるね。」

「それにしてもなんで2人はそんなに強いの?」

「あー……えっとねぇ、異世界から召喚されて、役立たずって言われたんだよね。」

「え、勇者?」

「あとは〜……これを見てもらったほうが早いか。流星スター

「了解。太陽光線ソーラービーム

「え?え?何?この魔法…知らない。」

「夜の魔法と昼の魔法だよ?」

「え、あの伝説の!?」

「あはは……。」

「やっぱり有名なんだね。」

「有名だよ!勇者リュウカイの手記に出てくる謎の魔法!そして、謎の人物……。リュウカイの手記には、こう残されてる。『俺が初めて会ったのは洞窟の中だった。3人は主であるドラゴンを倒していた』って。」

そんなに細かく書かれてるのかー……

「そして、その3人が使っていた魔法が、夜と昼と氷だって。」

氷柱アイシクル

「日向ぁ…だめだよ使っちゃったら。」

「……テヘ♪」

「……ぁ……」

「おーい?大丈夫?」

「手記に名前は書かれてないのかな?」

「勇者リュウカイ、勇者ソウカ、勇者カケルの3人だけだった。……そう言えば…おばあちゃんが言ってた。リュウカイの手記は何度も書き換えられている。原文は、どこかのダンジョンに捨てられたって。」

「なるほどね。だから事実が違ってたのか。」

「魔王と友好関係を結んだが、どこかの時代で亀裂が生じた。それで事実を変え、魔王は討伐されたことにした。人々の混乱を避けるために。」

「……時代の変化だね。」

「え?魔王と友好関係?……思い出した!3人の名前は、ヨツキ、ヒナタ、ヒョウスイだ!……異世界から来ていた…まさか…。」

「あーあ。気づいちゃった。」

「またフリーズしたよ。ちょうどいいし、ここで休もうか。」

「そうだね。」

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