第8話 森、行きますっ!
森、行きますっ!
あ、そうだ。お父さん言ってたよね。林間学校でもし万が一どうしようもなくしょうがなく、森の奥に入る時は……何だっけ。えと、迷子にならないように、木に目じるしをつけておくんだっけ。お父さん何回も言ってたなあ。
遊園地じゃないんだよ? 森で迷子になったりしないよ、よる慎重だもん。でもお父さん心配するしなあ、つけよっか。お父さんのオススメのひも、ババーン!
オッケー! まさか林間学校に行く前に使うとは思わなかったけどね!
他に何て言ってたかな。お外で探し物をする時はキョロキョロするより、ぼーっと見てたほうがいいんだっけ。これはお父さんと一緒にやったことあるからわかる。
あとは……あ、もしかしてリュックの中に……あった。じゃじゃーん、かいちゅー、でんとー! えへへ、よるのリュックは無敵なのです!
それでは、出発!
●
ぼー。
たたた、ぼー。
こうしてると、真っ暗も少しこわくない。だからって、ひぐれ飛び出てこないでね!
ぼー。
走りながら、ぼー。
お父さん、何でこんなこと知ってるんだろう? そういえば、ゲームしてる時も変なこと言ってたっけ。『俺のほうがこのキャラクターより、もっとすごいワザ使えるけどね! こういう風に呪文を言うんだ!』
とかブツブツ言って、ゲームのしすぎだよ。しかもお母さんに耳つねられて泣きべそ。ぷぷぷ。お父さん、本当にカワイイ。
でもお母さんも『お父さんもスゴイけど、私もスゴイの使えるんだからね!』って言ってたっけ。いいなあ、よるも魔法使いになりたい。
ん? 目のすみっこで何か動いた。
ちっさい、動物? 立ち上がろうとしてるけど、すぐにまたすわっちゃう。もしかしてあの子がそうなのかな。ケガしてたら大変!
ホータイならリュックに入ってたはず。でも違ったらどうしよう。よるは敵じゃなくって助けに来たんだよ!
かんじゃヤだよ? よる、やせてるからきっと食べてもおいしくないの。お菓子あげるから許してね。
「も、もしもーし。フォルカくんですかあ~?」
ぐるるう!
怒ってるう?! でも、モゾモゾ動いてるだけで起きない。大丈夫だよ! よる、お薬セットも持ってるんだよ!
いっしょに森のお外に行こう? お姉さん心配してるよ? よるが抱っこして連れてってあげる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます