第5話 楽しい?『ヤエイ』

「ほれ、あったであろう?」

 既に空は日が暮れる一歩手前。朱に染まる広場を前に、ドヤ顔で述べたロウトに対して見舞われたツッコミは、ただただ厳しかった。

「別に、アナタの手柄では無いですことよ」

 彼女のでしょう、と長髪を揺らし地面を探る片割れを指さすルーサだったが、傍らの大男はその指摘に恥じ入る様子も無い。

「なんの、なんの。それを拙僧が信じたとあれば、それは拙僧の意見でもある。そうなろう?」

「・・・なりませんわよ」

 呆れたようなルーサだが、その眼は油断なく周囲を見渡している。無論、馬鹿なことを言っているロウトも周りを見張る視線だけは真剣そのものだ。

「・・・しかしルーサ殿」

「何ですの?」

「その言い様では、どうやらあのお嬢の言い分が正しかったと認めたようなものであるが・・・如何かな?」

「・・・・・・結果は結果。甘んじて受け入れますわ、それで良いでしょう?」

 意地の悪い笑顔を見せるロウトに対して、不承不承とばかりに「ふん」と鼻を鳴らす。

「・・・で、何か分かりましたの?」

 しかし、問いかける先が少女では無く大斧を背負った青年の方なのは、彼女にも恥じる心があるということか。

「まあ、色々だ」

「色々って・・・何ですの?」

「色々たあ、色々だ」

 立ち上がりも振り向きもせず、さも興味なさげに返された返答に、さして容量の少ないルーサの我慢はたちまち臨界に達した。

「ちょっと、アナタ!」

 たちまち沸騰して指先に燐光をちらつかせつつルーサはズカズカと近寄って行く。それを初めは面白そうに眺めていたロウトだったが、

「いかんな」

 その進路上にある影を見咎めた瞬間、タッと地面を蹴って彼女を抑え留めた。

「まあまあルーサ殿。ヒュー殿も、別にふざけている訳では御座らん。お嬢も、そうお思いでありましょう?」

 その言葉に「あ!」と声を漏らしたところを見るに、視界に入ってすらいなかったのだろう。躓いて転んで、とならなくて良かったとロウトはホッと内心で息を吐いた。

「ふぇ!?は、はい」

 そんなこととは露知らず。ピョコンと、まるで小動物のように立ち上がったアイネは、何かの破片をロウトへと手渡した。

「これは・・・見たところ、宝石か何かの破片のようですな。これが何か?」

「ちょっと宜しくて?」

 そう言うが早いか、ロウトが太い指で器用に掴まえていた破片をルーサはヒョイと奪い取る。そしてそれをグッと握りしめると、ほんの数秒であるが、その掌からは眩い光が漏れ出した。

「わっ!」

「おお・・・光りましたな」

 それはその破片と同じ色の光で、つまりはその破片が発した光という訳だ。

「怪しいと思いましたけど、やはりでしたわね」

「何が、やはりなんだ?」

 頭上の騒ぎが気になって、よいしょっと立ち上がったヒューがそう問いかける。会った時から馬の合わない様相の2人であるが、重大事を前にそれを引き摺るほどは2人とも素人では無い。

「恐らく、触媒でしてよ」

「触媒い?」

「え、ええ。ガーゴイルを呼び出すには、ですね。そ、その両眼用に魔力を含んだ宝石を用意するん、です」

 吃りながらも滔々と述べるアイネに、ルーサは少し吃驚したような眼を向けた。だが、それを追求する前に男衆から視線が集まったので「コホン」とワザとらしく咳ばらいをすると、

「まあ、そういうことですわ」

 と、どこか気もそぞろな回答をした。

「ほう、東洋の聖人像における白毫の如くですかな?」

「知りませんわよ、それは。そして、これが落ちていたということは・・・恐らく、ここで何体かのガーゴイルの召喚を解いたのでしょう」

「成程。集めた者をまとめて運ぶならば、それ程の人手は不要。そう見れば、筋は通りますな」

 これまでなら茶々の1つ2つ入れたであろうロウトも、筋の通った意見にそれをするほど馬鹿ではない。ただ、感心したようにうんうんと頷いた。

「ですから・・・アイネさんの言っていたことも正しいということになりますわ」

 それでも、認めたくないものは認めたくないのか。最後に小声で「・・・癪ですけど」と付け加えるのは忘れなかったが。

「しかしアナタ、どこでそんな―」

「ふうん」

「ちょっと!」

 アイネになにごとか言いかけたルーサの言葉を遮って、今度はヒューがルーサの掌にある破片を奪い取る。

「しかし、1体呼び出すのに宝石2つとは・・・随分と金のかかるモンだな」

「そういうことでは・・・・・・まあ、アナタはそれで良いですわ、それで」

 その単純さに額に手をあてて項垂れるルーサだったが、もっと落ちていないかとヒューが地面に目を移した隙にそっとアイネに近寄ると「後で、お話ししましょう」と耳元で囁いた。

「うむ。そうであるな、込んだ話は後としようぞ」

「だな。先ずは飯だ、飯」

「って!アナタがた、盗み聞きは悪趣味ですことよ!」

「あのです、ね」

 鷹揚に頷いたロウトに代わって、何も悪くないのに気まずげに、

「ひそひそ話って、案外と聞こえるん、です」

 そう、アイネが言った時の顔こそ見ものだった。とは、後にヒューが幾度と無く語る話である。


「さてもさても。では、ここを野営地とする。のう、お嬢?」

「わ、わーわー、ぱちぱちー」

「・・・のらなくて良いですわよ、別に」

 さてもさてもとロウトが述べるまでも無く、彼らがこの場所に来たのはそれが目的なのだ。既に日は山際に沈みかけており、あとしばらくもしない内に夜の帳に落ちるだろう。

「そ、それより、その・・・『お嬢』と言うのは、その」

 恥ずかしい、と申し立てるアイネに、

「何の、お気になさらず。何となくではありますが・・・そことなく貴女からは、高貴というか高尚というか、そんな感じがしますのでな」

 いつの間にか言葉使いも丁寧に、そう言ってむくつけき大男は肩を揺らしてカラカラと笑った。

「そんな事より、ヒュー殿」

「おう。ま、誰の物かは知らねえが・・・ありがたく使わせて貰おうぜ」

 そんな事じゃ無いです、と抗議の声を上げるアイネを尻目にヒューがどさりと投げ出したのは、明らかに誰かのルックサックが2コ3コ。それを躊躇無く開けて逆さまにすると、中からはどさどさと荷物が吐き出される。

「でも・・・良いんですの、本当に?」

「良いの、良いの。落として行く奴が悪い」

「左様、左様。そも、モンスターや魔物以外の狩猟が制限されておる以上、こういった役得が無ければ遠征なぞ成り立たぬ」

 僧職の癖にハッキリと『役得』と言い切ったロウトは論外として、

「あ、あの!干し肉が、その」

「良いねえ、めっけもんだ」

「重畳、重畳。拙僧も乾パンを見つけ申しましたので、一緒に食しましょうぞ」

「アイネさん・・・何でアナタもそう躊躇が無いんですの?」

 躊躇無く、と言うよりむしろ率先して漁り出したアイネに「そんなことする娘には見えなかったのに」と独り言ちるルーサだが、しかし。

「てかよ・・・むしろお前、今までどうしてたんだ?」

 そう呆れ口調で述べられるくらいには、冒険者としての振る舞いについてはロウトたちの方が正しいのだ。

 何せ、冒険者と言えば聞こえは良いが、所詮はアウトローである。現在はギルドがそれを保証しているが、勇者ガンディオがそれを設立するまではそれこそ無頼漢と変わらぬ存在だった。そんな連中に、依頼とは言え野山で好き勝手されて狩猟権を侵害されては、王侯としては堪ったものでは無い。

「天然自然の動物には手を付けず。落ちたる財物はそれ拾い主の物。それが冒険者の鉄則であろう?」

 なので、自然とそのような妥協が冒険者と王侯の間に成立したのだ。

 しかし、ルーサはそれを聞いて尚、表情を渋いままに彼らへと詰め寄る。

「ワタクシが聞きたいのはそういうことではありませんわ」

「ほう。では?」

「分かってらして?その荷物は恐らく・・・アナタがたが助けようとしているその、攫われた冒険者のものでしてよ」

 そのルーサの発言もまた、恐らく正鵠を射ているだろう。名前が書いてある訳では無いが、ギルド公認のルックサックに持てるだけ詰め込んだと思しき荷物とくれば、大凡予想はつく。

「しかしルーサ殿。その彼らを救う為とあれば、きっと許してくれるであろうよ」

 そう、彼女の言うことも分かる。が、現実問題として手持ちの糧食が無い彼らからすれば、『それはそれ。これはこれ』で対応せざるを得ないのが現状なのである。

「ま、確かにルーサの言うことも分かる。オレたちゃ冒険者であってスカベンジャーで無し、こんなもんにしておこうぜ」

「で、あるか。ならば、せめて残りはそれと分からぬ場所に隠しておく方が良いであろうな。他の者に浚われては、それこそ心遣いの甲斐が無い」

 しかし、それでも合点がいかぬと顔を顰めたままのルーサに、アイネがおずおずと草の山を差し出した。

「それは?」

「・・・あ、あの、食べられる草とか、採ってきまし、た。あ!あと、その、私が持って来てたパンも、その」

「そこまで気を使わなくて、宜しいことよ」

 倫理と言っても、畢竟それは単なる自分の我儘。そこまで気を使われては、むしろ自分の方が悪役だ。「良くって?」と断りを入れつつルーサも、荷物をまさぐり何本かの小瓶をローブの収納ポケットに詰め込みだす。

 その手慣れた手つきを見て、ヒューは呆れた口調で呟く。

「いや、お前が一番・・・おっと!?」

 黙りなさい、とヒューに放り投げられたのは暗褐色の液体の詰まった小瓶だ。更に2本3本と投げられたそれら全てを、ヒューは危うい手つきで受け止める。

「それは強壮剤のようですわ。アナタたちのような腕力馬鹿には必要でしょう?」

「馬鹿とは何だ、馬鹿とは」

「馬鹿とは馬鹿ですわ」

 そう嘯くルーサと言われたヒューの間に火花が飛び散るのを傍目に、アイネとロウトはテキパキと作業を進める。2人の喧嘩は『止めても無駄、やらせておけ』というのが最早暗黙の了解の域だ。

「では今宵は乾パンと、お嬢の採って来た野草と干し肉を煮た汁としましょう」

「そうですね。あれ?水と鍋は?」

「水は、傍に小川が在り申した。鍋は・・・少々アレですが、そこな鉄兜で代用を」

 そう言って、ロウトは脇に転がる新品同然の鉄兜をヒョイと拾い上げた。

「な、なら私も、その、水袋に水を汲みたいので」

「では、共に参りましょうか」

 また魔術を放ちながら喧嘩する2人を放っておいて、アイネたちは沢へと向かった。

 尚、喧嘩の余波で焚き火が消えたせいで、ルーサが不味いポーションを飲みつつ魔術で火をつける羽目になるのだが、それはまた別の話。

 

「で、だ」

 食事が終わったタイミングで、そう切り出したヒューに対する反応は、

「何ですの?」

「それ、口癖です、か?」

「残念ながらヒュー殿、お代わりは御座いませぬ」

 と三者三様、バラバラだ。ことに、一番馬の合わぬルーサからの反応が一番マトモだったことに彼はヒクと眉を顰めた。気に食わぬ奴に気が通じることこそ、気に障ることは無い。

「とまあおふざけは止すとして、何事かな?」

 そう言ってギョロリと目を剥く筋肉坊主も、「え?」とまるで気付いて無かったかのように驚く少女も、ヒューには生半に気に障るのだが、

(何だろうな?)

 不思議と、その気の障りが心地良かった。

「で、何なんですの?」

「ん?ああ、1つ聞いておきたいことがあってな。一先ず、オレたちは・・・まあ、少なくとも町に戻るまではだが・・・パーティって扱いで良いんだな?」

「うむ、拙僧に文句は御座らぬ。主らとおると心が休まるでな」

「ワタクシは・・・まあ、今更ですし・・・良いですことよ」

 そして、既に言ってあったアイネはブンブンと音がするほどに首を縦に振っていた。

「で、だ」

「この娘の言う通り、やっぱり口癖でありませんこと?」

「五月蠅い」

 フンと鼻を鳴らし、「で・・・」と言いかけた口を押さえる。その横ではルーサがそれ見た事かとニマニマと笑う。そして、話が進まぬとばかり口を開くロウトと、もはやお約束になったやり取りだ。

「まあ、ヒュー殿の言いたいことは、こういうことであろう。同行していくのであるからには、腹蔵無く互いのことを話しておきたい・・・如何であろうかな?」

「ああ、そうだ。良く分かったな?」

「なんのなんの。実を申せば、拙僧が聞いておきたかったことを仮託しただけにて」

 つるりと頭を撫でる顔に似合わぬ、されど彼には似合った屈託の無さに自然と全員から笑みが漏れた。

「では・・・言い出しっぺのアナタからでは?僧侶らしく無いロウトさん」

「それでは失敬して。あれは今から、数十年前。拙僧が生を受けたのは・・・」

「スタップ!お前の生い立ち話で夜を明かす心算はねえんだ。位階ランク・・・はさっき聞いたから、何でこんな稼業してっかだけでいい」

 事実、大なり小なり胡散臭い所は全員にあるが、この男だけは特別だ。何せ僧侶とくれば普通なら治癒魔術や解呪魔術を極め、ギルドや教会に雇われるモノと相場は決まっている。修行を兼ねて冒険者をやるにしては、この男は少々歳を喰い過ぎだ。

 しかし、その疑問にロウトは再びつるりと頭を撫で、

「ナニ、それは他愛なき話よ。稼がねば妻子を養うていけんでな」

「あら?アナタ、結婚してましたの。あれ?でも・・・確か、僧侶は妻帯禁止ではなくて?」

「うむ、一夜の過ちよ。で、あるからして・・・恥を晒すが拙僧、教会からは破門の身でな。よって、魔術の行使は許されておらぬし、そもそも習得しておらぬのだ」

 そう言い、最後にポツリと「馬鹿な話よ」と付け加えたロウトの顔に、初めて暗い影が差した。そう、ヒューたちには感じられた。

「あ、あの!じゃあ、ご家族は?」

「む?ナニ、あ奴の郷里におりまする。拙僧は稼ぎを出さねばならぬ故に、こんなところまで来てあんな依頼にノコノコ乗った。そういうことでありましょうな」

 そう言って、ロウトは再びニッコリとした笑みを皆へと向ける。しかし、そこに感じられる伽藍洞のような空虚さは、拭いきれないままだ。

「まったく!聞いたワタクシが悪役みたいではないですの!」

 そんな抹香臭さを振り払うかのように、ルーサがワザとらしい憎まれ口をたたく。

「みたい、じゃねえ。悪役だ」

「である、である。罰として、次はお主であるな」

 気を使った途端にこれだ。ルーサはそんな感情が込められた溜息を軽く吐くと、「仕方ないですわね」と髪を大きく掻き上げた。

「ワタクシの位階は15位下フィフティン・アンダー

「あん?なら、オレの2コ下か。しかし・・・あの辺りでルーサなんて魔術師、聞いたことねえけど?」

「でしょうね。ワタクシがあの街に来たのが、かれこれ数日前ですから。そして!このワタクシが冒険者をしているのは―」

 と、その豊満な胸を大きく逸らすのをヒューとロウトは大きく無視して、視線をアイネへと移す。

「じゃあ、オレの位階も言ったから・・・あとはアイネのを聞いて終わりか」

「であるな」

「ちょっと待ちなさいよ!」

 思わず出た地を覗かせつつ、肩をいからせ抗議の意を全力で表現するルーサは、心底「どうでもいい」と言わんばかりの視線を送る2人には気付かない。気付いていて無視しているなら大したものだが。

「よおく、お聞きなさい!」

 いや、多分気付いていないのだろう。すっくと立ち上がって胸を反らし、

「魔術学園の才媛たるワタクシの目的、それは魔術師の頂点に立つことですわ!!」

 口に手をあて「おーほっほっほ!」と高笑いするその仕草に、照れは微塵も無い。

「・・・すげえな」

「・・・であるな」

 呆れ果てた顔で、そう述べられた感想がその通りの訳は無いのだが、それにもルーサは気付かずに満足げに頷いた。余程のアホの子らしい。

「ようやく分かりましたのね。このワタクシの偉大さが!」

「ああ・・・オレも生きてきてそれなりだが、まさか本当に高笑いする奴が見られるとは思わなかった」

 その意見に、ロウトもうんうんと大きく頷く。

「て、ことはルーサ。この依頼を受けた理由は・・・」

「ええ。ギルドを介さないで依頼を受けるなんて、腕利きと扱われている証ではありませんこと?」

 ちら、とアイネを見ると、なんとも言えない目つきでじっと彼を見つめていた。

「・・・・・・・・・」

「・・・そんな目でこっちを見るな」

 ジトり、と座った眼で見てくる彼女から気まずげに視線を逸らして、ヒューは再びルーサに目線を戻す。と、こちらを見下ろす彼女と目が合う。

「あら!?そんなにじっと見てくれなくても良いですわよ」

「いや、なあ・・・ルーサお前、もう喋らない方が良いんじゃねえか?」

 再び大きく頷いたロウトに、ようやくルーサも感心されている訳では無いことに気が付いた。

「な、何ですって!?」

「だから喋んなって。お前の声は響くんだ、なあアイネ?」

 え?と訝しむように眉を顰めた彼女に、ヒューはさっと左側を指さす。

「何を?違いますわよね、アイ・・・ネ、さん?」

 しかし、今まで座っていたはずのアイネはいつの間にか立ち上がっており、そしてその手にはこれもいつの間にか抜かれていた剣が鈍い光を放っていた。

「ちょっと・・・おふざけに乗るのは止めませんけど、流石にしつこいですわ・・・よ?」

 だが、そんな台詞が聞こえているのかいないのか。剣を握ったままゆっくり、ゆっくりと近づく彼女の表情は能面のように何の色も無い、真っ白だ。

「ちょ、ちょっと、ちょっとお待ちになって!分かりました、五月蠅かったのは謝りますわ!ですから、その!」

 まるで、そんな弁明は聞こえないとばかりに、何の感情も無いままに大きく振りかぶられた剣。思わず「ひっ!?」と頭を抱えてしゃがみ込むルーサの頭の上で―

「えいや!」

 ―掛け声と共に、カツンと何かと何かがぶつかる音が響く。

「え?」

 そして、恐る恐るそっと目を開けたルーサの前に、ドサリと音を立てて拳大の石が落ちた。

「呆けてる場合か?立てよ」

「うむ。得手不得手は仕方無けれど、まずは動けねば話にならぬぞ」

 そんな軽口を叩きつつ、抜け目なく武器を構えた2人が丁度アイネとあわせて自分を守るように陣取る様を見れば、ようやく彼女にも状況がつかめた。

「て、敵襲・・・ですの?」

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