第17話4月7日②
ガーネット様は赤い色をした見上げるほどの大きさをしたドラゴンだった。過去に学園で召喚されたドラゴンがガーネット様なら、召喚契約の間があの広さになったのも頷ける話だと思った。
「まずは吾の子孫を助け出してくれたこと。汝に感謝するぞ」
「いえ、俺は大したことはしてないですから。お気になさらないでください。こちらのガーネットも特に危害を加えられる前でよかったです」
リリス様は必要以上に畏まる必要はないと言っていたが、これで大丈夫だろうか。
「吾の子孫は吾の名を名乗って居るのか。ならば吾のことは
頷くことで答えとする。存在感があって話をするのも大変なのだ。
「あれは吾も業腹だった。叶うことなら吾がこの手で屠りたかったものよ。故に汝に問う。そこのドッペルゲンガーは事件にも関与していたという。それと共に吾の子孫が居る。これから吾の子孫を悲しませることをすれば、吾が許さぬ。それでも、共にあるのか?」
「俺は……正直、悲しませることがないとは約束できません」
「では吾の怒りを買うのを承知するのだな!」
柘榴石竜様が咆哮する。
正直、逃げ出したいほどに怖い。体の震えをどうしても抑えられない。俺はここで死ぬのかもしれない。だとしても!
「そうなったらその時だと思います。でも、ガーネットがそれでも俺と。俺達と居たいと言ってくれるなら柘榴石竜様にどう思われようと、共に居るつもりです!」
「そうか。クックックッ。吾の子孫を失望させる気はないということだな。笑ったのなどいつ振りか。しかし、それでこそだ!よくぞ吾相手に啖呵を切った!汝が共に居ることを、この柘榴石竜が認めよう。そこのドッペルゲンガーも悪かったな。事情は聞いている。汝に含むところはない、安心せよ」
「ありがとうございます」
そう伝えるので精一杯だった。倒れる体を皆が支えてくれる。これはしばらく動けそうにないな。アスターの様子も心配だったのだが、そちらを見る余裕もなかった。
「汝と吾の子孫は通信具を持っているようだな。それに吾へと繋がるようにした。なにかあれば連絡するとよい。その様子だと、今日はもう話すのは無理だろう。今日のところは帰ることを許す」
柘榴石竜様がそう言ってくれたので、目礼だけして帰ることにした。今日は帰ったらすぐに休もう。もしかしたら明日まで目覚めないかもしれないな。そう思いながら皆に身を任せていた。
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