第7話

 次の日、私は真新しいノートにとあるものを書いていた。


「えーっと、家族1人ひとりに宛ててと、あとは……うーん」


 今書いているのは遺書の初稿?的なもの。結局のところ、いつ何があるか分からないからこそ、今のうちにできることをやろうということで、まず最初に手を出したのがこれ。数日じゃきっと出来上がらないから、少しずつできたらいいかな。


 もちろん家族には内緒。知られたらどうなるかは想像がつくからね。特にお姉ちゃんは……知られたら大変だ。ノートすらも見せるのまで絶対やめとこ。お母さんに言っとこ。


悪戦苦闘しながら書いていると、タイミング悪く看護師さんがやってきた。


 看護師さんがやってきて、私は慌ててノートを布団の中に隠した。が、当然隠そうとする動作を当然全て見られているわけで、当然問われてしまう。


「今隠したのってノートだよね?なんで隠したの?」

「え、えっと……あの~日記帳なんです!これ!」

「日記帳?」

「そうです!もちろん!さすがに見られるのは恥ずかしいかな~って……」

「変なこと書いてなければいいけれど……」

「変なこと?とは……」

「そーね、まさかないとは思うけど、私たちへの悪口とかあとは……遺書の下書きとか」


 なんで分かるの?って今までたくさんの人と接してきてなんとなく分かるのだろう。


「ま、まさか~!そんなことないですよ~」


これで納得して~!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る