第44話 『本心』

 すみません。長引くので、分割します(*_ _) それとちゃんと『ハッピーエンド』を迎えますので、ご安心ください(・ω・)ゞ


 ◆ ◆ ◆


「な……なんだありゃあぁああっ⁉」


 ゲイルが、素頓狂すっとんきょうな声を上げるのも無理はない。城跡がキレイに割れて、見たことも聞いたこともないモノが地中から露れた。


「おい……コイツは洒落にならんぞ、マジで」


『初見』だけど、イーグルの声は震えていた。本能的な『未知の恐怖』だろう。


 どうしようo(T△T=T△T)o アレがまだ『天然物』なら、私の『還元リダクション』でなんとかなるかもしれないけど、どう見ても『人工物』だもんねぇΣ(T▽T;)



「皆、下がれっ! アレは、この世に在ってはならぬモノだっっ」


 判然とした声が響き渡った。え……? この声ってまさか……⁉ イーグルが『その名』を叫んだ。


「レオっ⁉ お前、今まで何やってたッ⁉」



 …………ぁ…………



 私は思わず、その場に立ち尽くした。『仮面』を被っているものの、そこには紛れもなくレオの姿が。

 シャルジャ以来だ……待ち焦がれたのに、こんな形で再会するなんて……。


「反乱軍の立て直し、民の避難などで手一杯だった。もう細かく説明している時間はない! 皆、一刻も早くここから離れるのだっ」


 こんなレオ様、見たことがない。いかに切羽詰まっているのか、よく分かる。それでも私は……


「レオ……」


「――来るなっっ」


 ハッキリとした拒絶。せっかく『再会』できたのにどうして……⁉ 不可視の『壁』が、私の行く手を遮った。これもレオの『力』……⁉


「ヒメナ……は『最愛の貴女』を巻き込みたくない。同時に故郷である、このベオグラードを見捨てることも出来ぬっ!」


「このに及んで、カッコつけんなっ! お前がいなくなって、ヒメナがどれだけ悲しんだと思ってるっ⁉」


 ……ぁ……


 イーグルは『気づいて』たんだ。それでも尚、私に協力してくれた(T□T)


「……今さら、ヒメナに会わす顔などない」


「――そんなことないっ」


 私は芯から叫んだ。皆、びっくりして私に注目した。


レオ・・……私は離れてた間も、片時もあなたのことを忘れなかった。『不器用』なあなたは、なんでも一人で抱え込もうとしている」


『壁』越しに見つめ合う私とレオ。こんなに近くにいるのに『届かない』なんて。


「私たちは、皇帝を抑えることができた。みんなで力を合わせれば、あんなのどうということはないよっ!」


「ヒメナの言う通りだ。アンタとは『初対面』だが、おやっさんから色々と聞いてる。アンタは、そんな『漢』じゃないってな」


「レオ殿。一度、魔道に堕ちた私ですらゆるされた。『転ぶ』のは誰でも出来る。『起き上がり方』は、自ら覚えるしかない」


「レオ……まさかとは思うが、勝ち逃げするつもりか? オレが認めるまで、ぜってぇヒメナは譲らんぞ」


 誰一人、諦めてない! 『みんな』で、理想の未来を勝ち取るんだ!


「皆、すまぬ……。だが、これは……私自身の『ケジメ』でもある。それに私は……」


 レオは、ギリギリ聞き取れる声で呟いた。



「もう愛する女性ヒメナの前で、ウソを吐きたくないのだ」



 ……………………レオ


 二度、私の元を離れたレオ。しかし、それはいずれも『本心』ではなかった。


 その彼が、初めて明かした心の内……『擦れ違い』を続けた私たちは、初めて向き合うことができた。



「ヒメナ…………すまない」

 


『婚約破棄』された、あの夜と同じやり取り。


 だけど、今度は……


 レオは『私を護る』という、明確な意志がある。彼は『神の雷』に向けて、真っ直ぐ翔んだ。軌道に乗れば、もう防ぐ手立てはない。


 その前に『アレ』を破壊するつもりだ!


 彼の剣が膨大な光を放ち――


――閃光と共に彼は、光の中に消えた。



「――ぃやぁああああああああああああああああああああああああああああああああっっ」


 

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