精力チートで契約を!

不知火マサ

第1話4月1日①

 この世界はサモンズ。誰もが異世界からの召喚魔法で召喚獣との契約をしている世界。

 もちろん、元々のサモンズ在住の存在と契約を結ぶこともできる。

 しかし、異世界から召喚した方が術者との相性の良いものが呼び出されるため、現在ではそちらが主流になっている。


 召喚獣の種類は多岐に渡るが共通しているのは人生のパートナーということだ。

 なにせ召喚獣によって職種が決まるだけでなく、人によっては文字通りの人生のパートナー、伴侶となることも多い。

 そういう理由もあって、やはり異世界からの召喚をする者がほとんどだ。


 俺はそんな世界の名前を冠するサモンズ学園に在籍している1学生で、これからの人生のパートナーとも言える召喚獣を呼び出す儀式の順番待ちをしている。


「なぁ!精力だけのエロ魔神がなにを呼び出すのか賭けをしねぇか!?」

「ろくでもない触手に銅貨3枚!」

「俺はどろどろのスライムに銅貨2枚!」

「それなら、そもそも召喚に失敗するに大銅貨を賭けるぜ!」

「おぉ!大きく出たな!」

「さすがにそれはありえねぇだろ!」

「「「ギャハハハハ」」」


 などと言う品のない声と笑い声が聞こえるが、それも仕方ないのかもしれない。

 なにせ俺は精力以外の魔力も闘気も、扱えれば将来が約束されているという仙気や神気など。どの力も使えないのだから。


「こらっ!そんなことを言うのはやめなさい!今は自分の召喚獣が何になるか、どうコミュニケーションを取るか考えなさい!」

「「「へーい」」」


「アルス君、気にしないでくださいね。私たち教師陣はアルス君の精力値、評価規格外をしっかり認識していますから。それに見合った召喚獣が必ず召喚されるはずです!」

「ありがとうございます、ローナ先生」


 このローナ先生をはじめ、学園の先生たちは俺に期待をかけてくれている。

 確かに精力以外は扱えないが評価上限を超えたことは学園始まって以来なかったことで、どんな召喚獣を呼び出すのか楽しみにしているといったことは何人もの先生から言ってもらえたことがある。

 しかし、精力だけで呼べる存在なんてどれだけ居るのやら。

 先生の中には伝説のサキュバスである始祖リリス様を呼べるかもしれない、なんて言った人も居たが……恐れ多いのでリリス様はやめて欲しいが、そんな期待に応えることが俺に出来るだろうか。


「前の組の全員が契約を終えたようです。それでは皆さん順番に部屋に入っていってください!」


 いよいよ俺達の組が召喚をする番らしい。

 俺に呼び出される存在は何か。さすがに失敗することはないと思うが、先生方の期待には応えたいところだ。

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