承転結


 なにか事件の手がかりが見つかるたび

「これは……推理小説だと伏線になってるところ……!!」

とか言って事件の真相に近づいてはいくものの、やっぱり推理はできないニトウ。



「ねーねー伏線ぽいとこ一杯あるけど動機も殺害方法も分からないし、やはり自殺なのでは?」

とか言って早々にサカシに諦めさせようとするニトウ。



 なんだこいつ……探偵のくせに全然推理しねえ……本当に探偵かよ……アッ、これが初依頼なんだっけ……

とイライラしてるような呆れてるようなサカシ。



「伏線伏線言うならやっぱり殺人なんじゃ……

……あ!!!!!!」

と事件の鍵に気づくサカシ。



「ニトウさんが言っていた伏線……それはこう繋がっていたんです! そう、犯人はあなただ!!」

と自分で事件を解いてしまうサカシ。



「自殺じゃないと証明できて良かった、ニトウさんに依頼して良かったです。この数日間ありがとうございました」

 そう言って去っていくサカシだったが

「サカシ君! 君の推理は素晴らしかった! ぜひ事務所の助手として、これからも事件解決を手伝ってくれ!」

と迫るニトウ。


「ハア?! そんなのやるわけ無いでしょう!!」

「君、金欠なんだろう?! バイト代は出す! 君が事件を解決してくれれば更に依頼が来るだろうし、依頼が増えれば依頼料も上げられる。依頼料を上げたら更に君のバイト代も上がる! 良いこと尽くめじゃないか!」



 金と勢いと、数日間ともに過ごしたニトウへの情で、結局助手のバイトを請け負ってしまうサカシ。



「いやあ、これでこの事務所も安泰だなあ!」

高らかに笑うニトウと、呆れてるサカシ。



ーーー



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ニート探偵 流子 @ainoruko

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