第8話 ビト共和国

 大元帥にして英雄の私は、厳重警備の国境をフリーパスで通過出来た。

 軍用車でなく敗戦国民を刺激しない、民間電動車での走行も良かった様だ。


 ビト共和国は予想に反し平穏だった。


「もっと荒廃を予想してたが、意外に平穏だな」

「ここはビトの首都から遠く離れた所、元々首都の影響が殆どなかったのでしょう」


 荒廃無法地帯が予想される、元首都を目指して走行中、元ビト軍の敗残軍の一行を目撃した。

「敗残兵が随分偉そうにしてるな?」

 ラフト帝国の進駐軍がビト兵の武装解除は行っている、武器無しでも軍人は格闘訓練を行い一般市民より戦闘力は有るが、それにしても偉そうな一行だ。


「ボロボロの軍服を着た女性は何でしょ?」

 ミルダに言われ見ると、二人のボロ軍服着用若い女性が居るのに気付いた。

「気になるな、聞いてみよう」


 隊列の横に停車、指揮官らしき偉そうな男に聞いてみた。

「指揮官、あの女性は何故ボロボロの軍服なのだ?」

「あぁ?お前は何だ?」


 ミルダにケイトが瞬間男に拳銃を突き付けた。

「サンド大元帥様に対し口の聞き方が成って無い、不敬罪で処刑する!!」

「ま、待って下さい!我々は治安維持部隊で有ります!あの役立たず二人は全く戦闘が出来ん者で有ります!」


 ケイトが二人の女性と何か話合って、私に耳打ちして来た。

⦅サンドさん、この二人回復と治療能力者です⦆


「治安維持部隊の指揮官、役立たずの二人、私が預かって良いか?」

「穀潰し二人居なくなるのは助かります!どうぞ連れて行って下さい!大元帥様のお供には劣りますが、夜の相手くらいは出来ますで有ります!」


 下衆な笑顔しやがって、私はそんな気は・・・少ししか無いぞ。


 ケイトが二人を車内に入れ、清拭させて服を着替えさせた。

 汚れを落とし其なりの衣装で、二人は見違える様に成った。

 長居は無用、電動車を発進させた。


「ラクト帝国の大元帥様、私達は全く戦えません・・・それでもお供させて頂けますか?」

「回復と治療能力者なら役に立つ、私はサンド、ミルダ元帥にケイト元帥だ」

「えぇ!皆さん元帥様ですか!」


 ミラが傷治療で、クルが病気治療能力者だそうだ。

 能力鑑定所の所長が、女性能力者とは積極的に性行為を行い、能力の変化を確認するようにと言ってた。




 やる事遣って一夜が明けた。


「ん?何か変だ?」


 結果は二人の治癒と回復能力が大幅に向上、私も治癒と回復が出来る様に成った。

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