第3話 出来る事はなんでもやろう!

~夜~


「おやすみなさい、クロウ様」


そう言って灯りを消して部屋の外に出る、足音が徐々に遠くなっていって、メイドがいなくなった事を確認する


(…よし)


目を開けて、自分が考えた特訓を始める

この世界はRPGが元になった世界(と仮説)だが、NPCの様に同じ事しか言わないとか

箪笥たんすの中を物色したり

つぼを破ってその中身を強奪したりは出来ない


(つまり、元になっているだけであって全てが忠実な世界な訳ではない)


メイド達だって生きているし、母親だってプログラムされた訳でもないのに自分の事を愛してくれている


なら、色々な事を確認して、何処まで出来るのか試すしかない


(先ずは…定番だな)


魔力MPを0まで使って超回復で魔力MPの最大値を上げる


(魔力の流れ方は何となく分かる…何故かは分からないけど、でもこれなら上手く使えるかも)


魔力消費の仕方は様々なある

魔法を使って消費する方法

これだと部屋でやると色々と不味いので却下

(火使ったら燃えるし、水使ったらお漏らしか脱水を疑われる)


もう一つは身体強化だ

これならで使えば怒られる事はない

(そもそも0歳児がそんな事出来ない)


(ゲームの世界なら覚えていない魔法は使えない筈だが俺は使い方を知っている)


更に消費MPも決まっている為、足りない場合はそもそも使えない


だけどここは現実世界、出来るかも知れない


(モノは試しだ…身体強化!!!)


身体全体に魔力を多い、全身を強化する感じで使う、魔力の流れ方が変わり、血液が体内を循環する様に、魔力も循環している様な感じが何となく分かる


(…上手くいったのか?)


全身の力が増している様な感じになるのと同時に自分自身の魔力がごっそりと抜けていくのを感じる


(…!?)


しかしRPGの様に0になったら

「あ、無くなった」

と言う感じではなく、例えるなら

トライアスロンを全力で行い、完走した瞬間の様な感じで、本気マジで死にそうになる


(う…嘘だろ…ほ…本当に…し…死ぬ…ヤベェ…舐めて…た)


ガクッと気を失い、気がつけば次の日の朝になっていたまだ全身筋肉痛の様な感じで身体中あちこち痛いが、魔力は無事回復した様だ


「おはよう御座います、クロウ様」


「あ…あうあ!」


「…/////////可愛い!!!」


「あ…あううああ!!!」


「おっぱいですか?私は出ないんですよ、すぐにお母さんが来ますからねー?」


何か勘違いしている様だが、自分はただ単に

「筋肉痛が痛い」としか言っていない、けれどメイドの人は自分に声をかけたと勘違いして抱きしめてくる


…そのせいで全身が痛い


「おはよう、クロウ」


「おはようございます、奥様」


「ほらおいでおっぱいの時間よ?」


普通は赤ちゃんにミルクをあげる時間は3時間に一回だが、この世界ではその概念はない様だ


当然だが滅茶苦茶空腹だ


生まれたばかりの赤ちゃんは吸う力が弱く、一度にたくさんの母乳を飲めないため、1~3時間起きに母乳を欲しがる


そのため、新生児期では1日10回以上の授乳になることも多く、頻回に授乳することから、この時期の授乳は「頻回授乳」と言われている


(産まれてどのくらい経ったのかは分からないけど、ミルクを上手く飲めてないのは事実だ)


ミルクの他に空気も吸っている為、お腹の中には空気が多くある、それを出す為にゲップさせているのだが、昨日はそれを何回もされた


(身体強化で上手く出来るかも知れないけど、赤ちゃんが魔法なんて使える筈ないんだから、ここは素直に赤ちゃん生活をするしかないな)


元22歳が赤ちゃんプレイをしているみたいで滅茶苦茶嫌だが、生き残る為だ、我慢しよう


「ふふ、本当に可愛い」


「そうですねぇ」


それにメイド達も母親も滅茶苦茶可愛いくて、綺麗で美しい人達だから、これはこれで至福だ


——————————————————————

注 主人公は変態ではありませんw

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