ボールのけり方

@kikuchigou

第1話 勧誘したが

 俺は高校2年生。とある高校で将棋部の副部長をしている。棋力は二段ほどだ。青春というものをすべて将棋に注いできた。自分の性格は、あまのじゃくで、なんやかんやあって親とは縁を切って、学費も食事代も全部自分で賄っている。バイトに追われとてつもなく忙しい。恋には興味がない。というか人を好きになったのは小学校6年生が最後だ。最近そのころの夢が出てくる。そんな俺の初恋&最後の恋を今から話していく。


 彼女と出会ったのは、3歳のころ。幼稚園の同じクラスになった。加藤と菊池という名前の五十音順が近かったためによく親同士が仲良くなったために、必然と話すようになってきた。幼稚園ではいつも二人。外に出て遊ぶときも二人。将来は一緒に結婚しようなんて無責任なことも言っていたのかもしれない。今、自分があの時のことを思い出しても彼女のことしか浮かばなかった。


時は流れ、2013年俺に人生最大の転機が訪れる。


 サッカーのスクールだ。幼稚園の年長になると参加できるサッカースクールがあることを知った。俺は運動苦手だったが、彼女は当時から鉄棒で、逆上がりができるくらいには運動神経がよかった。彼女は、サッカースクールに入りたがっていた。でも一人なのは嫌だったらしい。だから、一番仲が良かったおれを誘ってきた。最初は乗り気ではなかったけど、わくわくしている彼女のことを見ると、なんだか自分にもやる気が出てきた。その後、スクールには入り、週一でサッカーをするようになった。おれは全く上達しなかったが、彼女が上達していくのを見て俺はなんだかうれしくなってきた。そんなこんなで一年が過ぎて小学校に入学することになった。


 彼女とは小学校が別で少し寂しかったが、週二回になったサッカースクールを楽しみに、毎日を過ごしていた。しかし、問題が起きた。スクールの人数が足りず、試合ができなくなってしまったのだ。何とか人を入れようと彼女は努力をしていたが、学校の友達は女子ばっかりでみんなに拒否され続けていた。俺は増えなくて安心していた。なぜなら、人が増えてしまうとかわいくて運動神経がよく、愛想がいい彼女を好きになってしまうからだ。だから俺は人を入れたくなかった。しかし入れなければならないというのもうすうす気が付いていた。その後俺は学校から小学校の友達を5人ほど入れた。今思えばこの選択が間違っていたと思う。

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