第7話もうロマンスは、無い・・・のに

「暑いのに・・・。」


左横の僕に振り向き、初夏の空気が二人の仲を裂いているかの様に装う明花・・・。

「加茂川まで下りようか?」


何とか付き合い初めの二人に戻りたかった。


もうロマンスは、無いのに。


 鴨川まで下りたらそういう雰囲気が出来て、自然と唇が重なり暑さを理由に遠ざかる明花の心根が戻るかも知れない!と・・・。

 浅はかな昭和生まれの男の考え。


根性とか、情熱とか、真心とかが通用する相手ではない事ぐらい分かっていたのに。


 未熟な心根のまま明花に出逢い。


未熟なロマンスのまま梅田から烏丸まで駆け抜けて行った。

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