第6話 其々の、持つ『チカラ』
「・・・良かった」
そっと、アイネはそう呟いた。石礫を弾いた剣を持つ左手はじんじんと痺れるが、そんなものは今、ルーサが無事な事に比べればどうってことはない。
目の前で仲間が欠けていく、あんな思いはもう2度と御免だ。
(・・・あんな思い?)
どうしたのだろう?仲間と呼べる人たちと旅することなんて、生まれてこの方無かったはずだ。なのに、何故?どうして?
「おい!」
かけられた言葉に、ハッと我に返る。そうだ、まだ終わって無い。
「は、はい!」
タッと、立ち上がり退がっていたルーサの隣へ移動し、それと同時にロウトとヒューは入れ替わるように前に立つ。
「大丈夫ですの?」
「は、はい。問題、ありません、から」
その言葉、こちらを案じる言葉が心に気持ちよく。そして―
「うん?」
何故だか、少し心に痛かった。
「ゲーヘゲヘゲヘゲヘ。どうヤら、勘ノ良い奴もいルようダ。流石ハ冒険者ダなあ」
そんなアイネの感傷も、下種としか言いようの無い笑い声で無慈悲にも吹き飛ばされた。怒るべきか感謝するべきか。アイネの表情は何とも微妙に歪み、ぐらりと体はよろける。
「・・・アイネさん」
「何でも無い、です」
「大丈夫、ですの?」
「何でも無いです、ホントに」
心配は有り難いが、上手く説明のしようも無いため小声で誤魔化すように言い切ったアイネの剣に、ツンツンとヒューの石突が触る。
「何だと思う?」
「え!・・・え、と、ううんと、その・・・も、モンスターかな、と」
思います、と同じように小声で告げる。確かに問い掛けは人語ではあったが、どことなく詰まったような発声は、地方から来た旅人が無理やり標準語を使うようなたどたどしさに似ていた。
「地方の山賊ではありませんの?」
「はっは。人を襲って生計を得ようと考えるその手の悪党が、わざわざ言葉の異なる遠方までくんだり来ますかな?」
「しねえなあ、そりゃ」
それに、そういった連中は街のハイエナ男たちと同じく弱い物苛めが身上だ。わざわざ冒険者と分かって襲うことはすまい。
つまり、今彼らに仕掛けて来て入るのは人語を真似て発声出来るモンスターの類、その可能性が高いということだ。
「・・・一応、試してみるか」
「お任せ致す」
「おう。・・・・・・だ、誰だお前は!?」
念の為、声の主へ訊き返すヒューは無理やりに作ったような緊迫声で誰何してみる。可能性は低いが、若し相手が遠征出来るほどに組織力のある夜盗ならそれなりのアクションがあるはずだからだ。
力任せが得意そうに見えて、割合、器用な男である。
「ゲヘヘ、強がっテ。声ガ震えてルぞ、間抜けメ!」
そして、その作り声をどうやら相手はビビりの強がりと取ったらしい。居丈高にさっきと同じリーダーらしき声が告げると、その後ろからはドッと笑い声が起こる。
(つまりは・・・ただの雑魚か)
そう考えたヒューの肩から明らかに力が抜けたのにも、何の反応も無い。暗闇を見るこちらと違って相手は暗い方から明るい自分たちは良く見えるはずなのに、間抜けはどちらだと問い質したくなる。
「ワリ、あと頼む。笑いそうだ」
そう言うと、ヒューはキッと口を真一文字に閉じた。
「ふむ・・・では拙僧が。主ら!話しかけてきたとあらば、いきなりの殺し合いは本義であるまい。顔を見せられよ!」
「良かロう」
そう言って、サフサフとアイネの脛丈ほどの草原を掻き分けてこちらに寄って来たのは、
「・・・ゴブリン?」
そうルーサが見て取ったのも無理は無い。人の体を等尺で縮め丁度ヒューの腰辺りに犬の頭のあるそれは、確かによく聞くゴブリンそのものに見えた。
「い、いえルーサさん、あれはコボルトです」
しかし、アイネはそれをアッサリと否定した。
「どう違いまして?」
「頭です。人のような頭ならゴブリン。犬のような頭ならコボルト、です」
「その違い・・・必要ですの?」
「はは、ルーサ殿。違いを作れば、それを判別する学者の必要性が高まるではないか」
したり顔でそう嘯くロウトだが、それも違う。何故なら、そもそも『コボルト』という言葉の意味が『犬の頭をしたゴブリン』なのだ。だから意味があるも何も、そのまんまだ。
「貴様ラ・・・ふざけテいるのカ?」
アイネたちがビビッてると思っていたそのコボルトは、その恐れが欠片も見えない会話に苛立たし気に、手に持つハンマーのような武器で地面を打つ。もっとも、その前提自体が間違っているのだから特にアイネたちが悪い訳でも無いが。
「これは失敬。してコボルト殿―」
「ゲ・ベだ。貴様ラは同種をニンゲンと呼ぶのカ!?」
「おっと、これも失敬。されどゲ殿、拙僧らが尋ねた折にそう言って頂いておれば、左様な不作法はありませんでしたなあ」
そう、つるりと頭を撫でつつ詫び言の皮を被った皮肉を言うロウトに、イライラが高まったゲ・ベとか言うコボルトは更に地面を2度3度と打ちつつ、何やら言葉にもならぬ鳴き声をぎゃいぎゃいと叫んだ。
「なあ・・・お前とあのちっさいの、同レベルじゃね?」
「何ですって?」
「だって、お前だってオレがさ・・」
「同じにしないで下さいませ、あんな雑魚キャラみたいのと!」
「ひ!・・・じゃなくて、こ、声が、その」
そんな、よく通るひそひそ話すら聞こえない程に。
「しかして、ゲ殿。如何なる要件にて拙僧らの前に?」
バシバシとゲ・ベが地面を打つ勢いが弱まった際を見てそう投げかけられた問いかけに、思い出したように「おオ」と吐き出されたのを見て、ロウト以外の3人は顔を見合わせる。
「・・・やっぱり、頭は弱そうだ」
「ですわね。なら、時間稼ぎはお願いしますわ」
「が、頑張り、ます」
そう囁かれた悪だくみも聞こえていない様子で、ゲ・ベはその武器をさも王の持つ錫杖のように掲げた。もっともその行いには何の意味も無い、ただの見様見真似だ。
「デは言おウ。貴様ラは武器を捨テて大人シく俺たちノ案内に従っテもらウ」
「ほう!つまり拙僧らは貴殿の捕虜と!?」
ワザとらしく目を剥いたロウトに、ゲ・ベは満足したように大きく頷いた。
「ダな。あア、無駄な抵抗ハするんジャ無いゾ」
「でもよ」
と、何食わぬ顔で頭を掻きつつ、ヒューがロウトの横に並ぶ。努めて何気なさそうに振る舞ってはいるものの、よく見れば口の端がヒクヒクと動いていた。
「いくらお前が強かろうとなあ、1対4でどうする気だ?」
その動きとサッと目配されたアイコンタクトにロウトも軽く頷くと、全身に力を込めて筋肉を浮かび上らせる。
「左様、左様。貴殿如き矮躯、拙僧の筋力ならあっという間よ」
そして、それを見たゲ・ベは一瞬気圧されるも直ぐに「はっハあ」と笑い、
「多数ニ無勢と言いタいのカもしれんガ・・・甘いゾ!」
ザッと、そのまま武器ごと右手を振り上げる。
その瞬間、今まで暗闇だった背後の荒野にポツリポツリとかがり火が灯された。フラリフラリと揺れている事から、松明のように手に持つタイプだろうそれに浮かび上がるのは。
「おっ!」
「ほう」
「はっハあ!どうダどうダ、それ見タか」
ざわりざわりと群れ動く、コボルトの群れ。明かりがあって尚薄闇故にハッキリした数は分からないが、少なく見積もって2桁は居そうだ。
それを背後に、ゲ・ベは更に仰々しく両腕を広げた。
(勝った!)
背後の大軍勢に、ゲ・ベの中での勝利は揺るぎないものと化していた。彼の小さな頭の中では勝ちは当然として、眼前のイライラさせる人間2人が色を失い首を垂れる、そんな未来予想図がムクムクと広がっている。
「サあ、貴様ラ!大人シく・・・・・・何ダ?」
だが、
「さてヒュー殿、如何いたそうか?」
「ま、良いんじゃね、計画通りで。むしろ、火を焚いてくれた御蔭で手間が省けたってもんだ」
その人間たちは何一つ動じる事無く会話を続けていた。唯一驚いてくれそうだった女は、今はその2人の奥に隠れ姿が見えない。
そう、姿が見えないのだ。何をしているのか、そもそもそこにいるのかさえ。
「で、あるか。さらば先ず、ルーサ殿のお手並み拝見と」
「ああ。タイミングはオレたちに合わせるって話だから、お前はオレに合わせろ」
「相分かった。その後は各自流れで」
あまりにも意味の分からない会話。思わず「何ダ!?」と誰何するために口が開かれた、その瞬間である。
「良いですわ!」
その言葉と共に、冒険者たちの背後で煌々と燃えていた焚き木の火が消え、その姿が見えなくなる。
「消えタ!?」
「行くぞ!」
「応さ!」
そして、その暗闇の中からさっき話をしてきた男2人が飛び出してくる。
「アッ!?」
思わず、ゲ・ベは身を守るように武器を自分の前に構える。が、タッと地面を蹴った男2人は、そのまま自分を通り過ぎて斜め後ろへと駆けて行った。
「逃げルか!?」
反射的にそれを目で追い、振り返る。それが、彼が最後に犯した誤りだった。
そう、見えない所に隠れて女たちが何をしていたのか、ゲ・ベはそれを第一に考えるべきだった。
「ルーサさん!」
「いきますわよ。・・・・大地よ、凍りなさい!」
だが、過ぎ去った誤りは取り返せない。女の言葉と共に、両足に突き刺すような激しい痛みが走る。
「あガ!・・・あ、足ガ!?」
そして次の瞬間に両足は、まるで固定されてしまったかのように、ガッチリと地面に結わえ付けられたかのように、1歩たりとも動かない。
「く、くソ!?」
何が起こったのか、その元凶だろうフードの女へと視線を向け直す。辛うじて肩越しに向けることが出来た彼の視線の先には、皮鎧の女が凍った草原を踏み折りながら近づいて来ていた。
そしてゲ・ベの目には、その女冒険者は折れた剣を振りかぶるのが大写しになり、
「え、ええい!」
その若干情けない掛け声が、ゲ・ベが意識を失う前に聞いた最後の音であった。
「や・・・た!」
「っ!前ですわ!」
ルーサからの注意に目を凝らすと、ぐったりと意識を失ったコボルトを飛び越える形で1匹のコボルトが襲い掛かる。たまたま仲間を盾にルーサの凍結魔術から逃れられ、偶然に仲間が持っていた松明の範囲外からの攻撃とラックが積み重なって起きた奇跡の奇襲だ。
「え、や」
されど最後の最後で運は仲間の協力に阻まれた。剣を振り切らなかったことも幸いしてか、アイネは咄嗟に構えた剣で敵の一撃を防いだ。しかし、不格好な姿勢での防御ではその勢いを押し留められず、敵の攻撃は少し弱まった勢いのまま肩口へと吸い込まれる。
「きゃ!」
その苦痛に歪んだ顔に、コボルトは愉悦に口角をつり上げた。
が、どうしたことか、振り下ろした武器はそのままビクともしない。よもや肉を裂いたかと己の武器に視線を移すと、そこにはガッシリと掴んで離さぬ白指が絡みついていた。
「こノお」
しかし、いくら女の細腕と言えどアイネも一端の冒険者だ。その腕力がコボルトのそれに劣る道理は無い。
「えい!」
「!?」
そしてそのコボルトが意識をそちらに向けていた、次の瞬間。今度は腹に強烈な蹴りが叩き込まれ、不意打ちに足を踏ん張ることも出来ずにふっ飛ばされる。
「はあ・・・はあ」
無我夢中で反射的に動いた体に驚きつつ、蹴飛ばした方を見るとのっそりと立ち上がるコボルトの姿。流石にアイネの蹴りごときで絶命するほど華奢では無かったようだ。
しかし、そのコボルトは武器の無いのに気が付いた途端そそくさと逃げ出したのだからまあ、撃退と言って良いだろう。
「気を付けなさいまし!」
「は、はい!」
そう、襲い来るのはさっきのだけでは無い。前列にいたコボルトはルーサの魔術で文字通り足を止められ動けず、距離の問題で影響の少なかった者もその大半が両翼より攻めかかるヒューとロウトに蹂躙されているとはいえ、だ。
「女ダ、女ヲ狙エ!」
トチ狂ってか本能に従ってか、いやむしろ前方にしか進めないからかもしれない。数匹のコボルトが動けぬ味方を飛び越え、或いは踏み越えてこちらへと向かって来る。
「あ、あの数は!」
陣形もクソも無いてんでばらばらとは言え、それでもその数を蹴散らすことはアイネの技量では不可能だ。
「もう1発放ちます、それまでを!」
「は、はい!」
と、返事をしつつ、こちらへと近づくコボルトへさっき奪ったコボルトのハンマーを振り回す。技量など望むべくも無いが、それが無くとも有効に働くのが鈍器の良い所だ。
「あ」
クリティカル、というのはこういうことだろう。パカン、と小気味良い音を立ててそれにぶつかった哀れなコボルトの1匹は脳漿を撒き散らして絶命する。そして、それを見て警戒を強めたか、他の連中はジリジリと後ずさる。偶然の産物ではあるが、これで多少なり時間は稼げそうだ。
「頑張らないと、です」
そうだ。先の問答でヒューは言った、「1対4」と。
そう、彼はアイネも1つの戦力としてカウントし、策を練った。ならば、その期待には応えなければならない。冒険者として、何より仲間として。
「むうん!」
ブンと勢いよく振られたロウトの六角棒は、その勢いを一切殺されずに振り抜かれた。無論、その道中で数多のコボルトを巻き込んで行ったことは言うまでもない。
「そコ!」
その振り抜かれた所に襲いかかる、巻き込まれなかったコボルト。アイネと同じ図式に見えるが、彼女と違って彼の戦闘技能に抜かりはない。勿論、真鍮か鋼鉄造りのそれを軽々振り回す桁違いの筋力も。
「そおい!」
そのコボルトには何が起こったか分からなかっただろう。振り抜いた姿勢のまま手の中で滑らせた六角棒の先端が、恐るべき勢いでそのコボルトの脳髄を叩き潰したからだ。
「甘いぞ、コボルトとやら!」
「言ってる場合か!?」
しかしこの男の場合、言っている場合なのが恐ろしいところだ。突く、回す、振る、叩くとただの棒で出来る全てをフル活用して行う攻防一体は、正に演武か芸術のように華麗に流れる。
「ったく・・・助けにゃ行けねえからな!」
一応そう言ってはみたヒューだが、そんな必要があるとは思えないし、余裕も無い。彼もまた大斧を存分に振るいコボルトを鏖殺していくものの、それでもまだまだ、その数は多い。
「行っき、ま――――――す!」
どれだけ倒したか。目の前の敵に集中していたヒューの耳に、どこか素っ頓狂にも聞こえる声が届く。そして、その意味も。
「聞こえたか、オッサン?」
「うむ。お嬢らも、やはり一廉の者よ」
であれば、やるべきことは1つ。わらわらと押し寄せるコボルトを押しやるように斧を大振りし、その勢いで後方へと跳ぶ。
そしてロウトも同じように飛び退いた、そのタイミング。
「お、寒!」
まるでいきなり大河が現れたかのように、目の前を冷気が通り過ぎる。回避が遅れたか足にヒンヤリとした冷気が触りチクチクとした痛みが走るが、若し直撃を喰らっていればこんなものでは済まないと脇の下が冷たく濡れた。
そして、その恐怖はコボルトたちにも襲いかかった。1度目はまだ良い、何やら分からぬ内のことであるし、直撃は前にいた仲間が受けたのだから。しかし、2度目となれば話は違う。その前が居ない分威力は強いし、何より再びあったと言うことは次もあると言うこと。
そこへ理解が及んだ途端にコボルトたちから戦意はガクンと失われ、身近にいる同胞たちと顔を突き合わせはじめる。
「お、おイ・・・」
「い、いヤいヤ!」
「で、でもヨゥ・・・」
しかし、そんな彼らの小田原評定は大鐘の如き大音声によって終わりを迎えた。
「さあ!コボルトら!!」
ずしん、と大地を揺らす六角棒と、空気を震わす大音声。
「まだ続けるか!それとも終わるか!」
その音の出先である禿頭の巨人は、そう告げると凄みのある顔で、笑った。
「や、アアアアアアアア!」
恐怖に負けた1匹が逃げ出すと、そこから後は早かった。武器を捨て、それぞれがてんでバラバラの方向へ、ただただ生き延びるために走り去る。
それに異を唱えるコボルトは居ない。何故なら、動けるコボルトは皆、同じように逃げているし、動けないコボルトはそも意識すら無い。
「ふう・・・どうだ?拙僧の演技も、なまじ捨てたものではないであろう?」
「ああ、主演男優賞モン・・・いや、その顔じゃ無理か」
「ハハッ、言うではないか」
カラカラと笑う大男に、ようやく無事に生き延びた実感がヒューへと戻って来る。
「・・・さて、後は」
「うむ、後は・・・」
そう言った2人はズカズカと大股で。そして魔術師とそれを守る女剣士は警戒しつつゆっくりと、1つの目標の元へと歩み寄る。
いつの世も、敗北の責任はリーダーが取るものなのだ。
「ン・・・俺ハ・・・」
チカチカと目蓋の上から目を刺激する日差しで、ゲ・ベの意識はぼんやりと呼び戻された。ズキズキと痛む頭を押さえようと右手を伸ばそうとする。しかし、叶わない。
何故か。肩がおかしいのかと左手を伸ばそうとする。叶わない。
「た、確カ・・・」
そうだ、思い出した。依頼の元でニンゲンを連れて行こうとしたんだ。そして、
(そうだ・・・不思議なことが起こって・・・頭を・・・)
そうだ、忌々しいことに俺はニンゲンの、それも一番どん臭そうな女にやられたんだ。そこまで考え、ハッと目を開けるとそこには草むらが広がっていた。
いや、広がっているのはいい。だが、その丈はどうしたことか、自分の目線よりも高い。
「ど。どうシ・・・ア痛!」
見回そうと首を動かしつつ、口を開けた時だ。地面に擦れた自分の顎。その痛みに顔を顰め、再びハッと気が付く。
自分が、首までずっぽりと地面に埋められている事に。
「なるほド・・・だかラ、手ガ」
思わず冷静にそんな分析をしてしまうほど、ゲ・ベは混乱していた。そして、そんな彼の前に表れたモノは、
「おう、皆の衆!目を覚ましたぞ!」
いい笑顔でそう叫ぶ、色の濃い禿頭。それが誰なのか、自分の状況は誰のせいか、全てに思い至ったゲ・ベは、
「あハあ・・・・・・」
そのまま意識を失い、暗闇の世界へ出戻る羽目になったのであった。
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