第29話 四人で挑むダンジョン
朝の鍛錬を終えると、少し休憩してからグリーン・バレーへと乗り込む。
前回は入って早々に
途中、モンスターの襲撃を受けたが、
「はっ!」
「やあっ!」
「えいっ!」
三人は剣術、格闘、魔法というそれぞれの得意分野で応戦。
ダンジョン探索の経験はほとんどないとはいえ、戦闘についてはそれぞれ無難にこなせているな。
この点に関してはトーラよりメルファの方が心配だった。
彼女は確かに高レベルの魔法使いではあるが、実戦経験が少ない。
昨日の様子から、トーラはあちこちで冒険者たちと戦闘になっていので戦ってきた経験自体はある。身のこなしも軽やかだったし、相当場数を踏んでいるなというのは実際に戦ってみて感じた。
一方、メルファは類稀な才能を発揮していたが、それを対モンスター戦でどこまで披露できるのかという不安があった。
しかし、実際にグリーン・バレーでの彼女の戦いぶりを見る限り、俺の心配は杞憂に終わりそうだ。
「いいタイミングだったぞ、メルファ」
「……はい」
照れ隠しなのか、そっぽを向いてしまうメルファ。
一方、トーラの方は直接的だ。
「先生! あたしだって頑張ったんだから褒めてよ!」
「そうだったな。さっきの一撃は見事だったぞ、トーラ」
「えっへへ~」
こちら素直に喜んでいるな。
ちなみに、彼女は俺のことを先生と呼ぶようになった。師匠とどっちにするか迷っていたようだが、すでに師匠呼びをしているミレインからの無言の圧によって先生に決定。ミレインがそこまで呼び方にこだわっているとは知らなかったな。
ともかく、ダンジョン探索は順調だった。
……いや、やはり少々物足りないか?
彼女たちの実力は十分すぎるほど理解できた。
「ちぇっ、モンスターが弱すぎて話にならないよ」
「確かにもうちょっと手強い敵がいてもいいですかねぇ」
「賛成」
彼女たちもまだまだ暴れ足りないようだ。
「今日の目的だったクエストは達成できたし、明日は別のダンジョンに行ってみようか」
「「「賛成~」」」
息ピッタリだなぁ。
チームワークが生まれているのはいいことだ。
……アルゴたちのパーティーには、そういうのなかったからな。
あいつらもどこかのダンジョンで派手に暴れ回っているのかねぇ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます