第10話
「来たよ」
「来てくれてありがと。お姉ちゃん」
あくる日、お姉ちゃんがお見舞いに来てくれた。
「ねぇ、華。看護師さんから聞いたんだけど、最近ずーっと大人しくしてるみたいね」
「大人しく?」
「もしかしてさ、華は諦めてる?」
「諦めてる?あーっと病気のこと?ううん全く」
「嘘つき。」
「嘘ついてないよ」
「嘘つきだよ華は。今だって、妙に清々しい顔をしてる。まるで悟りを開いた人みたいに」
そんな顔がどんな顔か自分では全くわからない。病気は治るっていう希望を無くしてわけでもない。自分の置かれた状況に絶望も悲観もしてない。ただ……ただただ
「諦めてるわけじゃないよ?私はただ、受け入れただけ。だよ?」
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