第4話

あずさとゆういちろう夫婦の長女は、翌朝5時過ぎに帰宅した。


キンリンの住民たちは、カノジョが朝帰りをするようになったことは寝耳に水だった。


朝ごはんの時であった。


彼女は、あずさから夕べはどこまで行ったのかと聞かれた。


彼女は『(友人)ちゃんがカレシにふられたことが原因で大泣きをしていた…なぐさめるのに時間がかかった…』と言うてウソをついた。


朝ごはんを食べ終えたカノジョは『いってきまーす…』と言うたあと家から出た。


この時であった。


竹宮たけみやがカノジョのあとをつけ始めた。


竹宮たけみやは、カノジョが横町のバス停からバスに乗ったと同時に、レガシィに乗り込んだ。


竹宮たけみやが乗り込んだレガシィは、現場から走り出したあとバスを追跡した。


あずさとゆういちろうの長女は、今治駅でバスを降りたあと駅前に停まっていたえんじ色のマツダRX7に乗り込んだ。


RX7は、キンパツのチャラい男が運転していた。


このあと、竹宮たけみやが乗っているレガシィがRX7に接近した。


RX7が走り出したと同時に、レガシィも走り出した。


レガシィに乗っている竹宮たけみやは、不気味な表情でつぶやいた。


オドレのオジイが犯したあやまちは、きっちりとつけてもらうからな…


時は、10月24日頃であった。


よしえがあずさに頼んでいたミツグが日本国籍取得するための手続きを取ることをあずさが忘れていたことが原因でひどい大ゲンカが発生した。


よしえは、よりし烈な力であずさを攻撃した。


大ゲンカは、夕食時に発生した。


食卓には、よしえとあずさと次女とミツグがいた。


ゆういちろうは、職場の人たちとのみに行った…


長女は、男とどこかへ行った…


あずさとゆういちろうの長男は、特別支援学校の合宿訓練で大三島の少年自然の家に行った…


…で食卓に不在だった。


あずさとよしえがひどい大ゲンカを起こした…


ミツグは『ごはんいらない!!』と言うてはしを投げた。


あずさは、困った声でミツグに言うた。


「ミツグさん、どうしたのよ〜」

「ごはんいらない!!」

「ミツグさん!!」

「オレは日本国籍はいらないと言うているのに、あんたらがいらないことをしたから怒ってるのだよ!!」

「アタシは、ミツグさんが幸せになってほしいから日本国籍を取得してと言ってるのよ!!」

「ふざけるな!!オレはペルー人だ!!今すぐにペルーへかえせ!!」

「分かってるわよ!!だけどアタシはミツグさんに幸せになってほしいのよ!!」

「日本国籍はいらないと言うたらいらないんだよ!!」

「アタシのおとーさんとおかーさんの予定がもうすぐ取れるからもう少しだけ待ってよ!!」

「日本国籍はいらないと言うたらいらないのだよ!!もう許さない!!今から日密にっぴの友好親善の事務所に言いつけてやる!!」


ミツグは、東京にある日密にっぴの友好親善事業団体の事務局に電話をするために受話器をあげた。


その後、プッシュホンのボタンを押した。


あずさは、ミツグに『待って!!』と言いながら電話を切った。


「待って…」

「何で電話を切るのだ!?」

「冷静になってよ!!」

「やかましい!!オレを家族ぐるみでギャクタイしたから許さない!!」

「ギャクタイしてないわよ…」

「いいや!!ギャクタイした!!」

「していないわよぉ!!」


(ジリリリリン!!)


この時であった。


プッシュホンのベルがけたたましく鳴り響いた。


あずさは、受話器をあげたあと話をした。


「もしもし…」


この時、受話器のスピーカーから不気味な男の声が聞こえた。


声のヌシは、竹宮たけみやだった。


「おいコラ!!(あずさとゆういちろうの長女)の親出せ!!」

「あの、どちらさまでしょうか?」

「コラ!!出せといよんのが聞こえんのか!?」


竹宮たけみやから怒鳴られたあずさは、大急ぎで電話を切ろうとした。


竹宮たけみやは、恐ろしい声で『おいコラ!!このまま電話を切ったらコーカイするぞ!!それでもいいのか!?』と言うた。


あずさは、電話をガチャーンと切った。


それから30秒後であった。


(ジリリリリリン!!ジリリリリリン!!ジリリリリリン!!)


電話のベルが再び鳴った。


あずさは、電話に出た。


受話器のスピーカーから竹宮たけみやの声が聞こえた。


「さっきはよくも電話を切ったな…それなら抑えの切り札を使うぞ!!」


ところ変わって、東予国民休暇村のキャンプ場とビーチの駐車場付近の建物にある電話ボックスにて…


緑の公衆電話機に10円玉が高く積まれていた。


竹宮たけみやは、ちびたえんぴつでメモ書きしながら受話器ごしにいるあずさをおどした。


「オレは、キンシン中の刑事からたのまれてあんたの長女むすめの写真を写してくれと頼まれたのだよ…どこの県警ポリコーとは言わないけど、あんたの父親の元部下だった巡査としとくわ…あんたの父親の元部下が欲求不満だから頼まれたのだよ…」


(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)


竹宮たけみやは、10円玉を投入口に入れながらあずさをおどした。


「おい!!そこにサカタミツグはいるか…サカタに変われ…おい、キョヒしたらどうなるのか分かってるだろうな…オドレの父親が警察組織そしきとグルになってサカタミツグをかくまっていたと言う情報がきのう発売されたフライデー(写真週刊誌)にオドレの父親が埼玉県警けんがいの本部長と副本部長と3人でニッコリわらいながら勲章を手にしている写真がっているのだぞ!!その後ろに、やくざの男が数人いたと言うことも分かっているのだぞ!!…と言うことは、国民の信頼度を大きくそこねたと言うことや…それでもまだテイコウする気だな!!よく分かった…ほんなら、オドレの長女むすめのあられもない写真と動画を知人に送るから…あんたの長女むすめはええ身体からだしとるね…おっぱいはなにカップ?…あんたもムチムチの身体からだだから長女むすめもムチムチだね…ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…」


竹宮たけみやは、『ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ…』とわらいながらちびたえんぴつでメモ書きをしていた。


竹宮たけみやからイカクされたあずさは、頭がサクラン状態におちいった。


あずさとゆういちろうの長女がケーソツな行動をしたことが原因で、竹宮たけみやがより過激な行動に踏み切るおそれが高まった。


この時、あずさに加えてミツグも竹宮たけみやの標的にされた。


恐ろしい悲劇は、このあともまだつづくようだ。


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