剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

プロローグ 学園編までの生活

第1話 悪役貴族転生

「危ない！！！」

「ちょっ！？剣介！！！」

そう言って飛び出したのは天城剣介（あまぎけんすけ）、今年22歳で来年からは介護の仕事をする事が決まっていた

そんな彼には彼女がいる、その彼女とのデート中の事だ、横にある公園からボールを追いかけて車道に出てしまった女の子がいたのだ

その子を助けようと車道に駆け出し、女の子を歩道へ投げる…そして

——————————————————————

そこからは記憶が無かった、恐らくあの後すぐに車に轢（ひ）かれて即死だったのだろう、記憶がなくても仕方がない

では何故今そんな事を回想しているのかと言うと

「おはよう可愛い可愛い私の赤ちゃん❤️」

今目の前の出来事に困惑しているからだ

天井しか見えないがどう見ても病院の天井じゃない

それに今赤髪の女性は自分を「抱っこ」してあやしているのだ、その時に無意識に彼女は自分の「母親」なんだと理解する

(…どう言う事だ？周りを見ても部屋にしか見えないけど、俺の家はこんなにも豪華じゃない)

更に自分は「母親」だと思っている人と会った事ないし、抱っこされる程幼くない、あまりにも不可思議な事が起こり過ぎて思考が追いつかなくなる

「あ…あうああうあ」

「んー？どうしたのクロウ？おっぱい？」

取り敢えず日本語喋るのかな？と思って適当に喋っていたらお腹すいていると勘違いされて「母親」は乳房を出して自分の口元に合わせる

「ふふ、お腹空いていたのねぇ」

(…なんかしてはいけない事をしてる気分)

取り敢えず喉が渇いていたのでお言葉に甘えて飲む…ミルクの味がして美味しいのだが、「授乳プレイ」みたいな感じで少し嫌だ

でも仕方ない色々と思考が追い付いてきて状況を整理すると、どうやら自分は何処かの世界に転生してしまった様だ

何故こんな事が起きたのかは理解不能だが、取り敢えず、今自分は赤ちゃんで名前はクロウ、そして今母乳を貰っている人は母親と言う事だ

「げぷ」

「お腹空いていたのね、さておねんねしましょうねー」

背中を叩かれてゲップがでる、そのまま一定の間隔で背中を叩かれて眠気を誘う

(ヤバい…まだ寝るわけにはいかない)

この世界についてまだまだ知らない事が多い、そんな中で寝てしまうのは勿体無い

せめて母親の名前だけでも知りたい

そう思っていると部屋の中にメイドらしい人が入って来る

「メフィナ様、そろそろ」

「あら、もうそんな時間？ごめんねクロウ、また後でね？」

そう言って自分の母親「メフィナ」に頬っぺたにキスをされてそのメイドと一緒に部屋の外に出る

「あの子を頼んだわよ？」

「かしこまりました」

そして入れ替わる様に複数のメイド達がこの部屋に入って来る、それによりここはかなり裕福な家なのだと理解する

「メフィナ様も大変ねぇ」

「そうねぇ、でもあの人もチューリア家に嫁ぐって事はそれ程の覚悟があったから嫁いだんだし…」

「貴族社会って大変ねぇ」

(チューリア家？…何処かで聞いた事があるぞ？)

確か、自分が今やっているゲームにそんな名前が…ん？クロウ？

赤ちゃん用の大きなカゴの外を見る、ちょうどいい位置に鏡があり、そこには自分の姿が見える…赤い髪だ

(赤い髪、クロウ、チューリア家…信じたくはないが…まさか)

偶然にしては出来過ぎている、しかし死んだと思っていた自分が目を開けたら赤ちゃんになっている事を考えるとそう考えても仕方ないだろう

(……ここ、俺がやっていたゲームの世界なんじゃないか？そして俺は…)

ゲーム界隈で嫌われている悪役貴族"クロウ•チューリア"に転生してしまったのではないか？

あくまでも妄想の範囲内だが、この後いくらでも知る事が出来る、そしてもしこの世界が本当に自分の知っている世界だった場合

自分事「クロウ•チューリア」は相当なヘイトを貯めて最後には惨めに無様にザマァされる運命にあると言う事だ…どないしよう

——————————————————————

新しく始めました、下手くそですが最後まで読んでくださると幸いです(^◇^;)