第2話 状況整理と目標
~次の日~
(赤子の身体は凄いな)
1日の大半を寝て過ごしているのにまだまだ寝れるのは(元)大学生にとっては羨ましい事だ
(さてと、1日過ぎた頭もだいぶ整理出来た)
昨日は突然何が起こったのか分からなくて思考が追い付かなくて考えるのをやめたが、今日は少し考えておこう
(この世界は恐らく"ラグナロク•オリジン"と言うゲームの世界だ)
"ラグナロク•オリジン"とは
ギャルゲーの学園もの
王道なRPGの2つのゲームを合わせて主人公が魔王を倒すまで超大型シナリオゲームだ
シナリオゲームと言ってもRPG要素が多く含まれている為、
PCのギャルゲーの様なキャラクター達が画面に現れて話す感じだけではなく、RPGの様に話す場面もあり
探索パート、依頼パート、戦闘パートもRPG系統でとてもやり込み要素が多い
そして
ヒロイン達との絆を深める学園編
魔王を倒す為に冒険に出るRPG編
この2つの中で自分事「クロウ•チューリア」はヒロイン達との絆を深める学園編で登場する悪役貴族だ
(…まさか2度目の人生が悪役貴族とはねぇ)
貴族と言うだけの事はあって、生活に関しては文句はない、メイド達が今も自分の事を見てくれているし
常に可愛がってくれる、恐らくこの甘い環境がクロウの人格を歪めたのだろう
(でもまだ学園編までは時間があるし…それに)
昨日は悪役貴族に転生してしまったと焦ってしまったが、今考えればそんなに気にする必要はない
ヒロイン達に嫌がらせをして、主人公達の迷惑ばかりをかけて、ヘイトが溜まりに溜まった結果、学園編最後では皆の目の前で断罪され、親からは勘当、とある辺境の地に追放されて、そこで惨めに暮らし続けたらしい
一見最悪な展開に思えるかも知れないが、これは逆にチャンスだ
(俺はゲームのクロウじゃない、つまり今から努力と…あれを使えば追放は免れ…)
免れるかも知れない、そう考えたがふとテレビで見た内容を思い出す
「バタフライ効果」、もしかしたらそれが物語に悪影響を及ぼすのではないか?
バタフライ効果とは、「非常に小さな出来事が、最終的に予想もしていなかったような大きな出来事につながる」ことを意味する言葉である。 日本のことわざでは、『風が吹けば桶屋が儲かる』(一見関係のないようなことが、意外なところに影響を及ぼす)と類似している。
そう考えると自分は学園編に登場するキャラクターとしてその通りに動かないといけないのではないか?
(…もしここが本当にラグナロク•オリジンの世界なら俺は"悪役貴族"になるしかない)
何故か?「クロウ•チューリア」は主人公とヒロイン達との絆を深める為に必要な「必要悪」だからだ
嫌がらせや妨害行為など様々な形で登場し、それを乗り越えて彼らの絆は深まる
つまり彼がいなければそう言ったイベントが起きないのだ
RTA走者なら全スキップしてRPG編で必要最低限の強化をして魔王を倒しているが、この世界でもそうなるとは限らない
(だったら目的は1つだな)
自分は思う、辺境の地に追放されるなら、そこでスローライフ出来るほどの知識と力を得ればいい
(どうせ追放されるのは18歳、残りの人生は80年くらい、残りの人生を謳歌する為に青春を捨てればいい)
今はまだ…いや、今からだ!
魔力を極限まで高める事は出来る、夜になるとメイド達もいなくなる、今日の夜からだ
"あの技"だけに頼るのはよくない、自分の未来は自分でなんとかするしかない!
「はーいクロウ様、お昼寝の時間ですよー」
「先ずはミルクよ」
「私は乳母なんだから私のおっぱいをあげます!」
…取り敢えず、今はこの天国に酔いしれておこう
——————————————————————
主人公の母親
メフィナ•チューリアはpixivにて紹介します。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます