もっるい
『
「ヘルメットを取って顔を見せておくれ」
「無理」
カウンター席から一本足のテーブル席へと移動した
「っふ。わしみたいな自衛組の下っ端も下っ端の人間には顔を見せたくないってかい。ふふ。そうかい。凄腕魔法使いの顔を拝んでみたかったけれども。そうかいそうかい。身分制度撤廃したとて、形だけのもの。確かにここに。身分制度は存在しましたとさ」
「いや、そうじゃなくて。ヘルメットが取れないの。ほれ」
「なんと」
「そう。なんとびっくりでしょう。顔を見せられないし、自分の顔を見れないのよ。俺ってどんな顔をしてたわけ?」
「自画像を描いてそのヘルメットに貼ってはどうじゃの?」
「ナイスアイディア。と言いたいけど。自分の顔がわからない」
「おーまいごっ」
「おーまいごっ」
「三文芝居はいいからさっさと名前を聞きな。
バーカウンターに立ってちらほらと入って来た客の注文をこなしながら、
ぽん。
「そうじゃそうじゃ。おまえの名前は何じゃ?」
「俺の名前は
「
「『もっるい』?」
(2024.6.11)
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