第32話 『彼』に会いたい /ヒメナ
「ヒメナ。ここでの生活は気に入ったか?」
「そうね……まだ何とも言えないわ」
イーグルに訊かれ、私は適当に
尚もイーグルは何か言ってるけど、私は今後どうするか『脳内会議』を始めた。
――(私A)どうしよう……まさかこんな事になるなんて。
――(私B)私は……レオ様に会いたい。会って『真相』を確かめたい。
――(私C)それは『みんな』同じだよ。ロセナラは、連れ戻しに来たとか言ってたけど。
――(私D)じゃあ、次に『やるべき事』は決まったね。目指せ『帝都』! まずはシャルジャを出ないとね。
「……ヒメナ」
「え……?」
イーグルに呼ばれ、私は我に返った。
「今の話……ちゃんと聞いてたか?」
「あーごめん、何だったっけ……?」
訊き返す私にイーグルは、若干嘆息しつつも真剣に言い直した。
「今夜、財閥のグループが集まって
パーティー……そんな気分じゃないけど、立場上断れないよね(-_-;) 私は『適当』に切り抜けることにした。まさか『あんな展開』になるなんて……
◇ ◇ ◇
――その晩。
夜空には
――バッ!
な……何っ!? 急に目の前が、明滅した。明かりが消えたかと思ったら、私にスポットライトが当たった。
ちょっと、やるなら先に言ってよ。目がチカチカするじゃん(`ε´ )プンプン
そして、もう一条の光。そこには、派手に着飾ったイーグルが照らされた。イーグルは私に手を伸ばし、「レディ。お手をどうぞ」とダンスに誘う。
会場は薄暗いけど、皆が私たちに注目している。私はイーグルの手を取った。あくまで『社交辞令』だもんね。
皆が注目する中、私たちは優雅に舞った。けれども……『私の心』は、イーグルを視てなかった。
この手が
待ってて……レオ。すぐに会いにいくよ。
ダンスが終わり、惜しみ無い拍手が湧いた。会場全体が、私たちを『祝福』してるように感じた。
あの時とは『真逆』だな……婚約を破棄された日は、冷ややかな視線と嘲笑を浴びた。
するとイーグルは
え…………? なんのつもり……?
「ヒメナ。今宵、貴女に『婚約』を申し込む。
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