疲労の原因…

こうみえても秋津は仕事をしている会社員だ。

日々夢に苛まれて寝不足気味なのか疲れが抜けない。


「秋津先輩、最近疲れてます?あーでも、やつれたって感じかな?」

後輩からそんなことを言われた。

身に覚えがあるにはある、でもそれを話して信用して貰えるとは思えない。


ましてや、先日の夢の内容を話せば俺はゲイ認定されてしまいそうだ。


「まぁちょっと色々あってね…」と適当にお茶を濁して誤魔化した。


確かにあの夢以来、疲れ方が酷い気がする。


家に戻って、ソファーに身を任せてあの夢を思い出しながら深いため息をついた。

仕事のペースは変わらないし繁忙期でもない。なのにこの疲れは何だ?


「何でこんなに疲れることがある?」



「意に沿わないことをしたからですよ。」


まただ!

有間の声がする。


どういうことか説明してくれよ!夢みただけで何でこんなに疲れるんだよ!


「ねぇ、この疲れは精神疲労だと感じませんか?

意に沿わない人と意に沿わない行為をしたからだと思いませんか?」


待て!したのは有間だろ?


「そうです、私です。でも私の心の疲労が投影されているんですよ。」


でも何でそれを俺が感じなきゃならないんだよ!


「私はアナタの前世ですからね。諦めて下さい。」


有間は前世だったのか?

前世のストレスを後世が請け負うって理不尽な…。


「あと少しです。あと少しだけ、お付き合い願います」


そういうと有間は気配を消した。

前世だとか、あと少しだとか、振り回されてばかりだが

ここまできたら最後まで見届けるしかないのか?


納得できないまま、気づいたら寝落ちしていた。

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