第37話 心配

外にずっといたので、教室に戻る途中、温かいものでも買おうと自販機に寄った。後ろで騒いでいた男子の話が耳に入ってきて、ボタンを押す手がとまった。


「向坂休みってよ!」

「じゃあ世界史自習? やった!」

「インフルらしいから当分自習じゃね?」

「それって、やっぱ筒井先生お見舞いとか行く感じ?」

「で、2人でインフル? やばっ」



桔平ちゃんがインフルエンザで休んでる?



急いで教室に戻って、スマホの電源を入れた。


桔平ちゃんからの着信がいっぱいあって、メッセージもいっぱい入っていた。

メッセージのほとんどが、わたしのことを心配する内容で、自分のインフエンザのことは一言も書かれていなかった。


桔平ちゃんのバカ!




山川先生に体調不良を訴えて早退させてもらった。

受験が近いから、くれぐれも気をつけるように、と心配されて、心の中で「ごめんなさい」と謝った。





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